信州は16日(金)に梅雨明けしました。学生たちの集団や知り合いの方と邂逅。翌日の土曜日、最高気温は35度の予報。妻女山から貝母群生地のある陣場平と堂平大塚古墳へ登りました。クロメマトイが煩くつきまといます。物凄い湿度と暑さでまいりました。しかし、この季節でないと出会えない昆虫や粘菌と邂逅。翌日は初めてシロススホコリの撮影もできました。拙書を出版する前は、35度の猛暑の中で樹液バーに4、5時間も張り付いて撮影しました。機嫌の悪いオオスズメバチに100mも追いかけられたこともありました。
陣場平下のギャップでアゲハチョウに邂逅。せわしなく山椒の葉を飛び回って産卵していました。吸蜜時と違い止まる時間がものすごく短いので撮影は困難を極めました。辛抱強くシャッターチャンスを待つしかありません。拙書でも10本のエッセイの中で蝶の歴史や生態について記しているのですが、アゲハチョウでは私が大好きなポルノグラフィティの曲も取り上げています。
アゲハチョウ(ナミアゲハ)は、ミカンやユズ、サンショウ、カラタチなどミカン科の樹木の葉に産卵します。それが幼虫の食草だからです。ではどうやって食草を見分けるかというと、足先にミカン科の植物を見分ける機能があるのだそうです。写真の山椒の葉を見ると、すでに産み付けられた小さな卵が見えます。この卵は9月に羽化しますが、卵はアリに食べられたり、鳥の糞に擬態した小さな頃はカマキリやハチに食べられたり、青虫になると鳥に食べられたりで、無事に羽化できるのはわずか0.6%といわれています。必至に産卵するこのアゲハを観ていると、頑張れよ頑張ってるなと声をかけたくなりました。
堂平大塚古墳の今は亡き山仲間のKさんのログハウスで昼食。サザエの炊き込みご飯のおにぎりと味噌胡瓜。猛暑ですが風があって気持ちいい。彼が生前に植えたガクアジサイ。何かいます。
ヨツスジハナカミキリが交尾していました。ハチの仲間に擬態して身を守っています。メスはアジサイの花粉を食べに来たのでしょう。クヌギの樹液にも集まります。幼虫は針葉樹の倒木などを食べます。食事中のメスと交尾するのは甲虫ではよく観られます。樹液を吸うアオカナブンのメスと交尾するオスとか。以前記事にしましたが、カブトムシのメスが食事中の時、オスは覆いかぶさるようにして守ります。他の昆虫が近づくと威嚇音を出します。
樹液バーを覗くといたのは森のエメラルド、アオカナブン。まもなくカブトムシ、オオムラサキ、オオスズメバチ、カナブン、ミヤマカミキリなども現れるはずなんですが。
テングタケ科のドウシンタケだと思います。食毒不明ですが、テングタケ科のキノコは猛毒が多いので食べてはいけません。どんな猛毒のキノコも一度は食べられますが、二度目はありません。
帰りに倒木を処理。歩けるように枝打ちをしました。手前の落葉松は20m以上あり10トンを超えるでしょう。そして、右のカットの様に立ち枯れの山桜に掛り木になっているので、いつ更に倒れてもおかしくありません。非常に危険です。長野市に連絡しましたが、ハイカーが多い山なので早急な対処をお願いしたいものです。
我々がやっている椎茸の原木栽培のコナラに粘菌が。最初マンジュウドロホコリかと思いましたが、マクロ撮影して拡大してみると、これはススホコリです。シロススホコリですね。初めて撮影しました。ありふれた粘菌なんですけどね。下の樹内から発生して上に成長したのでしょう。子実体に小さな甲虫が集まっています。
(左)アップ。石灰質に小さな甲虫が食べに集まっています。ヒメキノコムシ科の甲虫の様です。(右)外皮を取り除くとまだ子実体はゲル状でした。
(左)帰りに寄ってみると黒く変色していました。乾いて胞子を飛ばすのもまもなくでしょう。(右)ホダ木を見るとセミの抜け殻。大きさと殻に艶があり、触覚の4番目の節(せつ)が3番めより長いことからヒグラシです。檜林を歩くと足元から羽化したばかりのヒグラシが次々と飛び立って行きました。
最高気温は35.2度。人の少ない温泉に向かいます。土口水門から北の眺め。右に飯縄山。左に戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。
