MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『超簡単なので自炊やってみた。』

2018年05月25日 | BOOKS
『超簡単なので自炊やってみた。』
自炊研究会:編
家の光協会:出版


 これは、一人暮らしを始める大学生や新社会人にオススメの1冊です。
 表紙も、子どもっぽすぎず、大人過ぎず、オシャレすぎず、ゆるい感じがいい感じ。
 もちろん、これから料理を始める老若男女おススメできますが、「ふりがな」がないので小学生には漢字が難しいかもしれません。
 それでも、料理初心者がつまづいてしまう「自炊の壁」のあれこれに丁寧に答えてくれる、本当に心強い「超初心者向け料理本」です。
 料理のレシピが基本的に「1人分」なのもありがたいです。

 この本、もちろん料理ビギナーさん向けなんですが、私としては、子どもを一人立ちさせる前のお母さんにも是非読んでいただきたい!!
 (料理のできない旦那さんに料理を教える奥様方にも!!)
 できれば、お子さんが巣立つ1年前くらいから、料理を教える前の準備として、教える側が読むべき内容が盛りだくさんなんです。
 なぜかというと、「主婦歴○年」の母親としては、「知ってて当たり前」「教えること?」と思うようなことで、「自炊初心者」はつまづいているからです。この本を読むと、「ここまで説明したほうがいいんだ」「これって、私も若い頃教えてほしかったなぁ」ということに気がつきます。

 まず、
・どんな道具が必要?
・野菜の選び方と保存方法は?
・「ひとつまみ」って、どう計るの?
・野菜って、1つがどのくらいの重さなの?
・せまい台所で、どう料理する?
・コツが分からない!
・切り方の名前が分からない!
・効率よく買い物するためのメモの仕方って?
                     などなど……。

 お米の炊き方はもちろん、火加減(強火・中火・弱火・グラグラ・フツフツ・コトコト)・水加減(ひたひた・かぶるくらい・たっぷり)も、写真付きで分かりやすく説明してくれています。
 「しょうが1かけ」「にんにく1かけ」は実物大の写真付き。
 最初は材料が3つまでの「少ない材料レシピ」で、徐々にレベルアップしていける内容になっています。
 レンジでできちゃうレシピも一人暮らしには助かりますし、スーパーやコンビニのお総菜をリメイクしたり、野菜やドレッシングを使い切るレシピも便利です。野菜レシピが多いのも嬉しいですね。
 巻末には、材料別の料理の索引(インデックス)も付いています。

 これ、一人暮らし始める前の私にもプレゼントしてあげたいなぁ。
 娘には一人暮らし前に、ちゃんと教えてあげられるような気がします。
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『そして、バトンは渡された』

2018年05月15日 | BOOKS
『そして、バトンは渡された』
著者:瀬尾まいこ
文藝春秋


 大切な人がいる幸せ。
 大切な人と美味しいものを食べて、笑い合う……、そんな何気ない時間が何よりも大事なのだと教えてくれる物語です。

 「実の母とは死に別れ、実の父とは一緒に暮らせなくなり、継母と暮らし、継母がいなくなった後、継母の再婚相手その1と、そして再婚相手その2と暮らすことになる女の子。」
 こんな紹介をしたら「どんな不幸な物語か」と、誰でも考えてしまいそうなところ、この物語の第1章は「困った。全然不幸ではないのだ。」という書き出しで始まります。

 離れていても、血はつながっていなくても、どの親も彼女を深く愛して、彼女も深く親を愛していて。
 いつでも安心して帰れる場所があって、そこには美味しい食事と笑顔があって。
 だれも彼女を支配せず、強要せず、型にはめず、ただ見守り、認めて、愛してる。
 同居している実の親でも(実の親だからこそ)できない、そんな関係にも思えます。

 リレーのように託し託され彼女を育てる「親」たちに、誰も完璧な人はいなくて、みんなどこか変わっていて愛おしい人たち。
 不真面目なようにも見えるけれど、ただ、せつなくなるほど真っすぐに、不器用だけれど誠実に、一人の女の子を育んでいきます。

 もちろん子育ては楽ではありません、でも子育ては嬉しいことも、素敵なことも、喜びや幸せも、本当に盛りだくさんの「魅力ある一大事業」だということを、この本はさらりと伝えてくれます。

 「世の中は、こんな良い人ばかりじゃない」と思う人もいるでしょう。
 でも、読み終えたら、優しい気持ちになれること間違いなし。
 大切な人と美味しいものを食べたくなるはずです。
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簡単「京ラフラン」の蒸し炒め

