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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

新蕎麦を食べて長野電鉄に乗って小布施の「北斎館」へ「怪力の魅力展」を観に行く小春日和(妻女山里山通信)

2024-11-17 | 展覧会・イベント・コンサート
 暖秋とはいえ最高気温が21度というのは驚きます。小春日和を通り越して小夏日和ですね。息子が籾米を取りに来たついでに観たいと思っていた小布施の「北斎館」の「怪力の魅力展」に行きました。週末とあって観光客がもの凄いと思い、車ではなく長野電鉄の電車で行きました。

 まず篠ノ井東福寺のそば処「安心」で十割の新蕎麦をいただきました。返しのつゆと信濃胡桃のつゆがついてきます。この時期は新蕎麦を何度か食べないと始まらないのが信州人です。

 長野電鉄の須坂駅へ。昭和の昔、走っていたスイス風デザインの特急電車。各駅停車で特別にこの電車が来ると今日はなんていい日だと思いながら松代中学に通いました。昭和32年に製造された2000系車両。長野電鉄の看板車両として半世紀に亘り運行されました。

(左)新しいような古いような券売機。(右)日比谷線で使われていた車両でしょうか。在京時代は仕事で何度も乗っていたので懐かしい。菱形のパンタグラフとか車内の扇風機とか昭和です。

 小布施駅の観光案内所。ここに寄ることをお勧めします。車だったら北斎の天井絵がある雁田山麓の岩松院へも。拙書ではトレッキングコースを載せています。

 歩いて北斎館へ。和服の女性がいたり、オープンガーデンを通り抜けたり。右の小路の先が北斎館。大勢の観光客が。インバウンドで外国人も。焼き栗の店やモンブランや栗ソフトの店には行列が。

「怪力の魅力」読本の挿絵が中心です。

『そののゆき』前編巻之一「第五小殿荒平太」文化四年(1807)刊:盗賊の小殿荒平太が薄雪姫を守る熊と素手で戦うシーン。

『仮名手本後日之文章』巻之一「夢一郎兵衛女房おこの」文化六年(1809)刊:忠臣蔵の後日譚という設定の読本作品。侠客・夢一郎兵衛の女房おこのは怪力の持ち主。

『釈迦御一代記図会』巻之ニ「提婆太子大象を撃図」弘化二年(1845)刊:後の釈迦である悉達太子は提婆太子と射芸の術を競う。遅れを取った提婆は城を出て象を一撃のもとに撃ち倒したという逸話。デフォルメされた象の目がなんでこんな目に合わなきゃいけないのと悲しそう。

『新編水滸伝』巻之ニ十一「武松景陽岡上に大虎を撃」天保四年(1833)刊:無類の酒好きで向こう見ずな武松が人食い虎と戦う図。描いた北斎も凄いけど、これを彫った彫師の腕が凄い。

『鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月』後編巻之一「為朝荒磯に船を陸へ遣る」文化五年(1808)刊:大浪にさらわれそうな船を為朝が引き上げてしまう。

「北斎漫画」の「り」の頁。右頁下の「林間」は当時のアウトドア。

 江戸時代の風俗がよく分かる。左上は飴売り。右がビードロを吹く。右頁は蹴鞠をしたり。馬の被り物がいい。

 迫力ある相撲のひと駒。必死に堪える様が可笑しい。

 肉筆画。雀を狙う蛇。肉筆画の展示は圧巻です。かの徐福を描いた肉筆画は感動モノでした。

 ウッディなキッズルーム。子供たちが喜々として遊んでいました。

 常設展示の屋台。

 東町祭屋台。龍と鳳凰。岩松院の天井絵に近いが、こちらが北斎の肉筆画。天井絵は北斎が監修し高井鴻山と娘の葛飾応為の作といわれています。文化三年(1806)北斎85歳作。長野県宝。

 上町祭屋台。まさに北斎の波。男浪図(左)と女浪図(右)。屋台の絵はレプリカで、立てかけてあるこちらが本物。弘化二年(1845)から翌三年、北斎86歳の作。周囲の縁絵は、北斎の下絵を基に鴻山が彩色。長野県宝。
 この企画展は、来年の1月19日(日)まで。お勧めです。詳しくは北斎館の公式サイトで。ショップのグッズも必見。以前分厚いカタログやTシャツ、ハンカチなどを買いました。父は北斎晩年の作で絶筆ともいわれる『富士越龍(ふじこしのりゅう)』の額装を買い求め、居間の床の間に飾ってあります。

 北斎館の前。里の紅葉は今が見頃です。栗落雁を土産に買いました。北斎については何本も記事にしています。

 長電に乗って須坂駅へ。成田エクスプレスとか日比谷線とか東横線とか。在京時代に仕事や用事で何度も乗った懐かしい車両が現役で頑張っています。

 長電のキャラクター朝陽さくら。キャラクター総選挙で一位になったみたいです。

 須坂駅から。アーチ型窓の昭和のデザインのビルがあちこちに残っています。絹織物全盛期には北陸からたくさんの女工さんが働きに来ていたそうです。そのため髪結いの店が多かったとか。和菓子屋もたくさんあります。旧田中家、須坂動物園、臥竜公園。少し離れて米子大瀑布は必見です。当ブログでも何度か紹介していますし拙書にも載せています。

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好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。引き続き『アマゾンひとり旅』を順次掲載中。■大河アマゾン・哀愁のサンタレン [Santarem] 絶品ピラルクーのフライ。開高健や向田邦子も絶賛したトゥクナレのスープ。私のために牛一頭をつぶす。熱帯雨林破壊の現場 アップ。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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