西には仁科三山の爺ヶ岳。右の鹿島槍ヶ岳は雲の中。梅雨も明けて千曲川の水も澄んでいます。こんな清涼な風景を見るとコロナ禍が嘘のように思えてきます。人が大勢出歩く週末は、スーパーやコンビニ、観光地などには行かないようにしています。猛暑の中、矛盾だらけの危険な東京五輪が始まろうとしています。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
陣場平下のギャップでアゲハチョウに邂逅。せわしなく山椒の葉を飛び回って産卵していました。吸蜜時と違い止まる時間がものすごく短いので撮影は困難を極めました。辛抱強くシャッターチャンスを待つしかありません。拙書でも10本のエッセイの中で蝶の歴史や生態について記しているのですが、アゲハチョウでは私が大好きなポルノグラフィティの曲も取り上げています。
アゲハチョウ(ナミアゲハ)は、ミカンやユズ、サンショウ、カラタチなどミカン科の樹木の葉に産卵します。それが幼虫の食草だからです。ではどうやって食草を見分けるかというと、足先にミカン科の植物を見分ける機能があるのだそうです。写真の山椒の葉を見ると、すでに産み付けられた小さな卵が見えます。この卵は9月に羽化しますが、卵はアリに食べられたり、鳥の糞に擬態した小さな頃はカマキリやハチに食べられたり、青虫になると鳥に食べられたりで、無事に羽化できるのはわずか0.6%といわれています。必至に産卵するこのアゲハを観ていると、頑張れよ頑張ってるなと声をかけたくなりました。
堂平大塚古墳の今は亡き山仲間のKさんのログハウスで昼食。サザエの炊き込みご飯のおにぎりと味噌胡瓜。猛暑ですが風があって気持ちいい。彼が生前に植えたガクアジサイ。何かいます。
ヨツスジハナカミキリが交尾していました。ハチの仲間に擬態して身を守っています。メスはアジサイの花粉を食べに来たのでしょう。クヌギの樹液にも集まります。幼虫は針葉樹の倒木などを食べます。食事中のメスと交尾するのは甲虫ではよく観られます。樹液を吸うアオカナブンのメスと交尾するオスとか。以前記事にしましたが、カブトムシのメスが食事中の時、オスは覆いかぶさるようにして守ります。他の昆虫が近づくと威嚇音を出します。
樹液バーを覗くといたのは森のエメラルド、アオカナブン。まもなくカブトムシ、オオムラサキ、オオスズメバチ、カナブン、ミヤマカミキリなども現れるはずなんですが。
テングタケ科のドウシンタケだと思います。食毒不明ですが、テングタケ科のキノコは猛毒が多いので食べてはいけません。どんな猛毒のキノコも一度は食べられますが、二度目はありません。
帰りに倒木を処理。歩けるように枝打ちをしました。手前の落葉松は20m以上あり10トンを超えるでしょう。そして、右のカットの様に立ち枯れの山桜に掛り木になっているので、いつ更に倒れてもおかしくありません。非常に危険です。長野市に連絡しましたが、ハイカーが多い山なので早急な対処をお願いしたいものです。
我々がやっている椎茸の原木栽培のコナラに粘菌が。最初マンジュウドロホコリかと思いましたが、マクロ撮影して拡大してみると、これはススホコリです。シロススホコリですね。初めて撮影しました。ありふれた粘菌なんですけどね。下の樹内から発生して上に成長したのでしょう。子実体に小さな甲虫が集まっています。
(左)アップ。石灰質に小さな甲虫が食べに集まっています。ヒメキノコムシ科の甲虫の様です。(右)外皮を取り除くとまだ子実体はゲル状でした。
(左)帰りに寄ってみると黒く変色していました。乾いて胞子を飛ばすのもまもなくでしょう。(右)ホダ木を見るとセミの抜け殻。大きさと殻に艶があり、触覚の4番目の節(せつ)が3番めより長いことからヒグラシです。檜林を歩くと足元から羽化したばかりのヒグラシが次々と飛び立って行きました。
最高気温は35.2度。人の少ない温泉に向かいます。土口水門から北の眺め。右に飯縄山。左に戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。
西には仁科三山の爺ヶ岳。右の鹿島槍ヶ岳は雲の中。梅雨も明けて千曲川の水も澄んでいます。こんな清涼な風景を見るとコロナ禍が嘘のように思えてきます。人が大勢出歩く週末は、スーパーやコンビニ、観光地などには行かないようにしています。猛暑の中、矛盾だらけの危険な東京五輪が始まろうとしています。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。