このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
新年会終了後、僕はかたわらに立っていたざしき童子へ頭を下げた。
ホール係の制服で変装した彼女は、事前に思い描いていたもてなしをきれいに実現してくれた。
テーブルをまんべんなく回り、漫然と席に着いたままの客には主賓へ挨拶に行くよう促したり、絶妙のタイミングで主賓の料理を取り分けたり。
「どうもありがとう。」
どういたしまして、とやや得意げに彼女は頷いた。僕の心を読んだのだろう。
なにかお返しがしたいな。
「じゃあ、こうして。もう二度と災害ボランティアに単身出掛けるなどと言い出さないで。こんな風にあなたは責任ある立場で、もしものことがあっては取り返しがつかないし、代わりもいないのだから。」
それとこれとは別でしょう、と言いかけてやめた。
今夜は気分がよかったから。
「もちろん、災害ボランティアで汗を流すことも尊いけれど、あなたはあなたしかできない方法で、支援することを考えて。」
「例えば、、募金?」
「そう。」
「情報発信?」
「そう。」
「被災後の体験=しくじりの披瀝?」
「そうよ!」
二人して声を上げて笑った後、こんなにも屈託なく笑ったのはいつ以来だろう、と僕は思い巡らしていた。