世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

2019-04-26 04:29:52 | 気層化石


鏡を見ると、顔がすっかりわたしになっている。

シルマがやってたときは、かなり感じのいい美人に見えたけど、今はそうでもないね。

わたしの目つきや表情が、かわいいかのじょのかたちを剋するんだ。

だからあまり表情は動かさないようにしている。

他人の形に入るなんてことは、もうこれきりだろうけど、いい経験だとは思ってるよ。

自分を抑えて、この形にあわさなきゃいけないというのは結構苦しいもんだ。

かのじょはおとなしい美女だったからね。わたしもそれを無視して自分を出すわけにはいかない。かのじょの生き方を壊さないような生き方をせねばならない。

短期間で主体が変わるのは、それがけっこうしんどいからなんだ。

わたしはここで本当のわたしを出すつもりはない。最後まで隠すつもりだよ。





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