院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ふだん使わない筋肉というのは、ない!

2017-07-31 08:52:05 | スポーツ

(筋肉アトラス。ヘルスケアより引用)

一般向けの体操教室で「ふだん使わない筋肉を鍛えます」という常套句がある。

しかし、どんなに目立たない筋肉でも「使わない筋肉」というのはない。もしその微小な筋肉を麻痺させたり摘出したりすると、体全体の動きがおかしくなってしまう。

人体に無駄なものはない。人体の精妙さは人知の及ぶところではないのだ。
(一般向けの体操教室のいかにいい加減なことよ!)。


 ※私の俳句(夏)
    梅雨晴れや犬がつまづく雨溜り

漫画「ひまわりさん」

2017-07-31 05:25:59 | 漫画


私が小学校2年生のころ、「鉄人28号」や「鉄腕アトム」がリアルタイムで漫画雑誌に載っていた。

なかに「ひまわりさん」という読切りの少女漫画があった。「ひまわりさん」という女の子が町を花でいっぱいにしようと考え、ひまわりの種を町のいたるところに撒くのだ。

(とうじ東京はまだ土がむき出しで、舗装された部分は中心部だけだった。馬車が通り、道には馬糞が落ちていた)。

心ない大人たちは「あの子は、ばい菌を撒いている」と噂した。それでも「ひまわりさん」はめげなかった。

そして、花の時期になったら、町じゅうはひまわりでいっぱいになった。「ひまわりさん」の努力はやっと報われたのだ。

戦隊モノや正義の味方モノが好きだった私が、なぜ「ひまわりさん」だけを感動的に覚えてえているのか、不思議というほかはない。



 ※私の俳句(夏)
    水貝をブルーライトに肴とす

この程度で「音楽家」を自称するか!?

2017-07-30 11:57:46 | 音楽

(これぞホンモノ。ルドルフ・ゼルキン。)

私の世代にはピアノを習うことが大流行した。だが本当に上手い人に出会ったことがない。音大出身者でさえ私を驚かすことができなかった。

だいたいベートーベンのピアノソナタ「熱情」を最後までちゃんと弾ける人がいなかった。指が動かないのだ。これは天性だと思う。

芸術的な「耳」がすぐれていても指が動かなくては、どうしようもない。有名ピアニストを除くと、世の大多数のピアノ弾きは超絶技巧をもっていない。だからプロと自称してもアマチュアの域を出られない。(ホンモノとは昨日書いた後藤みどりさんや内村航平のことを言うのだ!)


 ※私の俳句(夏)
    遊船や海にせりだす摩天楼

おかかご飯が好きじゃない

2017-07-30 10:23:44 | 食べ物

(おかかご飯。cookpad より引用。)

幼いころ病気をすると、祖母が「おかかご飯」を作ってくれた。ナマのおかかに醤油をたらしてご飯に乗せるのだ。私はこれは好きではなかった。

だいたいナマのおかかが嫌いだ。歯に挟まったりダマになって固かったりする。名古屋に住んでいるときにも「きしめん」はあまり食べなかった。ナマのおかかが山ほど乗っているからだ。

やはり、おかかはダシをとるものだ。そのまま食べるのはダシの元の煮干しやトリガラを、そのまま食べるのと同じではないか!?


(名古屋のきしめん。travel book より引用。)


 ※私の俳句(夏)
    ヨット行くその奥を行く巨船なる

AKB48はいつまでもつか?

2017-07-29 16:22:56 | 芸能
2011年10月10日に私は「AKB48は今年いっぱいもたないだろう」と予想した。ところがメンバーを変えて今でもテレビに出ている。私の予想ははずれた。

下の乃木坂46とか欅坂46というグループも活躍している。漢字シリーズはローマ字シリーズに比べて、衣装も派手でなく振り付けも違う。プロディューサーが差別化に腐心しているのだろう。

漢字シリーズはローマ字シリーズのに二番煎じということもあって、ローマ字シリーズほどにはもたないだろう。また、スターが少なく、乃木坂でCMに出られるのは際だった美女2人だけである。






(豊橋のご当地アイドル。)

上の写真は豊橋の「ご当地アイドル」である。残念ながらメジャーなオーディションに受かりそうな子は一人もいない。

AKB48をもっともたせるには、前田敦子を出世させることだ。そうでないと残されたメンバーは25歳も過ぎて、いい加減アイドルなぞやっていられない気持ちになるだろう。


※私の俳句(夏)
    砂防ダム災ひとなり梅雨出水

「芸術家」か「選手」か?

