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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

寒風の中、椎茸のホダ木の再伐採。非常に難しい掛かり木を処理。陣場平のセリバオウレンと貝母。突然の停電!(妻女山里山通信)

2022-03-20 | アウトドア・ネイチャーフォト
 当ブログをご覧いただいている方はお分かりだと思いますが、以前椎茸栽培のホダ木として伐採し丸太にして積んでおいたクヌギが、泥棒に盗まれてしまいました。地獄に落とすべく大日如来に念紙を貼りました。というわけで、急遽クヌギの伐採をしました。寒の戻りで激寒。気温は3度ですが北風で体感気温は零下。大変な伐採となりました。

 間違いなく掛かり木になるので、今回もプロの長男に伐採を依頼。現在はフォレスターではなく、信州の森林を管理するデスクワーカーですが、技術はプロなので。まず受け口を作ります。

 受け口。広葉樹で重心が倒したい方向にないので、かなり厄介です。倒れてほしくない方向に倒れないようにロープで固定してあります。

 上の枝の動きを見ながら、慎重にチェーンソーを入れていきます。林業というのは、農業や建築業より危険なのです。充分すぎる知識と経験と慎重さが必要なのです。

 楔(くさび)を打って慎重に切り進めます。

 はい、見事に掛かり木になりました。それも最悪の状態で。ここから我々の実力が試されます。皆大卒で専門職を経験したツワモノぞろいなんですが、自然の前ではそんなものなんの役にも立ちません。どうすんのこれ。

 とりあえず、伐採木の高い位置にロープを結び、揺らしてみました。ぜんぜん駄目です。たった5センチほどでも生木は強いのです。どうしましょ。こんな寒い日なのに、鞍骨山や斎場山へ登るハイカーが結構来ました。忙しくて全員にお相手やご案内できませんでしたが、4月10日以降の貝母の満開の頃にはぜひ来てくださいと。

 根本を切り離し、シメラーという道具で根本を3mほど引っ張ってみました。掛かり木の先の枝が直角に下に向いていてどうにもなりません。

 元校長先生のA氏が俺が掛かっている木の枝を伐ると挑戦。非常に危険な作業です。まず切り落とす枝にロープをかけて跳ねないように固定。チェーンソーでは切れすぎて危険なので、ドイツ製の手ノコで慎重に切り始めます。三分の二ほどでメリメリッと落ちました。やれやれ。

 ホダ木にするために、1メートルに切ります。あっ、彼は生涯のパートナーを募集中です。自然とアウトドアが大好きな心優しい女性なら自薦他薦を問いません。湘南生まれの調布育ちのシティボーイですが、私の実家がある信州が大好きで大学も信州に。そして定住しました。赤ん坊の頃は、可愛いということで、私の仕事の関係もあり富士フィルムの広告や朝日新聞のPR誌、日テレのスッキリ!などマスコミにも登場。夫婦の考えで芸能界には入れませんでしたが。本当にいいやつです。東京で建築士をしている次男もイケメンで心優しいいい男です。

 乾燥させます。盗人予防に今回はロープで結びました。所有者の妻女山SDPのテープも。度々偵察に来るので大丈夫でしょう。センサーカメラもあるので付けるつもりです。

 11時前にやっと作業は終了。4月上旬の陣場平の作業について説明するために現地へ。積石塚古墳の説明も。

 メンバーで移植したセリバオウレン。皆もこれは増えるなと確信。薬草で毒草ですが、ニホンカモシカはこの葉を平気で食べるので、冬の対策が必要になるかも知れません。

 貝母の群生地。数年前から植え始めた球根が芽吹いて、群生地がかなり大きくなったことにメンバーも驚いていました。奈良時代に中国から入り、江戸時代に全国各地で栽培され、中国や朝鮮にも輸出されたという薬草(毒草)ですが、化学薬品の登場で衰退し、今や全国の里山でこれだけの群生地が残っているのはここだけです。4月の茶花なので茶道をやっている方には垂涎の花でしょう。満開は、4月10〜25日頃だと思います。開花情報はこのブログでアップします。

(左)クヌギの実生。あちこちに出ていましたが、夏を越せるものはほとんどありません。大木になれるのは、奇跡なぐらいに難しいことなのです。ですから里山に生えている木は、それだけで奇跡の木なのです。(右)ウスタビガの繭。その形から、別名吊りカマス。繭が枝に絡みついている糸が見えたので撮影しました。繭はすでに空です。息子が庭に植えたいと山蕗を三株掘っていきました。栄養過多の土だとアクが強くなるので貧土をとアドバイス。ついでに、彼は奥さん募集中です。自然やアウトドアが大好きな心優しい女性がいいなと。

(左)木曽に行ったという長男のお土産。すんき漬けは大好物です。発酵食品の漬物の王様といっていいでしょう。しかし、もうひとつの熊の油はいったい何? 古来より手荒れ・肌荒れ・乾燥肌・ひび割れ・アカギレ・火傷・すり傷・切り傷・乾燥肌・痔・虫さされ・水虫等の特効薬として珍重された民間薬だそうです。麻油とか馬油とか、自然のものはいいですね。(右)昼は篠ノ井消防署近くの紅日香(べにこう)へ。実は向かいの長崎亭でちゃんぽんを食べるつもりでしたが休み。観光客向けの店以外は休みのことが多いのです。ここのちゃんぽんは長崎出身のご主人なので本物。刺身定食は長崎直送なので、絶品です。

(左)長男は酸辣湯麺。(右)私はいつもは激辛味噌ラーメンなんですが、とろとろ豚バラ肉のあんかけラーメン。やさしい味で美味でした。私は温泉へ。やっと冷え切った体が温まりました。まだ里山保全の仕事が残っているので、明日以降も登らないといけません。

3月18日(金)の午後6時半から9時半にかけて、長野市南部の一部と千曲市東部で停電しました。非常に寒い日だったので大変でした。停電になると、オール電化など絶対にあり得ないと思います。エネルギー源は複数あるべきです。私は、電気、電池、プロパンガス、カセットガス、石油、灯油、薪、炭とありますが、その夜は車のエンジンをかけて暖を取り、スマホの充電もしました。車のシガーライターから三種類のアダプターを引いていて、一眼レフカメラ、コンデジ、iPhoneに充電できます。夕飯を食べ終えた後だったので炊事は不要だったのが幸いしました。ランタンの単一電池がほぼ終わりかけていたのが想定外でした。早速、たくさん持っている単三電池を単一で使える電池パックをセリアで買いました。
 炭をおこすカセットバーナーも持っていますが、キャンプ用品はこういう時に以外に役に立ちます。あとは水の確保ですが、水道が止まった時のために、井戸や泉があるといいですね。田舎なのでどちらもあります。非常食もある程度蓄えておくべきですね。ツナ缶とかを食べて、サラダオイルを入れ、プリンなどの透明な蓋に十字に切れ込みを入れ、タコ糸を油にひたして着火すると、簡易ローソクになります。炭があれば、七輪もあると便利です。信州では、お風呂や暖房に石油ファンヒーターを使う家が多く、大抵の家に200リットルぐらいの灯油タンクがあるのですが、どちらも電気を使うので停電時は使えません。昔ながらの石油ストーブもあるといいですね。薪ストーブや竈(かまど)があったら最高です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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