『花だより みをつくし料理帖 特別巻』
高田郁:著
角川春樹事務所
「待ってました!」と声をかけたくなる1冊。
「みをつくし料理帖」シリーズの特別巻です。
シリーズ完結から4年も経つんですね。
大好きな登場人物たちの その後を伝える特別巻は、最終巻10巻『天の梯』の内容と巻末に付いていた料理番付との間を描いた、どれも切なさと喜びがある 幸せな物語です。
1つ目の表題作「花だより」は、「つる家」の旦那さん種市さんの絶望と奮闘のお話。
2つ目「涼風あり」は、小松原さまこと、小野寺さまと不思議な奥様、そしてお子さんのお話。
3つ目「秋燕」は、野江ちゃんと又次さんの出会いと、新しい「明日」を描くお話。
4つ目「月の船を漕ぐ」は、澪と源斉先生が大坂での大きな試練を乗り越えるお話。
どれもこれも、胸いっぱいになりながら、涙をこぼしながら読みました。
「つる家」の旦那さんの愛情に、ほろり。
小松原さまと奥様の不器用な心の交流を知り、この ご夫婦を好きになりました。お子さんがまた可愛い!
野江ちゃんの新生活と、やっと手に入れた幸せに一安心して、思わず「よかった、よかった」と誰もいない部屋で独り言。
そして、最後の「月の船を漕ぐ」では、いつも通りの澪の一生懸命さと料理への愛が描かれ、「花だより」と「秋燕」のエピソードともつながって、本当に本当の大団円です。
表紙の澪の笑顔は、ラストシーンでしょうか。
幸せな気分になりたいときに読む本が、また増えました。
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