院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

保険会社の手口

2017-09-30 01:21:49 | 社会

(約款の写真製版。FujiFilm のHPより引用。)

 保険会社はなるべく補償を支払いたくない。だから補償の請求があると、加入時にこの病気は申告されていなかったなぞと、さまざまな理由を付けて払うまいとする。

 そもそも約款が読めないほど小さな文字で書いてある。請求時に「ほら免責事項として約款に書いてあります」と言われても、文字が見えないだけでなく文章が法律のようで理解できない。

 ある病院で一人の医局員が休業補償の保険に入っていた。保険会社は病院出入りの会社だった。ある時その医局員が病気をして休業し、給料が激減した。それで保険会社に休業補償を請求した。だが休業補償は払えないと保険会社は言う。なぜなら激減しても給料が出ているからと。

 それを聞いた病院長は怒った。そして保険会社に「なんのための休業補償か!おたくの会社は今後、病院に出入り禁止とする。さらに病院の職員全員におたくの保険から引き揚げさせる」と言いわたした。

 そうしたら、あわてて医局員に休業補償が支払われた。「なぁーんだ、保険会社ってその程度なのかぁ」と若かりし私は思った。この病院長は私がもっとも尊敬する医者の一人である。

 ※私の俳句(秋)
    葉が落ちて熟柿の二三地に崩れ

底辺労働者、煙突掃除人

2017-09-29 05:27:17 | 社会

(煙突掃除人。楽天「コスチューム」より引用。)

 幼いころわが家の風呂は薪で沸かしていた。直径10センチに満たない煙突は当然詰まる。とうじ煙突掃除人が自転車で町を流していて、わが家も一回頼んだことがある。

 掃除人は真っ黒になって煙突を掃除した。掃除人は底辺労働者で、その子供は親の職業が恥ずかしくて言えなかったそうだ。

 家々が薪からガス釜に代わって煙突掃除人は町から消えた。

 現代の底辺労働者は誰だろうか?原発の廃炉労働者だと思うのだがどうか?だが、その子供は親の職業を言えなくはないだろう。

 (参考)廃炉労働者の日当は1万円以上だという。道路の工事現場の赤灯振りは日当8千5百円。

 ※私の俳句(秋)
    隣り家の熟れ柿きょうはもがるるか

韓国は日本を超えられない

2017-09-28 08:00:26 | 経済

(キムチ造り。VELTRA より引用。)

 30年前、わが国が著しい経済発展をしていたころ、韓国も大いに発展した。

 そのとき友人の高級官僚が「韓国は日本を超えられない」と断言した。私は怪訝に思って何故かと問うた。彼の回答は明快だった。

 「韓国は人口が日本の半分以下だから」

 あ、そうか!と私は電光のように理解した。兵隊が少なければ生産も消費も少なくなるのだ。

 いま、わが国は兵隊が少なくなることを心配している。ために専業主婦を働かせようとの力がかかっている。その力に乗せられて、うかうかと働きに出る主婦は、女性の社会進出でもなんでもなく、兵隊の員数合わせに協力しているに過ぎない。

 ※私の俳句(秋)
    通学路の柿色づいて来りけり

師匠、師匠と言い過ぎる

2017-09-27 10:06:38 | 芸能

(落語の風景。ウィキペディアより引用。)

 芸人の世界で師匠とは先生のことである。その業界内で若手が先輩を師匠と呼ぶのは何の問題もない。

 だが、司会者やインタビュアーが年かさの芸人を師匠と呼ぶのはどうか?まして客や評論家が師匠、師匠と言うのには違和感を覚える。

 売れっ子芸人が売れない先輩を師匠と呼ぶと、かえって嫌味なことがある。

 ※私の俳句(秋)
    柿の実の色づいてきし両隣り

ペーパードクター

2017-09-25 05:42:58 | 医療

(医師免許証。naverまとめより引用。)

 むかしは専門医制度が発達しておらず、国家試験に受かれば即、医師になれた。経験の有無は問われなかった。新卒も10年経験者も区別されなかった。専門科目も問われなかった。

 そのため勉強ができるからと医学部に入り、医師免許をとったらすぐに結婚してしまう女性がいた。子どもが生まれるから、研修もやっていない。(医師免許をもった若い女性は、かなりいい条件で結婚できた。引く手あまただった。)

