ロウ石(せき)は今、売っているのだろうか?いや、そもそもロウ石というものをご存じの読者はどれくらいいるだろうか?
ロウ石は駄菓子屋で売っていた。チョークのように、アスファルトの道路に線を引く石である。私が子どものころは、道路にロウ石で線を引いて、かけっこのスタート地点にしたりした。
道路がアスファルトになる以前は、土の地面だった。道路も土だった。だから子どもたちは地面に棒で線を引いた。棒で円を描き、そこで相撲をとった。
まだ日本の道路の舗装率が5%という時代だった。そこに車が走るので、街はいつもほこりっぽかった。表参道のすぐ脇には原っぱがあった。
トイレはボットンだった。だから、どこの家も軽く便所の匂いがただよっていた。みな木造だった。2DKの鉄筋のアパートが庶民の憧れの的となる1,2年前のことである。
ほこりっぽくて、かすかに便所の匂いがする街。それが「三丁目の夕日」の時代の街である。
ロウ石は駄菓子屋で売っていた。チョークのように、アスファルトの道路に線を引く石である。私が子どものころは、道路にロウ石で線を引いて、かけっこのスタート地点にしたりした。
道路がアスファルトになる以前は、土の地面だった。道路も土だった。だから子どもたちは地面に棒で線を引いた。棒で円を描き、そこで相撲をとった。
まだ日本の道路の舗装率が5%という時代だった。そこに車が走るので、街はいつもほこりっぽかった。表参道のすぐ脇には原っぱがあった。
トイレはボットンだった。だから、どこの家も軽く便所の匂いがただよっていた。みな木造だった。2DKの鉄筋のアパートが庶民の憧れの的となる1,2年前のことである。
ほこりっぽくて、かすかに便所の匂いがする街。それが「三丁目の夕日」の時代の街である。