院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

新型インフルエンザに寄せて

2009-05-20 14:33:30 | Weblog
 インフルエンザ発生時期になると「うがい」の励行が推奨されるけれども、「うがい」の無意味さについては、いつぞやここで述べた。

 ウイルスが粘膜に付着してから細胞内に入るまで20分もかからないという。だから、家に帰ってから「うがい」をしてももう遅いのだ、と述べた。

 そこに、今回の新型インフルエンザである。なぜか今回は「うがい」のことはあまり言われない。識者たちが「うがい」の無意味さに気付いてきたのだろうか?

 そのかわりに、しきりと言われるのがマスクと手洗いである。私はマスクは感染防御にはならないと見ている。マスクにはあまりに隙間が多いからである。マスクは他人に感染させないために用いるものであって、自分の感染の予防にはならないと思う。

 手洗いもさして感染防御にはならないだろう。手にウイルスが付くということは、顔にも足にも付いているわけであって、手だけ洗っても無意味だろう。

 外科医を見よ。彼らはマスクをし、手を徹底的に洗う。それは何のためか?患者からの感染を防ぐためではない。自分から患者へ感染するのを防ぐためである。

 インフルエンザに対するマスク、手洗いも同じように考えたほうがよい。

自律神経失調症

2009-05-17 13:59:38 | Weblog
自律神経失調症というのは医学用語ではない。いわばスラングである。

 医学部では自律神経失調症という病気を教えない。むろん、いかなるちゃんとした教科書にもこの言葉は載っていない。

 俗に「はきだめ診断」という。なんだかワケが分からないのに不定の症状があるものを、みな自律神経失調症という、それこそワケの分からない部類に入れてしまう。

 医者でさえ、しばしば自律神経失調症という言葉を使う。だが、医者はいやしくも専門家である。このような、いかがわしい言葉で患者をまどわしてはならない。

 私は自律神経失調症という言葉を絶対に使わない。

新型インフルエンザ

2009-05-01 22:13:00 | Weblog
 今や世界中が新型インフルエンザで大騒ぎである。

 わが国に新型インフルエンザを入れるなとばかり、空港ではものものしい検疫が行われている。でも、あんなの役に立つのだろうかと私は思う。

 アメリカでも大騒ぎで、消毒と称して学校の机をアルコールなんかで拭いている。アルコールではウイルスの殺菌はできないと、誰も知らないのだろうか?

 わが国がいくら空港で検疫をやっても、新型インフルエンザは必ず入ってくる。それは検疫が甘いのではなく、渡り鳥が持ってくるからだ。今は渡りの季節ではないから入ってこないだけだ。

 豚インフルエンザが鳥に感染しないとは限らない。感染しなくても羽毛に付着して運ばれるかもしれない。

 渡り鳥に対しては検疫は無力である。だから、問題は今年の秋である。秋には必ず新型インフルエンザがわが国に入ってくると、今から予言しておく。