モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ニホンカモシカのシロと久しぶりに邂逅 (妻女山里山通信)

2011-07-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長坂峠(東風越)から妻女山(赤坂山)ヘ向かって下り始めると、猪害対策で除伐された森の林道の足下から、突然一頭の獣が駆け下りました。ニホンカモシカだなと思ってオーイッと声をかけると、20メートルほど下の斜面で止まりました。白っぽい毛皮のその姿は、この辺りをテリトリーにしている三頭のカモシカの母子の二頭の子供のクロとシロのシロの方です。冬毛はグレーなのですが、夏毛はかなり白いので、通称シロ。

 夏場は緑が生い茂り、里山でのニホンカモシカとの遭遇は非常に困難になります。糞場に行けば毎日真新しい糞があるので、棲息は確認できます。
ねぐらは糞場の近くにあり、早朝か夕方行けば会えるのですが、その時間は彼らの大事な安息時間なので、あまり邪魔したくないところです。そんなわけで、夏場はなかなかお目にかかれないので、今回の邂逅は幸運でした。

 母親がいると、非常に警戒するのですが、このシロはクロよりも警戒心が薄く、というか好奇心が強く、側まで寄る事ができます。声をかけながら除伐された小枝が煩い急斜面を下って行きます。シロは興味を示しながらも一応警戒して右上の斜面にゆっくりと登っていきます。そちらは、三頭がいつも落ち合う場所のある方向です。

 手を振ったりして撮影しながら、さらに間合いを詰めて6メートルぐらいになりました。どうしようかなという感じです。なぜか突然下向きになりました。万一の場合下に逃げた方がいいかなと思ったのでしょうか。警戒心を解くためにしばらく動かずにいて、また上を向いたところで近づきました。その距離約4メートル。もう限界距離です。

 上へ歩いて行きそうになったので声をかけました。そして振り向いたのが最後のカットです。体毛がかなり白くて、遠目から見るとまるでヤギのようです。顔が少し黒いので、一番上のカットなどは羊のサフォーク種(ウォーレスとグルーミット)のようです。サフォーク種は、信州新町のジンギスカンでも有名ですが・・。

 撮影後、上の林道へと戻りました。好奇心お旺盛なシロといえども、やはり緊張の時間です。あまりストレスを与えてもいけないので、必要以上に長くならないようにしています。シロは結局母親や兄弟のいる森へは行かずに、その辺りで葉を食べ始めました。

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