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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平に舞う氷河期の生き残りウスバシロチョウ。ナミホシヒラタアブも(妻女山里山通信)

2020-05-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 まるで梅雨入りの様な毎日。わずかな晴れ間に妻女山の陣場平へ。妻女山山系では、幼虫の食草のシロヤブケマンやムラサキケマンが増えたためか、ウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)があちこちで見られる様になりました。今年も5月6日に初見した後で、15日過ぎから大量に舞い始めました。ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)は、チョウ目アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科に属するチョウで、氷河期の生き残りなどともいわれます。

 ステンドグラスの様に透けた羽がなんとも美しい。蛹時にマユを作るという数少ないチョウです。 ハルジオンは、おなじみの花ですが、日本生態学会では本種をヒメジョオン(姫女菀)と共に日本の侵略的外来種ワースト100に選定しています。陣場平のものはすべて除去しますが、その下のギャップのものは残してあります。タンポポも咲き終わり、この時期彼らが吸蜜できる花は、ミツバツチグリとハルジオンぐらいしか無いのです。

 ウスバシロチョウのオスは、メスと交尾するとメスの腹部にスフラギス(交尾板・受胎嚢)という貞操帯みたいなものを付けます。メスが他のオスと交尾ができないようにするものですが、その効果が絶対かは分かりません。

すったもんだのウスバシロチョウの交尾。交尾後にオスがメスにつけるスフラギス(受胎嚢)(妻女山里山通信):昨年の記事です。交尾の写真とスフラギスがご覧いただけます。

 ハルジオンで吸蜜するナミホシヒラタアブ。

 ハナアブやミツバチは、松枯れ病のネオニコチノイド系農薬を散布すると簡単に全滅してしまいます。果樹や野菜の受粉ができなくなってしまいます。松本市が空中散布を中止したのは懸命な処置です。松枯れ病の原因の殆どは、実は排気ガスです。当該記事がたくさんあるのでブログ内検索をしてください。

(左)北米原産のニセアカシア。和名はハリエンジュ(針槐)。妻女山の駐車場にありますが、ここより千曲川の河川敷にたくさんあります。養蜂業者にとっては大切な木ですが、洪水の時にたくさんゴミが引っかかったりするので、希望者を募って伐採もされます。(右)陣馬平に咲くマムシグサ(蝮草)。サトイモ科テンナンショウ属の多年草で毒草です。友人の医師は、これの赤い実を食べたことがあるそうですが、口内がただれて大変だったそうです。毒草は薬草でもあるので自分を使って人体実験した様ですが…。

 陣場平の貝母も随分と枯れてきました。種の入った実は大きいもので直径10ミリぐらいですが、殆どはまだ5〜7ミリ。梅雨入り前に妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーを集めて。周辺の球根を掘り起こして移植作業をします。

 その仲間とうちの山で行っている椎茸の原木栽培。雨が降ったので成長を始めました。干し椎茸にします。菌床栽培のものと違い原木栽培のものは味が濃いのです。シンプルに酒と塩を振って蒸し焼きにすると最高です。ただ今年は異常な天候で、今までになく出来が悪いのです。

 桐の花も満開です。向こうに象山。その向こうに皆神山。更に奥に立石山。カッコウが鳴き始めました。高原みたいでいいんですが、人家まで下りてきて隣の屋根のアンテナでずっと鳴かれると、喧しいのです(笑)。しかも、鳴き方が下手で、カッコワと鳴かれたり、カッで突然止めたりすると気になって仕方がありません。

(左)今年もたくさんの方が観に来られた陣場平の貝母(編笠百合)ですが、これは2016年4月2日の様子です。ヨシが大繁殖して貝母に迫りました。(右)仲間を集めてヨシの除去です。根っこが少しでもあると出るので、地下茎も全て掘り出しました。加えてヨシだけでなくノイバラもたくさん混じっていて、その地下茎も掘り出しました。大変な作業でした。

(左)2016年5月の様子。奥にヨシやノイバラを積み上げてありますが、最終的には2mの高さになりました。(右)何回も通って、こんな風にほぼ全ての地下茎を掘り出しました。ヨシは全滅できましたが、ノイバラはまだ少しあります。今年も除去作業をしました。除去した場所には、貝母の球根を植えていきます。

小林萌花 from BEYOOOOONDS /// ショパン: スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20 (バースデーイベント2019)
 
 ハロープロダクションのアイドルですが、プロ級のピアニストが、アイドルもやっているというのが正しい表現でしょう。こんな難しいショパンのスケルツォを美しく弾きこなすとは驚き以外の何物でもありません。聞き惚れました。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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