このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
敬老会がまもなく執り行われるグループホームジョバンニ一関のホールへ入って行くと、来賓席にざしき童子が端然と座っていた。
なんともご丁寧に白髪のかつらをかぶって自治会長に変装している。
思わず吹き出してしまってから、尋ねた。
「どうしたのですか、その扮装は。ハロウィーンにはまだ早いと思うけどな。」
あなたがしっかり仕事をしているかどうか、見に来たの。
それに、今日はホラ、出し物まで用意してあるのよ、とバッグからオカリナを取り出した。
へええ。僕はさっそく司会の職員を呼び、会食を終えたころを見計らって自治会長さんに演奏していただくように、と指示した。
可愛らしい手まり御膳を食べ終え、くつろいだ雰囲気になったところで、ざしき童子の演奏が始まった。
一曲目は「埴生の宿」。次に「虹の彼方に」。最後はここ岩手県にちなんだのか、「星影のワルツ」だった。
利用者様も一緒に歌い出した。
微笑みながらもまなざしは真剣そのもののざしき童子の横顔を眺めながら、もしかしたらこの歌詞のように、今日で彼女に去られるのでは、という疑念が僕の胸に湧き上がっていた。