2017-07-29 08:42:52 | スポーツ

(むかしの後藤みどりさん。)

バイオリニストの後藤みどりさんは、小学生ですでにオーケストラをバックにして協奏曲を弾いている。弦が切れたとき少しもあわてず、コンサートマスターにバイオリンを借りた逸話はアメリカの小学校の教科書にも載っている。後藤さんは昔から天才といわれていた。


(リオ五輪金の内村航平選手。iRONNA.JP より引用。桐山弘太氏撮影。)

体操の内村航平選手は、体操選手権で10連覇をなしとげた。この人も天才と言えるだろう。並外れて体が動かせるのだ。

体や手指の動きが人並外れているという点で、後藤さんと内村さんは同質ではないか?だが、後藤さんは芸術家と呼ばれ、内村さんは(芸術点というのはあっても)選手と呼ばれる。

テクニック的なすごさにおいて私には両方とも同じに見えるのだが、みなさまはいかがだろうか?(後藤さんを「選手」と呼んでもよいし、内村を「芸術家」と呼んでもよいのではないか?)


 ※私の俳句(夏)
    赤レンガ倉庫がビールバーといふ

ライブと高級オーディオの違い

2017-07-29 01:52:18 | 音楽

(1,500万円のオーディオセット。ASCII.JP より引用。)

いま、ちょっとしたオーディオブームである。オーディオブームはバブル時代初期にも一度あった。そのとき知人に直径1メートル奥行き3メートルものウーハー(低音用スピーカー)を買った人もいる。

私はむかしからライブが好きだから、オーディオには凝らず自宅ではラジカセだった。(いまでも、そうだ)。

当時、オーディオマニアが所有するLPレコードの少なさに驚いた。金額にして3万円分くらいしかLPを持っていない。3万円分のレコードを聴く装置が100万円なんてヘンだなと思った。つぎ込む金額がアベコベだろう!(そこでオーディオマニアは「音楽マニア」なのではなく「再生マニア」なのだと気づいた。しかしながら、マニアならレコードのカッティングから自分でやるのが本筋ではないか!?)。

ライブハウス(モダンジャズの)にはよく行く。奏者がさほどうまくなくても、ライブなら聴くに耐えるのが不思議だ。


(私がむかしよく行った御茶ノ水のライブハウス)

ライブハウスに出演する無名のジャズバンドは、それで生活できるのだろうか?ライブハウス出演者の生活や演奏にかんしては稿を改めていつか論じたい。(どんなに高級なオーディオ装置でも下手なライブにさえかなわないことや、ジャズドラムの巧拙はバスドラムの扱い方で決まるといったことなど・・)。


 ※私の俳句(夏)
    ヨコハマベイ錨鎖不壊なる梅雨曇

戦後復興の象徴 ・ 東京タワー

2017-07-28 10:52:39 | 社会

(建設中の東京タワー。ヒストリーチャンネルより引用。)

私が小学校3年生のときに東京タワーが完成した。父親に連れて行ってもらった。ただ、エレベーターに乗るのに何10分も並ばなくてはならなかった。

そこで階段を歩いて登ったけれども、意外に大したことはなかった。できたばかりの東京タワーに登った体験は、私の中に鮮明に残っている。

私は自分の子どもたちを東京タワーに連れて行っていない。そうこうするうちに東京スカイツリーの時代になってしまった。

スカイツリーの完成より東京タワーの完成のほうが、圧倒的にインパクトがあった。私の孫たちを子どもたちが連れて行くかどうか、いちいち口出ししないようにしている。


 ※私の俳句(夏)
    湿気濃し滝に近づきゆくほどに

何でもお金で買えるか!?

2017-07-28 04:29:22 | 経済
(西川史子さん。SANSPO.COM より引用。)

医者でタレントの西川史子さんは10年ほど前、「年収4,000万円以下の人とは結婚しない」と宣言して「高びぃタレント」として有名になった。

その後も、父親や祖父の教えとして「稼げない男はバカ」とか「ブスは存在価値なし」などと毒舌を吐き、本音タレントの地位を確立した。(彼女はミスコン出身だが、テレビでデヴィ夫人から「あの亀みたいな顔の人ね」といわれたこともあるが・・)。

父親からの教えのひとつに「99%のことはお金で片づく」というのがあったそうだ。これは真実かもしれない。愛情さえお金で買える可能性がある。

こんにちの貨幣経済社会では慰謝料とか罰金という制度で、「お詫び」を金額に換算することが一般的に行われている。では、貨幣経済でない民族の中では、「お詫び」や「お礼」はどんな形で行われているのか?が本日の疑問である。

