土曜日の午前中は晴れの予報。明け方近くまでかなりの雨が降ったので妻女山は諦めて茶臼山へ。途中で鹿に遭遇。逃げてピーッと威嚇音。近くに群れがいたのかも知れません。気温は22度でしたが湿度は100%。やはり、何もいません。諦めて下の茶臼山自然植物園へ行くことにしました。困った時の植物園です。
●茶臼山自然植物園・恐竜園 | 茶臼山動物園
帰り道に明るい林道で見つけたナミハンミョウ(並斑猫)。コウチュウ目オサムシ科のハンミョウ亜科。タマムシと並んで日本では最も美しい甲虫の一種です。警戒心が強く近づくとすぐ逃げるので、なかなかマクロ撮影が困難です。すぐ先で止まるのを繰り返すので、道教えとか道標とも呼ばれます。息を止めて気配を殺してゆっくりと近づき撮影しました。アリやミミズなどを大顎で捕らえて食べます。斑猫という名は、獲物に襲い掛かり鋭い大アゴで捕獲する姿がまるで猫のように見えることに由来しており、英名ではタイガービートルといいます。
茶臼山のアルプス展望台からの眺め。拙書でも紹介していますが、晴れていればここからの北アルプスは絶景です。左に仁科三山、右に白馬三山が見られます。見えている集落は山布施。日本の里山の原風景。右の谷は犀川で国道19号に出られます。信州新町道の駅のおしぼり蕎麦、手前のムサシヤのジンギスカンは大人気。サンコウチョウの月日星ホイホイホイという鳴き声が。帰りに樹間を飛ぶのを目撃しました。コバルトブルーの羽が美しい。
植物園で最初に出会ったのはベニシジミ(紅小灰蝶)でした。わりと地面スレスレをせわしなく飛ぶ蝶です。幼虫の食草は、スイバ、ギシギシなど。あちこちで舞っていました。
モンキチョウ(紋黄蝶)。里山、公園、畑、庭などで普通に春から秋まで見られるチョウですが、人の気配に敏感でなかなか撮影が難しい。後翅の両側が同じ形で欠損していますが、吸蜜中にニホンカナヘビとかに襲われた可能性があります。菅平の峰の原高原では県の天然記念物のミヤマモンキチョウが見られます。たった3分の邂逅の記事は、ブログ内検索でご覧いただけます。
(左)シモツケ(下野)。バラ科シモツケ属の落葉低木。シモツケソウという草本もあります。葉が紅葉みたいで花もとっちらかっています。(右)ハクサンフウロに似ていますが、園芸種でしょうね。ゲラニウムでしょうか。
(左)ジャノメチョウ(蛇目蝶)。シモツケの周りにたくさんいました。人の気配に敏感なので近づくと一斉に飛び去ってしまいます。葉の上に止まっている個体を後ろからそっと忍び寄って撮影しました。幼虫の食草は、ススキ、コメススキ、ショウジョウスゲなど。(右)マメコガネ(豆黄金)。マメ科植物やクヌギに群れて葉を食べますが、畑に出ると害虫ですね。この二匹は番(つがい)でしょう。
ターシャ・テューダーの庭園みたいですね。色々なチョウや甲虫がいます。セイヨウミツバチやシオカラトンボもやってきました。
ツバメシジミ(燕小灰蝶)。オスは翅の表が青紫ですが、これはメスです。幼虫の食草はシロツメクサやコマツナギなどマメ科植物。
レッサーパンダで有名な茶臼山動物園南口ゲートの左の道を抜けていくと植物園の駐車場なのですが、知っている人が少なくいつ来ても閑散としています。展望台からの眺め。
(左)展望台。この右の森の向こうはアスレチックで子供達に大人気ですが、この日は誰も来ませんでした。(右)シロバナキキョウ(白花桔梗)。秋の七草。韓国では根を食用にするそうです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種(七草)の花」「萩が花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、藤袴(またあさごほの花」山上憶良 万葉集:あさごほ(朝貌)の花が桔梗。
(左)クマバチ。吸蜜するのは園芸種のクガイソウの仲間か。(右)吸蜜するセイヨウミツバチ。
(左)アザミに集まったアブラムシを食べに来たナナホシテントウムシ。人間からすると益虫です。てんとう虫のサンバ。(右)疲れて木陰のベンチで休んでいたら小さなクモが。お尻に顔があるぞ。カニグモ科のハナグモの仲間ですね。胴は3ミリぐらい。可愛いやつです。
(左)ニッコウキスゲに似たユリ科の植物に大量のアブラムシ。調べると、キスゲフクレアブラムシ。別名はゴンズイフクレアブラムシ。橙黄色でロウ質の白い粉で覆われています。やはりユリ科のノカンゾウやヤブカンゾウなどにつく様です。(右)ガクアジサイで吸蜜するクマバチ。脚には大量の花粉が。クマバチは体の大きさに比して翅が小さいので、昔は航空力学的に飛べるはずがないといわれましたが、「レイノルズ数」(流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量)で、飛べる原理が証明されました。
ガクアジサイ。アジサイ(紫陽花、八仙花)の原種。有毒植物です。遠くに松代東条の奇妙山。
切り株の脇にベニシジミ。羽化して間もないのでしょうか。やっと翅が広がって乾いたところか。動きがヨロヨロとぎこちない。
やっとシロツメクサの花に飛び乗れました。吸蜜しているのかな。午後になると雲が覆いました。気温は30度。木陰にいても汗だくです。蝶の活性も落ちてきたので撮影を終えて戸倉上山田温泉へ向かいました。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
