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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

信州の千曲市が舞台の映画『ペルセポネーの泪』を観に行きました(妻女山里山通信)

2021-12-02 | シネマ・テレビ
 地元の千曲市が舞台の話題の映画『ペルセポネーの泪』を観に行きました。ネタバレになるのでパンフレットや予告動画で紹介されている以上のことは記しません。主に個人的な感想を。

 ペルセポネーって初めて目にする人が多いのではないでしょうか。ギリシア神話に登場する生と死との間を廻る大地の女神で冥界の女王です。象徴は自らが食したザクロ、水仙、蝙蝠の3つ。
『ペルセポネーの略奪』:「ペルセポネーが冥界でどんな食べ物も口にしていなかったならば、その願いをかなえよう」
 正直に観た感想を言うと、消化不良の様な満たされない気持ちが残る作品でした。決して駄作ではありませんが、傑作ではないかな。ギリシャ神話を題材の原点にするのはいいのですが、それが効果的に作品に反映されているとは思えませんでした。ファンタジーをうたうには演出や映像にケレン味がなさすぎる。鈴木清順ぐらいは目指してほしかった。いい役者さんが揃っているだけに残念。展開が想像できるか?とありますが、展開が全く予想できなくてとニュース映像でおばさんが言っていましたが、映画を観た回数や小説を読んだ回数が少ないのでしょう。フラッシュバックやデジャヴュは、よく用いられる手法で珍しくはありません。だいたい予想できました。特にラストシーンは予想通りで終わりましたが、あまりにも表現が簡単すぎます。最後に冥界もののふの地団駄が見たかった? あれっ!?という終わり方でしたね。

 ロケ地はほとんどが千曲市が使われています。唯一長野市の旧屋代線の川田駅が登場。ロケ地のほぼ全てが馴染みのあるところで、すぐに分かりました。拙書『信州の里山トレッキング』でも千曲市の里山をたくさん紹介していますし、当ブログでも数え切れないほど紹介しています。正直言うと、もっと美しいシーンや場所があるのになと思いました。これは美しいと思ったのは、大池での空撮シーン。個人的に一番印象に残ったシーンです。そこは大河ドラマ『風林火山』でも使われた場所で、拙書では三峯山のページで紹介しています。車で行けますし、バンガローやキャンプ場もあり、長野市や千曲市からも近くオススメのスポットです。

 映画のメインの舞台となった姨捨の棚田。左手上に主人公たちが住んでいた家(ゲストハウス)があります。拙書では、冠着山(姨捨山)のページで、その歴史や自然の魅力をコースや写真、文章で紹介しています。姨捨の長楽寺には姨捨伝説の姥岩があり、棚田の眺めもよくオススメです。剛力彩芽さんが、この棚田の道を自転車で二人乗りの後ろで走り下りるのが一番怖かったと言ってましたが、あれは拷問に近いですね。監督は鬼ですね(笑)。ブレーキが壊れたら棚田にダイブするしかないですものね。あのシーンは、私もお尻がムズムズしました。

 荒砥城跡下の善光寺大本願別院からの戸倉上山田温泉。ここは、高校時代の同級生の旅館(国楽館 戸倉ホテル)があるので、昔から新年会で利用していました。知り合いのタイの女性がやっているスナックもあるので度々行っていました。そこで行われたクリスマスパーティーとかの写真や動画もあるのですが、さすがにアップできません。この映画にも、そんな元気なタイやフィリピンの女性も登場して欲しかった。そんなわけで、まあ隅から隅まで知っています。正面の里山は、拙書でも紹介している五里ヶ峯。何度も登っていますが、本当にいい山です。

 国道403号の姨捨サービスエリアの上にある千曲川展望公園からの暮れなずむ善光寺平。ここからの夜景は超オススメです。ここから少し下ると姨捨駅。ここもオススメ。遠く志賀高原や信越トレイルの山々が見えます。この夜景を映画で取り上げて欲しかった。まあ、大きなスポンサーもついていないし、予算が少ないのは分かりますが。しかし、傑作ではないかもしれませんが、多くの人に見て欲しい映画です。見方や感想は人それぞれですから。私は学生時代から何百本、いや千本以上の映画を観てきました。時に現実はフィクションを超えてしまうこともありますが、この映画で人生が変わる人だっているかも知れません。長野県の後は全国でも観られると思います。ぜひ観てください。
『ペルセポネーの泪』公式サイト
 私の好きな日本の映画監督は、小津安二郎、鈴木清順、藤田敏八、小栗康平など。海外では、フェデリコ・フェリーニ、タルコフスキー、スタンリー・キューブリック、イングマル・ベルイマン、ウッディー・アレン、ヴェルナー・ヘルツォーク、グラウベル・ローシャなどです。

 QUEENの『ボヘミアン・ラプソディ』は、七回観に行きました。DVDも買って何度も観ています。学生時代、イースターの休みにロンドンに5週間ほど住んでいた時に流行っていた曲です。QUEENは、私の青春そのもの。当ブログや村上春樹さんのことを記したはてなブログでも記事にしています。印象に残ったのは、柳楽優弥主演の『北斎』。これも傑作でした。信州の小布施が深く関係します。小布施の北斎館はぜひ訪れてください。

70年代は、ニューシネマ。そして私はシネマフリークになった:『国分寺・国立70sグラフィティ』村上春樹さんのジャズ喫茶、ピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクルまたはスラップスティック。世界中からアクセスが有る私の人気のブログです。QUEENの記事も。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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