貨幣経済は農耕社会の成れの果てだと私は思う。狩猟採集社会では富(食糧)の蓄積がないから、食糧のやりとりは行われなかったのではないか?無意味に見えるポトラッチ(蕩尽)の制度は未開とはいえ、農耕社会の風習である。

現在わずかに残っているかもしれない狩猟採集民族の「お詫び」や「お礼」の仕方を調べてほしい。前世期にやっと残っていた狩猟採集民族・ブッシュマンの研究を見ても、言語の研究などは詳しいのに、経済的研究がほとんどないのが残念である。


 ※私の俳句(夏)
    顔に本かぶせて眠るハンモック

平尾昌晃が好きじゃなかった!

2017-07-27 17:49:11 | 音楽


私が小学生のとき日劇ウエスタンカーニバルが流行ったから、私はリアルタイムで同カーニバルを知っている。私にはセックスアピールという発想がまだなく、なぜこんなに騒ぐのだろうか?と不思議だった。舞台に熱狂する女たちもまた平尾昌晃ら歌手たちもバカに見えた。(女たちは「わんさガール」と呼ばれていた)。

高校生の時から私はモダンジャズに魅了され(スイングジャズやニューオーリンズジャズとは別でバップと呼ばれた)バンドを組んで、それは大学から中年になるまで続いた。大学生のころはフォークソングが流行った。吉田拓郎や岡林信康だ。外国人ならジョーンバエズとかPPM(ピーターポール&マリー)。

とうじ私は「フォークソングは音楽ではなく、(語りの内容が重視される)浪曲や平家琵琶みたいなものだ」と感じていた。当然、美空ひばりや島倉千代子なぞ従来の歌謡曲も聴くことはなかった。

そんなときに出てきたのが小柳ルミ子の「私の城下町」だった。「なんじゃ、これは!けっこういいじゃないか!」と私は当時としては新鮮なメロディーラインに驚いた。「瀬戸の花嫁」、「漁火恋歌」も素人でも歌えるメロディーながら素人では作れないと感じた。



「この曲の作曲者が平尾昌晃?なんであんなチャラ夫が?」と私は苦々しく思ったが、良いものは良いから仕方がない。カラオケが発明され一大ブームとなったのは、そのころである。たいていの歌謡曲は素人でも歌えた。現在のJポップはメロディーラインが難しすぎて素人では歌えない。(ついでに玄人っぽいことを言わせてもらうと、伴奏はJポップより昭和歌謡のほうが凝っていて演奏もむずかしい)。

ついに私も昭和を懐かしむ世代になってしまったのか!嗚呼!


 ※私の俳句(夏)
    膝までのプールやパパに水をかけ

細胞液は循環している!?

2017-07-27 07:35:29 | 生物

(細胞内の構造。理研プロジェクト(株)より引用。)

細胞内の液は流れていると最近知った。そんな流れがあることは高校でも大学でも教わらなかった。

でも、かんがえてみれば当然である。先日述べたTCAサイクルを進行させる酵素は多くがミトコンドリアに存在する。酵素がなければ(TCAサイクルがミトコンドリアの酵素に接触しなければ)化学反応が起こらない。(生命が維持できない)。

なるほど!細胞液には循環が必要なのだ。

でも、それでは細胞液循環のためのエネルギーはどこから供給されているのだろうか?生命体はほんとうに不思議のベールに包まれている。


 ※私の俳句(夏)
    旅の夜の明けて夏霧一面に    

R.フェルドマン氏はいつも本質を突く!

2017-07-27 00:22:24 | 経済

(ロバート・フェルドマン氏。「みんなの介護」より引用。)

上のR.フェルドマン氏の意見はいつも驚異的なまでに本質を突いている。エコノミストとしての発言は私には分からないことも多いが、分かる部分にはいつも感心させられる。

現在、自殺者減少の手段として「働き方改革」を政府は言っているけれども、フェルドマン氏は「自殺者減少と働き方改革は別問題で、リンクさせるべきでない。自殺にはたんに労働時間だけではなく、もっと深い問題がひそんでいる」と喝破した。(テレビ番組WBSにて)。

「働き方改革(残業制限)」が自殺者を減らすというエビデンスを政府は示していない。日本精神神経学会もエビデンスの提示を強く求めている。(以下を参照。)

精神神経学会の「自殺総合対策大綱」の見直し素案に対する意見書(ここをクリック)

