~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

聴くということ

2023-03-25 23:20:35 | 日記

作家の柳美里さんは

2015年に神奈川から南相馬に

居を移し、執筆活動をしながら

『フルハウス』という

ブックカフェを開き、居場所

つくりをされています。

柳さんはそこで話を聴き、

ひとり一人の悲しみに

寄り添っているようです。

初女さんは、「話したい人は

沢山いるけど聴く人がいない

のよね。」と言われていました

私は傾聴という言葉が、どうも

自分にしっくりきません。

なぜだか分からないのですが…

柳美里さんは、「相手が何も

言えないときは、その沈黙も

含めて聴く。

言えない思いを抱えている

のだとおもんぱかり、想像

する。その痛みをかわって

痛むことは出来ないけれど

痛みを共に悼むことは出来ます

言い換えれば『今』という時を

共有することです…

『時の共有』同じ場所にいる

『場の共有』それが広い意味で

『聴く』ことなのだと思い

ます。」と言われています。

初女さんは、全身で聴いている

という感じでした。

聴くというより、受け留めて

くれていると言う方が近い

かもしれません。

こたえは、その人の中に在る

ということを、どこまでも

信じて聴いてくれていました。

本人以上に信じて、じっと

耳を傾けてくれていました。

沈黙も、声なき声もすべて

受け留めてくれました。

だから、初女さんが何も

言わなくても話し終わると

自然と力が宿っているのです。

 ”聴く人がいないのよね”

初女さんのこの言葉が、

初女さんから受け取った

バトンのようにも思える

私です。

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