院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

最年少プロ棋士、藤井四段

2017-11-26 06:39:04 | 囲碁将棋

(藤井四段。産経フォトより引用。)

 先日、名古屋へ行って、最年少プロ棋士藤井四段フィーバーがすごいので驚いた。地元の瀬戸市はもちろん、藤井四段と関係があるという名古屋の熱田区でも大変なブームなのだ。

 大人たちはバスを仕立てて応援に行くなぞと言っていたが、それでは藤井四段に要らぬプレッシャーをかけるだろうと自粛しているそうだ。

 地方都市から「英雄」が出るとこうなる。40年前の浜松がそうだった。そのとき高校野球で名もない浜松商業が優勝した。浜松市民はどっと街にくりだした。その数40万人。

 そのとき浜松に住んでいて味わった驚きを、今度は名古屋で味わった。もし藤井四段や浜松商業のような「英雄」が東京に現れても、東京ではフィーバーは起こらないだろう。

 ※今日の短歌
   子どもの目惹きつけながら寿司レーンをパッション色したかき氷来る
   あべまさこ(富山県)

対戦・三ツ山くずし

2017-07-26 09:56:29 | 囲碁将棋


楊枝でも碁石でもよいから、任意の数の3つの山を作る。対戦相手どうし交互に、一つの山から任意の数の楊枝を取り除くのがこのゲームである。

ルールは「最後に取るハメ」になったほうが敗けである。

このゲームは「後手必勝」であることが証明されている。さて、後手はどのような作戦で臨めば必勝となるか?ちょっと考えてみてください。(ご希望があれば後手必勝法をお教えします)。


 ※私の俳句(夏)
    夏空に楕円えがきしセスナかな

電王戦、3勝2敗でプロ棋士側の勝ち

2015-04-12 06:23:32 | 囲碁将棋

(レポーターの香川愛生女流王将と声優の岡本信彦さん。マイナビニュースより引用。)

 昨年、私はプロ棋士はコンピュータに勝てなくなると予想しましたが、予想は外れました。今年の電王戦は3勝2敗でプロ棋士側の勝ちとなりました。私の予想は外れました。

 ただ、不満もあります。それは、(1)プロ棋士をソフトに対して十分に練習させること。(2)ソフト制作者はバグが見つかっても、試合までソフトの改変を許されないこと。(3)スーパーコンピュータを使ってはダメで、パソコンを使うこと。(3)のルールは今年から採用されました。

 プロ棋士のソフト対策をやめさせ、ハード的にスーパーコンピュータの使用がOKなら、プロ棋士は絶対にコンピュータに勝てないでしょう。ルールでプロ棋士に有利にさせることは、私としてはつまらなく好まないところです。


※今日、気にとまった短歌

  今もなほその役柄は不満なり学芸会のわれの北風 (名古屋市)勝又祐三

スポーツとは何でしょうか?

2015-03-07 05:26:36 | 囲碁将棋

(世界アマチュア囲碁選手権大会in広州。4travel のHPより引用。)

 囲碁がオリンピックの種目として採用されることは、国際囲碁連盟の悲願です。2010年のアジア大会には採用されました。

 次の東京オリンピックでの競技種目が選ばれようとしていますが、日本の囲碁界が働きかけているとは聞きません。報道されていないだけかもしれませんが。

 ここでいつも論議になるのが「スポーツとは何か?」ということです。体力を使うのがスポーツで、囲碁などの知力を使うのはスポーツとは言えないのでしょうか?

 「美」を競うフィギュアスケートはどうでしょうか?フィギュアスケートは当然体力を使いますが、競うのは「美」です。体力を使って「美」を競うのはオペラも同じです。

 射撃はどうでしょうか?一見、指先だけを使うように見えます。射撃の集中力と囲碁の集中力はどこが違うのでしょうか?