●茶臼山自然植物園・恐竜園 | 茶臼山動物園
帰り道に明るい林道で見つけたナミハンミョウ(並斑猫)。コウチュウ目オサムシ科のハンミョウ亜科。タマムシと並んで日本では最も美しい甲虫の一種です。警戒心が強く近づくとすぐ逃げるので、なかなかマクロ撮影が困難です。すぐ先で止まるのを繰り返すので、道教えとか道標とも呼ばれます。息を止めて気配を殺してゆっくりと近づき撮影しました。アリやミミズなどを大顎で捕らえて食べます。斑猫という名は、獲物に襲い掛かり鋭い大アゴで捕獲する姿がまるで猫のように見えることに由来しており、英名ではタイガービートルといいます。
茶臼山のアルプス展望台からの眺め。拙書でも紹介していますが、晴れていればここからの北アルプスは絶景です。左に仁科三山、右に白馬三山が見られます。見えている集落は山布施。日本の里山の原風景。右の谷は犀川で国道19号に出られます。信州新町道の駅のおしぼり蕎麦、手前のムサシヤのジンギスカンは大人気。サンコウチョウの月日星ホイホイホイという鳴き声が。帰りに樹間を飛ぶのを目撃しました。コバルトブルーの羽が美しい。
植物園で最初に出会ったのはベニシジミ(紅小灰蝶)でした。わりと地面スレスレをせわしなく飛ぶ蝶です。幼虫の食草は、スイバ、ギシギシなど。あちこちで舞っていました。
モンキチョウ(紋黄蝶)。里山、公園、畑、庭などで普通に春から秋まで見られるチョウですが、人の気配に敏感でなかなか撮影が難しい。後翅の両側が同じ形で欠損していますが、吸蜜中にニホンカナヘビとかに襲われた可能性があります。菅平の峰の原高原では県の天然記念物のミヤマモンキチョウが見られます。たった3分の邂逅の記事は、ブログ内検索でご覧いただけます。
(左)シモツケ(下野)。バラ科シモツケ属の落葉低木。シモツケソウという草本もあります。葉が紅葉みたいで花もとっちらかっています。(右)ハクサンフウロに似ていますが、園芸種でしょうね。ゲラニウムでしょうか。
(左)ジャノメチョウ(蛇目蝶)。シモツケの周りにたくさんいました。人の気配に敏感なので近づくと一斉に飛び去ってしまいます。葉の上に止まっている個体を後ろからそっと忍び寄って撮影しました。幼虫の食草は、ススキ、コメススキ、ショウジョウスゲなど。(右)マメコガネ(豆黄金)。マメ科植物やクヌギに群れて葉を食べますが、畑に出ると害虫ですね。この二匹は番(つがい)でしょう。
ターシャ・テューダーの庭園みたいですね。色々なチョウや甲虫がいます。セイヨウミツバチやシオカラトンボもやってきました。
ツバメシジミ(燕小灰蝶)。オスは翅の表が青紫ですが、これはメスです。幼虫の食草はシロツメクサやコマツナギなどマメ科植物。
レッサーパンダで有名な茶臼山動物園南口ゲートの左の道を抜けていくと植物園の駐車場なのですが、知っている人が少なくいつ来ても閑散としています。展望台からの眺め。
(左)展望台。この右の森の向こうはアスレチックで子供達に大人気ですが、この日は誰も来ませんでした。(右)シロバナキキョウ(白花桔梗)。秋の七草。韓国では根を食用にするそうです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種(七草)の花」「萩が花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、藤袴(またあさごほの花」山上憶良 万葉集:あさごほ(朝貌)の花が桔梗。
(左)クマバチ。吸蜜するのは園芸種のクガイソウの仲間か。(右)吸蜜するセイヨウミツバチ。
(左)アザミに集まったアブラムシを食べに来たナナホシテントウムシ。人間からすると益虫です。てんとう虫のサンバ。(右)疲れて木陰のベンチで休んでいたら小さなクモが。お尻に顔があるぞ。カニグモ科のハナグモの仲間ですね。胴は3ミリぐらい。可愛いやつです。
(左)ニッコウキスゲに似たユリ科の植物に大量のアブラムシ。調べると、キスゲフクレアブラムシ。別名はゴンズイフクレアブラムシ。橙黄色でロウ質の白い粉で覆われています。やはりユリ科のノカンゾウやヤブカンゾウなどにつく様です。(右)ガクアジサイで吸蜜するクマバチ。脚には大量の花粉が。クマバチは体の大きさに比して翅が小さいので、昔は航空力学的に飛べるはずがないといわれましたが、「レイノルズ数」(流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量)で、飛べる原理が証明されました。
ガクアジサイ。アジサイ(紫陽花、八仙花)の原種。有毒植物です。遠くに松代東条の奇妙山。
切り株の脇にベニシジミ。羽化して間もないのでしょうか。やっと翅が広がって乾いたところか。動きがヨロヨロとぎこちない。
やっとシロツメクサの花に飛び乗れました。吸蜜しているのかな。午後になると雲が覆いました。気温は30度。木陰にいても汗だくです。蝶の活性も落ちてきたので撮影を終えて戸倉上山田温泉へ向かいました。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。