とにかくね、人間は見栄えに力を入れすぎてるよ。
化粧だとかファッションだとか、はては整形だとか。
美しくなりたいんだ。きつい嘘をついても、自分を美しくしたいんだ。
技術だけは発展している。痛い奴はみんなすごく洗練されたかっこうをしているよ。
だけど我々から見ると、それは滑稽なんてものじゃない。
自分を引くなんてこともできないような未熟者が、いかにもできるっていう感じにしているからさ。
できるやつのほうが美しいから、かっこだけでもと思って真似するんだよ。
そんなことをするよりは、まずほんとの自分と向き合うことが必要だ。いったい何をして、どんなことになっているか、正確につかむことが必要だよ。
見栄えにこだわるやつほど、実は馬鹿なことをしているものなんだ。その馬鹿がつらくて、見栄えを磨きまくるのさ。
ほんとに、芯から美しくなりたいならね、その自分をどうにかしなくちゃいけないんだよ。馬鹿なことをしたのを、何とかして清めなくちゃいけないのさ。
そんな努力から逃げ続けている限り、人間は馬鹿な偽物にしかなれないんだよ。