 こうして、スポーツの定義はなかなか明快なものが作れなくなります。

 オリンピックの入場行進は伝統を重んじてギリシャが最初です。古代ギリシャのオリンピックでは詩の創作朗詠が競われました。ならば詩が競技種目だった伝統に倣って囲碁とか歌とかが(スポーツと言えなくても)オリンピックで競われてもよいと私は思います。


※今日、気にとまった短歌

  重役の何人か来てその中に不吉においてぬきんでた顔 (仙台市)工藤吉生

天才しか要らない世界

2015-01-21 05:05:24 | 囲碁将棋
   (講談社文庫。)

 上の本は、何十年に一人の将棋の逸材といわれた中学生が、華やかに大人たちをバタバタ倒していたのに、奨励会を制限年齢までに卒業できず(そのためプロになれず)、将棋以外に取り柄のない人間になってしまう物語です。

 もっともその人物は決していじけることなく、一定の矜持をもって生きていくところが救いです。このノンフィクションは文章が稚拙なので読みにくかったのですが、羽生などの実在の棋士が登場するのでなんとか読めました。

 この本を読んでいて、オーバードクターを連想しました。オーバードクターとは博士号をもっていながら就職できず、苦しい生活を送っている人たちです。現在、わが国に2万人いるとされています。

 天才しか要らない世界に、うかうかと入っていくべきではありませんね。


※今日、気にとまった短歌

  我が握手欲しけりゃCD買ってきなプチ売春に見えるアイドル (兵庫県)佐野武

第3回電王戦、プロ側一勝しかできず

2014-04-14 04:56:04 | 囲碁将棋

週刊アスキープラスより引用。)

 将棋の「電王戦」でプロ棋士が1勝4敗で負けた。私は全敗を予想していたのだが、プロ棋士側が1勝できたのは意外だった。

 谷川理事長は、将棋ソフトの打ち方をもっと研究すれば、「電王戦」は興行として成立しうると考えているようだが甘いと思う。来年にはプロ棋士側はまったく歯が立たなくなっているだろう。羽生さんなどのタイトルホルダーがコンピュータに負けて、プロが負けてばかりになって、「電王戦」が興行にならなくなるだろう。

「電王戦」は将棋人気を復活させうるか?

2014-04-01 00:02:32 | 囲碁将棋
 「電王戦」というのは、将棋のプロ棋士とコンピュータとの対戦である。昨年は、コンピュータ側が3勝1敗1分けで勝った。今年は、コンピュータ側が全勝で勝つと思っていたら、第3局でプロ棋士・豊島将之七段に負けた。

 昨年と違うところは、コンピュータ側にハードの制限が付けられたことだ。昨年は100台以上のパソコンを並列につないだハードなどがあったが、今年は、すべて普通のパソコンになった。

 ロジックは同じでもスピードが遅くなる。その分、人間側に考える時間が生まれる。第3局目のコンピュータ側の敗因はそこだと、私は勝手に思っている。

 将棋界はコンピュータとの戦いを一大イベントとして、将棋界の人気を復活させようとしている。私は先日「復活しない」と予測した(2014-02-27)。なぜなら、プロが全員負けることになると思っていたからだ。

 将棋ファンがハードに制限を設けることに納得するかどうか、未知数である。

 「電王戦」がこれまでの棋戦と違うところはもう一つある。報道メディアをネット(ニコニコ動画)に限定していることだ。従来通りテレビ新聞で報道すれば、もっと世間の耳目を集めるだろう。しかしながら、将棋界は見たい者がネットに来るようにしむけた。

 将棋界の人気の復活が、「ハードの制限」と「ネットだけでの観戦」の成否にかかっている。将棋界は賭けに出た。さすが勝負師である。

電王戦が楽しみ(将棋)

2014-02-27 06:07:05 | 囲碁将棋

(電王戦参加者の記者会見。ねとらぼより引用。)

 私たちの時代、少年たちは小学校1年で将棋に出会った。はさみ将棋や回り将棋しかできず、普通の将棋は本将棋と呼ばれた。

 囲碁や五目ならべに出会うのはもっと後のことだった。将棋がマスの中にコマを置くのに対し、囲碁は線の交点に石を置くので、不思議な感じがしたものだ。

 中学になって座標を習うと、交点のほうが重要と分かり、囲碁の合理性に気が付いた。囲碁や五目ならべは石によって強さに差がなく、コマの強さに強弱がある将棋と違うので、囲碁の方に数学的な美しさを感じた。

 昨年、プロ棋士の武宮正樹九段がコンピュータに4子置かせて負けた。コンピュータの囲碁ソフトほうが将棋ソフトより、まだ弱いのに・・。

 将棋のソフトはすでに十分強く、アマで勝てる人はいない。昨年、電王戦という将棋の大会でプロ棋士がコンピュータに負け越した(2013-04-17)。今年の電王戦はプロがコンピュータに完敗するだろう。今後、将棋のプロはどうやって生きていくのだろうか?