 彼女らは実地研修や臨床経験を全然していないのに、(むかしは医師不足だったから)就職ができた。そしてなんと診察もやっていた。ペーパードライバーならぬペーパードクターなのに。

 さすがに一線の病院では使い物にならないので、開業医の手伝いなどをやった。または患者と接しない部署、つまり行政に行った。(たとえば保健所。保健所長は医師でなくてはならないと法律で決まっている。)

 ペーパードクターであっても、行政ではいきなり一般公務員より上の地位についた。だから、やっかみもあって、ペーパードクターは行政職や現業職から「また頭に紙だけを乗せた奴が来た」と陰口を言われた。

 今後そのようなことはなくなる。専門医制度(2017-09-12)が確立しつつあるからだ。そのため行政に行く医者は、最初から公衆衛生に志向性が高いので行政を希望する。こうして行政の医者もバカにされなくなるだろう。

 ※私の俳句(秋)
    朝霧や新聞配るバイク音

セカンドオピニオンについて(3)

2017-09-24 05:45:57 | 医療
(アマゾンより。)

 セカンドオピニオンは元来、アメリカの医療保険会社が言い出した考え方です。保険会社としては支払いは安いほうがよい。だから保険会社は、もっと安い医療はないかと探すためにべつの医療機関に「この病気の支払いで、もっと安い方法はないか」と問い合わせたのが「セカンドオピニオン」の元来の意味でした。

 それが平成一桁のわが国に「もっと別の適切な医療行為や診断はないか」という現在の形でわが国に変形されて輸入されたのでした。

 平成一桁と言えば、医者がマスコミから徹底的に叩かれた時代でした。「儲けすぎ」とか「患者扱いがぞんざい」とか「3時間3分」(待ち時間が3時間で診察は3分)と、国民の医療に対する不満も頂点に達したころでした。

 あるとき産科の医師が手術中に、警察が乗り来んできて医師に手錠をかけるという事件が起こりました。さすがにこれはやり過ぎでした。産科をはじめ外科系を志す若手医師が激減し、わが国の医療シーンは大混乱になりました。

 医師会も改革を試み、患者を「患者様」とへんな名称で呼んだり、またセカンドオピニオンを(アメリカとは別に意味で)積極的に取り入れたのでした。それでも医者や看護師に暴力を振るったり、最初からけんか腰で医療機関を訪れる「モンスターペイシェント」の出現を許しました。

 最近になって、ようやく医者叩きもおさまってきました。それでも平成一桁の出来事は私の世代の医者には大きなトラウマとなって未だに残っています。

 ところで、現在でもセカンドオピニオンは医療行為ではなく相談業務ですから、原則として健康保険が効きません。(私の場合は「転医」とみなして健康保険を使うこともありますが)。

 ※私の俳句(秋)
    虫の闇バスの前灯見えて来し

セカンドオピニオンについて(2)

2017-09-23 06:35:50 | 医療

(セカンドオピニオン外来。平塚共済病院のHPより引用。)

 ある方面で全国的に名が通った医者が知人にいる。特別な医者ではなく、愛知県の開業医だ。(専門は精神科薬物療法。)

 彼のところには北は北海道から南は沖縄まで、セカンドオピニオンを求めて患者が来る。飛行機を使って泊りがけで来るのだ。

 彼が言うに、診断や治療方針が地元の医者と同じだと、遠くから来た患者ほど不満なのだという。そりゃそうだろう。同じならわざわざ遠くから大枚を使ってくる必要はない。

 だが、地元の医者と同意見になることがほとんどなので彼は困っている。そのような患者は多分その後も、別の意見を求めて日本中いや世界中を飛び回るのだろう。これはマスコミが造り出した新型のノイローゼとは言えまいか?

 ※私の俳句(秋)
    虫鳴くや門灯切れし家のあり

セカンドオピニオンについて(1)

2017-09-22 05:01:33 | 医療

福島労災病院のHPより引用。)

 確かにできる医者そうでない医者、並の医者という区別はある。だが、それを見極めるのは難しい。プロであっても、その医者ができるかどうかは一か月くらい一緒に働かないとわからない。

 ましてシロウトさんには絶対にわからないだろう。だから、シロウトさんは好き嫌い合う合わないで決めるほかはない。ところが患者受けはよいのに、できない医者が(まれに)いるから問題は複雑になる。

