シロチョウ科モンキチョウ亜科。
今年の秋、幼稚園のお庭で見つけました。せかせかと飛ぶシロチョウの類は、とろいわたしにとって難しい被写体ですが、キチョウだけは、葉陰などに止まるとしばらくじっとしていてくれるので、何枚も撮らせてくれました。
11月も終わりに近く、南国のここでも、もう虫は滅多に見られなくなりましたね。ときどき小さなアブが、プランターのパンジーの周りに見えるくらい。最近まで、草むらを踊っていたヤマトシジミも、もうなりを潜めてしまいました。
山々の紅葉が目にしみるような季節になりました。来年の春まで、もう虫たちとはあえなくなる。寂しいですが、またそれなりの楽しみもあります。
風の中を踊るチョウや、草むらで息を潜めているバッタやカマキリなどの気配がなくなると、世界がなんと静かになることか。虫たちが生きていることが、この世界をどんなにか暖めていたということに気づく。
命が息づいているということが、たとえ見えなくても、確かに、何かのために何かをやっていてくれたのだと気づく。静まりかえった世界の、厳しい寒さの影で、また何かをやるために、今は眠っているものたちが、次の季節にも必ずきてくれることを、わたしたちは知っている。
また会える。きっと会える。いとおしいものたちと、必ず会える。だから、冬は、楽しい。
目を覚ませば、すべてが美しい。
そういう世界に、わたしたちは生きている。