 

将棋ソフト対プロ棋士

2013-04-17 02:10:45 | 囲碁将棋
 もうじき(2013-09-20)将棋ソフト対プロ棋士の大将戦が行われる。これまで、将棋ソフトの2勝1敗1引き分けだ。大将戦でプロ棋士が負ければ、この団体戦はプロ側の敗北となるが、たぶんプロ側は負けるだろう。プロ側が勝っても引き分けである。

 今度の大将戦の将棋ソフトは1秒間に2億回読むという。これでは、必死がかかったらプロに勝ち目はない。詰将棋は将棋ソフトの得意とするところで、スピードにおいてプロはすでに将棋ソフトに勝てない。

 プロはアマチュアには絶対に負けないところにプロの存在理由があった。今後、将棋ソフトはさらに強くなって、来年あたりには絶対にプロに負けなくなるだろう。

 日本将棋連盟の田中寅彦九段は「将棋ソフト対プロ棋士戦を新しい興業として定着させたい」なぞと呑気なことを言っているが、とんでもない。プロ棋士が将棋ソフトに勝てなくなったら、将棋のプロ制度そのものが崩壊する。そして、必ずそうなる。

 これまで文明は、人間からいろんな役割を奪ってきた。文字の輸入によって稗田阿礼のような語り部は必要がなくなった。

 活版印刷の発明によって、木版、銅版は絵の世界でしか生き残れなくなった。

 写真の発明によって、画家は写実画から放逐され、具象抽象の世界に追いやられた。

 コンピュータの普及によって、単純計算や帳簿付けの人員が要らなくなった。

 今度はプロ棋士が必要なくなくなるだろう。将棋ソフトの開発には、奨励会を卒業できずについにプロになれなかった人々が協力していると推察する。彼らはプロの世界に怨念をもっているから、怨念によって将棋ソフトはここまで強くなったのだろう。

 囲碁ソフトの開発は将棋ソフトよりも難しく、囲碁ソフトがプロに勝つのはだいぶ先のことだと思っていたが、そうでもないようだ。

 医者の仕事も、診断の部分ではすごい診断ソフトが作成可能である。医学にはプロ棋士のような天才性は要求されないから、診断ソフトは簡単に作れる。そのようなソフトを開発するなら、私は協力するつもりである。

カードゲーム・ウノ

2012-03-29 06:46:53 | 囲碁将棋
 昔、ウノ(UNO)というカードゲームがあったが、今でもあるのだろうか?

 ウノはトランプゲームの「ページワン」とまったく同じルールである。精神障害者社会復帰施設で、利用者と遊んだことがある。

 だが、ウノはページワンと同じものでありながら、なぜかページワンより面白くないのである。

 たぶんウノは一種類のゲームしかできず、トランプで言えば、ページワンを延々とやることになって、飽きてしまうからだろう。

 トランプゲームは、飽きれば別のゲームに切り替えることができるのに、ウノはできない。

 トランプはワンセットのカードだけで、いろいろなゲームができる極めて優れたカードであることを、ウノができてから思い知った。

囲碁の武宮九段、コンピュータに負ける

2012-03-18 06:18:00 | 囲碁将棋
 いくらハンディ戦とはいえ、囲碁でプロ棋士がコンピュータに負けるとは思わなかった。

 昨日の武宮正樹九段とコンピュータの戦いは、コンピュータがあらかじめ石を4個置く戦いで、コンピュータが20目も勝ってしまった。すごいプログラムだとしか言いようがない。

 アマチュアで地域の強豪と言われる人でも、プロに3子置いて勝てない。ということは、アマチュアは互い戦ではもうコンピュータに勝てないということに等しい。

 互い戦とはハンディを付けずに、対等に行う棋戦のことである。

 武宮九段は人柄は良いし、棋風は「宇宙流」と呼ばれる、中央へ中央へと石が向かう独特の打ち方で、人気がある。私も武宮さんが好きだ。その武宮さんがコンピュータに負けたとなると、これは一大事である。

 将棋の米長邦雄永世棋聖がコンピュータに負けたのは記憶に新しいが、プロの囲碁棋士がコンピュータに負けるのは、まだずっと先の話だと思っていた。

 運抜きの対戦型ゲームでプロがコンピュータに負けると、プロの存在価値はなくなる。そして人気棋士というのも、むろんいなくなる。世はコンピュータの天下になるか?

