モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

真夏日に蝶を求めて遠征すれば・・・ (妻女山里山通信)

2011-07-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 盆地は34度になろうという週末の朝、蝶を求めてとある里山まで行きました。車を置いて朝から蒸し暑い林道を休み休み歩く事1時間。やっと目的の場所につきました。春先と晩秋は月の輪熊も出るところですが、さすがにこの季節は大丈夫でしょう。熊鈴はつけませんが、周囲には気を配ります。クロメマトイがつきっきりで目を攻撃してきます。この季節メガネやゴーグルは必須です。

 満開のオカトラノオの白い花が青海波を描いています。青海波とは鱗状の波の文様で、ペルシャ・ササン朝様式(226~651年)の文様が中国の青海地方の民族文様となり、日本に伝播した文様です。 どおりでどこかイスラミック文様のような幾何学的なデザインでエキゾチックです。日本での名称「青海波」は、舞楽「青海波」の装束に使われた文様が起源です。

 なにかいないかなと探すと、マルバハギにルリシジミが舞っています。蒸し暑さの中で凍らせてきたウーロン茶をすすりながら留まってくれるのをひたすら待ちます。網で捕るなら簡単ですが、撮影それも近接のマクロ撮影となると、もうひたすら忍耐です。留まったかなと思ってレンズを近づけると逃げる。また留まったかなと・・・。その繰り返しで、アプローチしては逃げられる女の子を追いかけているような虚しい気持ちになりかけますが、諦めたら終わりです。蝶も女の子も・・。

 そんな感じで暑さで意識が朦朧となりかけた頃に、やっとマルバハギの花に留まってくれました。いやあ絶好のシャッターチャンスです。気配を殺して近づきます。このとき絶対に肉眼で直視しないこと。視線は眼力というように力ですから、逃げてしまいます。極力液晶ファインダーでチェック。仕方なく直視する時は、眼力を消して無心の境地で。てな具合で撮影したのが冒頭のカットです。黒目の奇麗な瑠璃蜆のお嬢さんでした。(翅表が、オスは明るい青藍色、メスは外縁部が広く黒褐色。似たヤマトシジミは目がグレー)

 クズが巻き付いたエノキの森に出ると、オオムラサキが十数頭乱舞していました。いずれも活性が高く、クズやクヌギの葉に留まっては飛ぶことを繰り返しています。時折二、三頭がくんずほぐれつで舞い踊ります。たまに通りかかっただけの小鳥が、思いっきり追われて逃げていきました。そうなんですオオムラサキはかなり強いんです。ツバメを猛スピードで追いかけていくのを見た事があります。クヌギの樹液バーで、スズメバチを追い払うのを見た事もあります。なかなか気の強いお嬢さんです。オスもそうですが・・。

 マルバハギにキマダラセセリが来て留まりました。留まるときのはねの閉じ方が特徴的で、地味なセセリチョウの中では、ひときわ派手なチョウです。ルリシジミを撮影中の私の手に留まったこともあります。どこからともなくアカシジミが舞ってきました。割と活性が高く、なかなかジッとしてくれませんでした。日向を色の濃い蝶が舞ってきました。私の周囲を舞った後で地面に軟着陸。ジャノメチョウです。暗褐色で地味な蝶ですが、割と日向を好みます。

 奇麗な緑色の蝶が舞って来て葉の裏に留まりました。こういう状態での撮影は厄介です。葉の裏へ回り込んで撮影しましたが、逆光になるし、撮影の姿勢も相当無理があります。そんなこんなで撮影したのがカギシロスジアオシャク。ペパーミントグリーンに白の線が入った美しいガです。

 最後に夏のキノコ、ヤマドリタケモドキです。フランスではセップ、イタリアではポルチーニと呼ばれる高級キノコの仲間です。信州では夏に採れます。夏にキノコ狩りをする人は稀なので、これらはみな私のものになります。天ぷら、フライはもちろん、スープやパスタ、オムレツ、バターソテーなどに。クリームパスタに入れたりやカルボナーラにソテーをトッピングすると絶品です。刻んでハンバーグに入れても美味。ポイントはキノコの風味を損なうような強い味のものを入れないことです。

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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。チョウのスライドショー製作中。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りソーセージもお薦めです。山菜料理も豊富です。豆料理もたくさんあります。
コメント (1)
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