書店で働いていると、けっこう天使に関する本が目につきます。天使っているのでしょうか? 種野はときどき、天使っているなあと、しみじみ感じます。姿が目に見えたり耳に声が聞こえたりするわけじゃないけれど。辛いことを乗り越えて、一つ新しい風景が見えた時に、何か、大きな、私を導いてくれているだれかの、大きな愛を感じてしまうのです。
人生の新しいステップに入った時、振り返ると過去の自分がどんなに未熟だったかがわかります。その未熟だった自分の存在を許して、辛くても生き続けるように、いつもわたしのそばにいて励まし続けてくれていた、目には見えないけれど確かにいた、あれは誰なのでしょう? いつか会える時が、くるのでしょうか?
(2002年7月ちこり25号、通信欄)