クーデターを題材にした映画はたくさんあるが、その中で「パワープレイ」(1978年)はピカ一の傑作だ。
ビデオ発売時には、「将軍たちの夜」の3名の将軍のうち2名、名優ピーター・オトゥールとドナルド・プレザンスが出演していることから、「参謀たちの夜」と無理目の副題がついていた。
この映画で主演を務めているのはデヴィッド・ヘミングス。
驚愕の結末は一度観たら忘れられないが、ややふっくらしたお人よしの風貌のヘミングスだからよけい悲惨に感じるのかもしれない。
予告編
ヘミングスは60年代にミケランジェロ・アントニオーニ監督の問題作「欲望」(1966年)で一躍スターダムにのし上がったイギリス人俳優だ。
売れっ子の写真家を演じるヘミングスはまだやせて尖っている。
ストーリーには関係ないが、ジェーン・バーキンがモデル志望の女の子役で顔を出していて、これがとってもかわいいので二枚写真を貼り付けておく。
大作ミュージカル「キャメロット」(1967年)では悪役モードレッドを演じた。
個人的に最も怖いホラー映画、「サスペリア2」(1975年)。
フリーマントルの小説「消されかけた男」をテレビ映画化したもの(1979年)。
このどんでん返しも、忘れ難い。
人気テレビシリーズ「ジェシカおばさんの事件簿」で監督を手掛け、ちゃっかり出演も果たしている。
余韻の残るエピソードだった(1987年、シーズン3)。
ヘミングスはアンジェラ・ランズベリーの後ろ。右端はナカトミ社長ことジェームズ繁田だ。
監督を手掛けた、怪作にして大傑作(1981年)。ぜひどうぞ。
他にも「バーバレラ」、リチャード・レスターの「ジャガーノート」やケン・ラッセルの「レインボウ」、スコセッシの「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002年)などなど、こんなにもいい映画に出ているというのに、今一つ人気が続かなかったヘミングスはホントお気の毒としか言いようがない。