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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

オオムラサキの樹液バーは大盛況! (妻女山里山通信)

2011-07-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 オオムラサキの集まる樹液バーを求めて遠征し、山歩きを1時間余り。やっと見つけました。林内の気温は32度で、ジッとしていても汗が噴き出します。気温が高すぎるためかクロメマトイが少ないのがなによりでした。林内に見つけた幹周りが2mはありそうなクヌギの大木には、ちょうど目の高さ辺りに節があり樹液が流れ出ています。樹液バーに集まっているのは、カナブンやアオカナブン。オオムラサキはまだいません。それでも、15-20mの樹冠辺りを見上げると、時折オオムラサキが天空を横切るのが見えます。ここはじっくりと腰を据えて待つ事にしました。

 凍らせて来たウーロン茶を飲みながら、どれほど待ったでしょうか。バッサバッサという派手な翅音と共に二頭のオオムラサキが飛来しました。大きい! 二頭ともメスでした。まずはアオカナブンを追い払い、ヒョコヒョコ歩いて樹液が吸えるすき間を探します。見つかると丸めていた口吻を差し込んで吸液を始めます。吸い始めたところでレンズを近づけます。このタイミングが大事です。オオムラサキ嬢は、こちらをガン見しながらも樹液を吸い続けています。レンズとの距離はわずか3センチ。少しでもおかしな行動をとると即座に飛び立ってしまうので、気配を殺しての撮影です。

 複眼には黒い点(偽瞳孔)がありますが、写真でも分かる様に、それらは見る方向へ動くので、まるで見つめられているような気がします。これらの偽瞳孔は蝶が死んでしまうと、複眼が黒や茶色に変色して消えてしまいます。つまり、標本では決して見られない模様なのです。見えている画像は知るべくもありませんが、複眼といっても実際はひとつの画像として認識しているようです。画素数の低い魚眼レンズで見ているという感じでしょうか。ただ動体視力は人間よりもいいようです。また、紫外線も見える様です。

 あまりに夢中になって吸っているので、最後に残った一頭の翅をつまんでみました。*グイッと広げて逃げようとします。その力は想像以上で、去年は驚いて思わず手を放してしまったほどでした。彼女は「なにするのよ!」といった風に眼を飛ばします。スーパーマクロで何カットか撮影してからお帰りいただきました(笑)。そんな感じで撮影していたのですが、スズメバチの旦那がやってきました。オーッとという感じで一時退散ですが、そのスズメバチはいとも簡単にオオムラサキのマダムに翅で追い出されてしまいました。オオムラサキは強いんです。縄張りに入って来た鳥を追いかけて追い払うことも度々あります。相当に気が強いんです。

*翅の端をつまむと引き千切って逃げてしまい傷つけるので、かなりコツが必要です。むやみに真似をしないでください。

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