 そのうちに、医者の代わりをするコンピュータも出てくるのではないか?

 (参考動画・ニコニコ動画より)

安物買いの銭失い

2012-03-13 05:31:19 | 囲碁将棋
 私が大学生になったころ、麻雀が大流行していた。学生たちは学生運動で授業をボイコットしたりしては、雀荘で麻雀にふけっていた。(学生のストライキが本物ではなかった証拠である。)

 私は麻雀のやり方を知らなかった。父親が競馬競輪はもちろん、麻雀さえやらない人だったので、覚える機会がなかったのだ。

 しかし、麻雀のルールや遊び方を知らなくては、人並みの学生生活ができないと思い、麻雀の本を買いに行った。

 でも、お金がなかったし、大枚をはたいて立派な本を買う必要もないと思ったので、デパートでやっていた古本市に行った。そうしたら、麻雀の解説書の新本が一冊10円で売っていた。それを買った。

 一生懸命読んで、いざ実践に望んだら、ルールが買った本と全然違うのだ。本には「大満貫」なんていうヤクが載っていたのだが、実際の麻雀にはない。

 結局、実践を積んで学んだが、あの本は何の役にも立たなかったばかりか、初心者の私をかえって混乱させた。

 現在い使われていないルールの本だから、新本で10円という安さだったのだ。変な本を買ってしまって、本当に損をした。

家元制度

2012-02-03 08:37:06 | 囲碁将棋
 囲碁の本因坊というのは家系の名称で、囲碁の家元みたいなものだった。昭和に入って、本因坊の名称は日本棋院に譲られたが、これは囲碁の世界では家元が最強ではなく、在野の棋士にもっと強い者が出てきたからだと思われる。

 実力がはっきりした世界では家元制は成り立たない。華道にせよ茶道にせよ、何が上手で何が下手なのか分からないような世界でのみ、家元制は成立しうる。

 俳句の世界でただ一人家元制をつらぬいているのは「ホトトキギス」だけである。俳句には巧拙があるが、囲碁ほどにははっきりしていない。そこに俳句でも家元制を敷く素地がある。

 正直言って、「ホトトギス」の今の家元、稲畑汀子さんはそんなに上手くない。彼女は息子の廣太郎さんに家元を継がせようとしているが、廣太郎さんは稲畑さんよりもっと上手くない。彼の代で虚子以来の「ホトトギス」家元制もなくなるのではないか。

 幼少時から練習しないと上手くならない伝統芸能がある。能や狂言がそれであるが、多くの一般家庭でピアノのように子供たちに能狂言を練習させるようになれば(そのようなことは考えにくいが)、能狂言の家元制も消えるだろう。

 要するに、最後まで残る家元は、冒頭にも述べたように、上手下手がはっきりしない華道、茶道のような技芸しかないだろう。

米長邦雄永世棋聖、コンピュータに負ける

2012-01-15 08:28:38 | 囲碁将棋
 2011-10-08 にこの欄で予想しておいたように、昨日、米長邦雄永世棋聖がコンピュータに負けた。

 これで将棋のプロは存在価値がなくなるだろう。チェスはプロが存在しなかったが、将棋もチェスのように、アマ選手権だけが残るだろう。

 文字の輸入、普及によって稗田阿礼のような語り部が必要なくなった。グーテンベルグの印刷機によって、書写がなくなった。電灯の発明によりランプ職人の仕事がなくなった。電卓の普及によって算盤の出る幕がなくなった。

 今回の米長さんの敗北は、それに匹敵するくらい革命的なことだと思う。コンピュータは今後、現役のプロ棋士と戦うことになるが、それまでにはコンピュータの革新も目覚しいから、もうプロはコンピュータに勝てないだろう。

 次は囲碁の番である。囲碁は将棋よりもコンピュータに馴染みにくく、人間特有のパターン認識が必要だから、しばらくはコンピュータに人間が勝つだろう。でも、いずれ負けることになるだろう。

(このブログでの関連記事「コンピュータ将棋」2007-06-16)