院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

金をとるなら謝らせるな!謝らせるなら金をとるな!

2015-12-30 10:26:01 | 経済

yomiuri.co より引用。)

 表題のことばは故山本夏彦翁のものである。

 アメリカでは事故があっても当事者は謝まらないという。謝まったら非を認めたことになるからだそうだ。非はあくまでも裁判で決める。

 日本の交通事故では、被害者から謝罪と賠償金を両方とも要求されることが多い。それでなんとか収まるが、故夏彦翁は「謝罪と賠償金を両方とるのは、とりすぎだ」と言っているのだ。

 このたびの韓国との慰安婦問題では、安倍首相は「痛切な反省」と謝罪をした。韓国はなんとか、それを可とした。それでよい。

 10億円とったと言われるかもしれないが、10億円程度なら個人で動かせる人さえ山ほどいる。国家間で10億円とはゴミみたいなものだ。


※私の俳句(冬)

  パソコンの前に蜜柑を飾とす

註:「飾」(かざり)とは蜜柑とか供え餅とか、正月用の飾り。冬の季語。

「路上禁煙だぞ!」と怒鳴る男

2015-12-26 13:17:46 | 社会


 先日、路上禁煙地区を少し出た人通りの少ない場所で歩行喫煙をしたら、40歳くらいの男の通行人に「ここは路上禁煙だぞ!早く消せ!バカヤロ!」とヤクザのような口調で怒鳴られた。(男は、路上禁煙地区を出ていることに気づかなかったようだ。)

 これには考えさせえられた。(路上禁煙という)マナーを守らせるために、(ののしるという)マナー知らずの仕方で責めるとは!

 これは戦時中と似てはいまいか?当時、国防婦人会といったような組織があって「贅沢は敵だ!」と訴えていた。そして、街で長い袖の女性を捕まえて、その袖を西洋ハサミで切って辱しめた。時節柄、国防婦人会にも理があったのだろう。(長い袖の和服は贅沢品だったらしい。)

 このたびの「路上禁煙だぞ!」と怒鳴った男は変だ。でも、この男にも一分の理があるような感じに、世界中がなっていることに危機感を覚える。(そのうち喫煙者は死刑になるのではないか?)


※私の俳句(冬)

  電飾がここにも冬の北陸路

大秀才は若年のときから人柄が丸い?

2015-12-23 10:56:24 | 教育

(私の母校。校舎は東京都の文化財になっている。)

 「人柄が丸くなったのは老化の証拠」と週刊誌に出ていた。

 私はまだ丸くなっていない(すぐに怒る)から、それでもよいかと考えた。

 私の出身高校は、大秀才を山ほど輩出している。彼らは高校生のときから丸かった。「人柄が丸い」ということは何なのか、少し考えてみる必要があるだろう。


※私の俳句(冬)

  妻に似し若き仲居の白き足袋

ストレスチェック始まる(「うつ病概念」の拡散を憂う)

2015-12-15 14:35:34 | 医療


 50人以上の企業体では「ストレスチェック」を行うことが義務化された。(受けるほうは自由。)

 職場でのストレスが言われて久しいし、「メンタル労災」はこの10年で4倍になったという。

 以上の事には別に問題はないのだが、マスコミによって「ストレスの結果、うつ病になる」という図式が引かれているのが問題である!

 ストレスによって心身の異常をきたす場合はいくらでもあって、それらすべてが「うつ病」なのではない。ここが非常に間違えやすいところだ。

 「正真正銘のうつ病」は、むしろストレスを受けているようには見えない人の方に多いと言ってもよいのではないか?(「一見うつ病」という病態はたいへん多い。これについてはこの欄で再三述べてきた。)

 ストレスによって一番起こり易い病態は、「うつ病」ではなくて文字通り「ストレス反応」である。

(WHOの臨床記述と診断ガイドラインICD-10では、うつ病にはコードF32、ストレス反応にはコードF43が割り当てられており、別の疾患である。)


※私の俳句(冬)

  凩やこの街いつか来たやうな

  

老人介護施設の待機者に関する誤解

2015-12-10 17:15:23 | 社会
 公的介護施設に入るために、この地区は1,000人待ち、この地区は2,000人待ちと言われて、老母を抱えていた私はめげた。ところが、申し込んでから1,2週間で老母は半公的な老人ホームに入所できた。

 そこで、やっと私は誤解が解けた。

 誤解1:多くの人が複数の施設に申し込みをしている。つまり、1,000、2,000という数は重複を多く含んでいる。

 誤解2:入所できるのは申し込み順ではない。委員会のようなものがあって、必要度の高い人が優先される。

 こういう細かいことを役所の窓口は教えてくれない。(知らないのかも。)ただ、これだけの待機者がいますという情報しか、私は役所からもらえなかった。めげるのは当然ではないか!


※私の俳句(冬)

  露天湯に五体延ばして雪見かな

今日は、超個人的なこと(孫について)

2015-12-04 21:19:42 | 生活


 写真の赤子は、娘の3番目の子。女児、もうすぐ2歳。

非常に個人的なことだが、ブログは日記の意味もあるので、ここに書きとめておく。

(俳句で孫のことを詠むのは禁忌!!孫はかわいいに決まっているからだ。)


※私の俳句(冬)

  冬の雨はしけに屋根のなかりけり

「看護婦」と「看護師」の違い

2015-12-02 14:52:27 | 医療
 私がまだ駆け出しの医者だったころ、看護婦さんにいろんなことを教わりました。だから、年配の看護婦さんは私たちの先生でした。

 当時、看護婦さんは言いました。「最近の先生はやさしい。昔の先生は、ちょっとでも気に入らないことがあるとカルテが飛んできた」と。

 当時から、エックス線技師や臨床検査技師という免許はありました。しかし、彼らには当直がなく、休日夜間には私たち医者が、エックス線を撮り、検査室で白血球の数を数えました。

 疲れ切りました。カルテを投げたいと思ったこともありました。でも、やりませんでした。看護婦と言うな看護師と言えと言いますが、それなら、助産師を女性に限ってはいけないでしょう。「婦」と「師」には現実に即した微妙な違いがあるのです。


※私の俳句(冬)

  冬ぬくし隣の犬が我が庭に