2018年05月02日 | 料理&美味しいもの
 「京ラフラン」という野菜、ご存知ですか?
 京都大学と京都市が開発した新しい野菜なんだそうです。
 「大根とキャベツ・コールラビから生まれた新しい野菜」とのこと。アブラナ科の野菜をかけ合わせたんですね。
     旬は春。こんな感じで、スーパーで売っています。値段はホウレンソウや小松菜と同じくらいです。(今日は100円でした。)
     茎は、太めでアスパラみたい。加熱すると甘くて美味しいです。
     葉先は、つぼみも付いていて、菜の花みたいです。味も、菜の花のようなほろ苦さがあります。

 今回は、簡単に蒸し炒めにしました。
 材料を入れてから火をつけるコールドスタート調理なので、あわてずにできますよ。

    京ラフランの蒸し炒め 
   <材料>
   ・京ラフラン 1パック(約200g)
   ・オリーブオイル 大さじ1
   ・塩 少々
   ・酒 大さじ2
   ・水(またはチキンスープ) 大さじ2
   <道具>
   ・ふたのできるフライパン(または厚手の鍋)

   (1)
    洗って、4〜5センチほどの長さに切ります。
   (2)
    火にかけていないフライパンに、まず茎を入れます。
   (3)
    茎の上に葉っぱをのせて、オリーブオイルをひとまわし。
   (4)
    酒と水も、ぐるっとかけて、塩を全体にふります。
   (5)
    ふたをして、中火〜強火。蒸気で蒸し炒めになるように2〜3分。ときどき混ぜてくださいね。
   (6)
    できあがり。ブラックペッパーをかけても美味しいです。
 酒を紹興酒にして、油をゴマ油にすると中華風になります。ウインナーやベーコンを一緒に入れても美味しいです。

   (おまけ)
   
   パックの裏のレシピは「バター炒め」と「からしマヨネーズ和え」。バターを蒸し炒めの最後に加えてもいいですね。
   生食もできるとか。今度試してみようと思います。

 ちなみに「ラフラン」という名前は、大根の学名「ラファヌスサティブス」の「ラフ」とキャベツの和名「カンラン(甘藍)」の「ラン」から名付けられたということです。
 コールラビは、ドイツ語。コールはキャベツのことで、キャベツの仲間の茎がカブのように球形になった野菜です。
   これは、京都産のコールラビ。面白い野菜ですよね。
 
 
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『ポリッセーナの冒険』

2018年05月02日 | BOOKS
『ポリッセーナの冒険』
作:ビアンカ・ピッツォルノ Bianca Pitzorno
絵:クェンティン・ブレイク Quentin Blake
訳:長野 徹
徳間書店 (2004)

イタリア語タイトル:「Polissena del porcello」(1993)

 「ほんとうのお父さん、お母さんは別にいる」
 ある日、自分が修道院からもらわれた子だと知ったポリッセーナは、本当の両親をさがす旅に出ます。
 動物曲芸団をひきいる、みなしごのルクレチアとゆかいな動物たちと一緒に、海から農場、街道の宿屋、そして宮殿から荒れ地の村へ……。
 それそれの場所で、さまざまな人々から得る情報に、ポリッセーナは一喜一憂しつつ、今までの人生で経験したこともないような苦労をいくつも乗り越えて、前に進んで行きます。
 驚き、喜び、絶望、希望、そして大きな「どんでん返し」!
 物語のあちこちには、宝さがしのように、大団円を完成させるためのピースがたくさん隠されています。
 最後まで読んだら、また最初からピースを確認するために読みたくなる物語です。

 前向きで想像力ゆたかで、ちょっと思い込みが激しくて突っ走り気味なポリッセーナと、運動神経抜群なのに冷静で控えめで思慮深いルクレチア。
 自分の人生を自分でつかみ取ろうとする、2人の女の子の「ダブル主人公」の物語です。
 旅の先々で出会う人々の人生もさまざまで、個性豊か。
 素直なポリッセーナの感情にふれることで、自分の中の偏見にも気付かされました。
 ハラハラドキドキの中に、「本当に幸せなのは、どんな人生?どこでどう生きること?」そんな問いを投げかけてくれる1冊です。

 イラストは、国際アンデルセン賞受賞画家のクェンティン・ブレイクさん。
 ロアルド・ダール作品の挿絵でもおなじみですね。

 日本語版は451ページもありますが、最後まで飽きない面白さです。
 イタリアで出版され、ドイツ語、フランス語、スペイン語などに翻訳されいるとか。
 是非、日本でアニメ映画化されないかなぁと、期待しています。
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