もし残業時間が強く問題となるなら、月200時間以上残業した群とそれ以下の群で自殺率がどれだけ違うか統計学的に示す必要があるだろう。(200時間で区切ると、多くの大学受験生の勉強時間は学校以外に200時間を超えるので、受験勉強も駄目ということになってしまう)。

もうひとつ、統計学に不慣れな人は因果関係の逆転を起こしやすい。精神疾患の中でもっとも自殺が起きやすいのは「うつ病」である。「うつ病」の原因はほんとうは未知である。(幸せいっぱいの人でも「うつ病」にはかかる)。けっして過労やイヤなことがあったから「うつ病」になるわけではない。現在のところ「原因不明」とするのが正しい。

電通の若い女性社員の自殺がきっかけで電通の企業風土がやり玉に挙がっている。そこで「働かせる企業風土」→「自殺」という単純な図式が作られた。だが、じつは若い女性は前から(原因不明の)「うつ病」を発症していたのかもしれない。つまり「うつ病」の人は休ませなくてはならないのに「働け」と命じたのがいけなかった。すなわち電通の件は「うつ病」→「(病人さえ働かせる)企業風土」→「もうダメという書き遺し」というまったく順番が逆のストーリーも考えうるのだ。(若い女性社員は「うつ病」にさえかかっていなければ、電通の企業風土にけっこう耐ええた可能性もあり得ない話ではない)。

だからフェルドマン氏の「働き方改革」と「自殺者減少」はそんなに単純には結び付かないという指摘は、私を唸らせたのである。


 ※私の俳句(夏)
    夏の夜のバナナ小腹を慰めし

一人の医者が多数科を標榜することができなくなる!

2017-07-26 16:24:20 | 医療


幼いころ私は診療科目が多いクリニック(病院ではなく個人医院)ほど医者が優秀なのだろうと思っていた。クリニックの医者はほとんど一人しかいない。たまに二人。

一人で何科目も修業するのは不可能だと知ったのは医学部にはいってからだった。つまり、標榜されている診療科目が多いのはハッタリだと知ったのだ。(それまで、医学部自体の中ですでに科目が分かれていると思っていたが、学生は医学部ではすべての科目を学ぶことも初めて知った)。

このほど専門医制度ができて、専門医の免許がないと、やたらに診療科目を標榜できなくなった。だから、医学生は卒業してからすぐに専門医免許をとる作戦をたてなくてはならず、いっそう多忙になった。(現在まだ移行期間だから写真のような標榜が許される)。

外科も内科も産婦人科も小児科も一人か二人の人物だけでできるはずがないのだ。かつてはこれらに皮膚科、放射線科を足してしまうクリニックがかなりあった。(もっとも標榜はできなくなるが診療行為はできる。たとえば精神科専門医の私が専門外の皮膚科の薬を処方することは問題ない)。


 ※私の俳句(夏)
    近づけば巨船となりし夏霞

対戦・三ツ山くずし

2017-07-26 09:56:29 | 囲碁将棋


楊枝でも碁石でもよいから、任意の数の3つの山を作る。対戦相手どうし交互に、一つの山から任意の数の楊枝を取り除くのがこのゲームである。

ルールは「最後に取るハメ」になったほうが敗けである。

このゲームは「後手必勝」であることが証明されている。さて、後手はどのような作戦で臨めば必勝となるか?ちょっと考えてみてください。(ご希望があれば後手必勝法をお教えします)。


 ※私の俳句(夏)
    夏空に楕円えがきしセスナかな

医療者はむだ口をつつしむべし!

2017-07-25 17:54:50 | 医療


医者や看護師は針刺しなどの処置に失敗しても何も言わない。黙ってやりなおす。無駄な心配を患者に与えないためだ。

臨床検査技師や放射線技師も所見について言わない。検査結果を聞いても「主治医に聞いてくれ」と答えるのみである。

私の印象だが、処置に失敗したときに一番むだ口が多いのは臨床工学技士ではないか?彼らは医療機器の取り扱いが専門で、患者には意識がないことが多い。だから、「しまった!」とか「あれ?」とか言ってしまうのだろうか?もし患者に意識があればドキリとする!

もっとも自分が患者になってみて、たんなる印象だけを述べてしまう看護師に出会った。彼女は私の皮膚が「黄色いかなぁ」(つまり黄疸が出ているかなぁ?という意味)と言った。こちらはシロウトではないから、血清ビリルビン値が正常なので黄疸が出るはずがないと知っている。

これがシロウトさんなら、看護師の何気ない「黄色いかなぁ」の一言でどれだけ不安になることだろうか?


 ※私の俳句(夏)
    トンネルの暗きを出でて梅雨晴れに