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アルノルト・ベックリン、19世紀スイス、象徴主義。
これは馬鹿のふりをしている本物の人間の真似をしている偽物だ。死神とともに自分を描き、しょせん自分は馬鹿だ、死すべきものだと言っているふりをしているが、本当はそんなことは微塵も思ってはいない。ただ本物の人間が時々そういう悲嘆をするので、それの表面的な真似をしているだけなのだ。だが死神は甘くはない。仮構のふりをして見事に人間の影にはいよってくる。馬鹿が気づいた時にはもう遅い。死は確実に馬鹿にしみ込んでいくのだ。自分は死すべき人間だなどというからなのだよ。馬鹿はそんなことすらわからないのだ。