 私はセカンドオピニオンは患者が求めるのではなく、医者が求めるものだ考える。医者が自分で今ひとつ心に落ちないとき、尊敬する医者や詳しい医者に求めるのが本当のセカンドオピニオンだと思う。

 マスコミによるセカンドオピニオンの奨励は、医者不信で医者を渡り歩くドクターショッピングを招く弊害がある。だから上の図のように、セカンドオピニオンがシステム化されていることが望ましい。

 ところが同じ組織内でシステム化されていると、医者同士のなれ合いとか、医者同士の反目などが、今度は問題となってくるから事態はややこしい。

 ※私の俳句(秋)
    露草のなか廃村に出会ひけり

臨床医学と基礎医学

2017-09-21 10:01:22 | 学術

(iPS細胞の電子顕微鏡写真。ウィキペディアより引用。)

 医学研究には臨床医学分野と基礎医学分野がある。臨床医学は「この病気にはどういう治療法がいいか」を研究する。一方、基礎医学とは人体の構造や機能について調べ、臨床医学のもととなる仕組みを明らかにするものである。

 ノーベル医学生理学賞受賞にかぎれば、臨床医学より基礎医学のほうが圧倒的に多い。iPS細胞は眼病の治療に応用されようとしているが、iPS細胞はもともとは基礎医学研究であった。

 物理学には、応用物理学と理論物理学がある。応用物理学はすぐに利用できるものである。理論物理学は益川教授がノーベル賞を受賞したクオークの研究のように、現在は直接役に立たないものである。

 さいきん政府は基礎研究の研究費を削った。これにより、日本人のノーベル賞受賞はなくなるだろう。このことは有名学術雑誌ネイチャーも警告しているところである。

 ※私の俳句(秋)
    自転車の灯の近づいてくる秋未明

宅配寿司の経験

2017-09-18 06:35:48 | 食べ物

おたる政寿司銀座。ぐるなびより引用。)

 これまでこのブログでは寿司についてさんざん書いてきた。(たとえば「握り寿司の味」2012-10-31「生(なま)マグロ」2017-05-15。)このたび宅配寿司について感想を述べよう。注文したのは「銀の皿」という宅配寿司専門店であるが、結論から言うと、うまかった。

 いま回転寿司が激戦だというけれども、そこに宅配寿司が参入した感じだ。宅配寿司のネタは悪くない。「これはダメだ!」というネタがない。

 また従来の寿司屋の出前には必ず入っていったコハダとか貝類など、好き嫌いがあるネタが避けてある。マグロのトロとか赤身が中心で、イクラとか万人が好むネタで構成されているのだ。加えて鶏の唐揚げなども別注できる。子供が喜ぶ。シャリが大きめだからお腹もいっぱいになる。器がぺらぺらのプラスチックでないのもよい。

 回転寿司はアイスクリームやラーメンまで出てくるらしい。これはこれで用途があるようだ。(回転寿司の元祖”かっぱずし”が苦戦して、イメチェンのためにカリフォルニア巻を派手にしたようなメニューを出すらしいが、これは失敗するだろう。その話は別の機会に。)

 こうして既存の寿司屋は絶滅するだろう。写真のような高級寿司屋も危ない。私の馴染みの寿司屋は跡取りがおらず、親父の衰退とともにフェードアウトしていくだろう。

 すでに述べたが、若者にとって従来の寿司屋は「時価というのが怖い」、「目上の親父に”あれくれこれくれ”と命じるのがイヤ」という印象が強いので、現在の宅配寿司の質なら今後もっと伸びるだろう。

(寿司の品質に関しては、宅配寿司はどこの回転寿司より勝っている。)

 ※私の俳句(秋)
    宵闇の川辺に夫婦らしき影

英雄色を好む?

2017-09-16 04:59:25 | マスコミ

文春オンラインより引用。)

 さいきん週刊誌があなどれない。場合によって政局を左右する。

 代議士の下半身をあげつらって、どうするのか?下半身と政治手腕は関係ないのではないか?メディアは権力を批判していたほうが健全だ。野党の足を引っ張りだすと危ない。

 週刊誌はクオリティーペーパーにさげすまれてきた留飲をいま下げているのだろうか?

 下半身問題は女優の斎藤某までにしておけ。芸能人は騒がれてナンボだから、有名税も必要だろう。

 芸能人と(民主的手続きで選ばれた)代議士を同列に取り扱うことに違和感を覚える。

(代議士も人気商売で芸能人みたいなものだという議論があることは知っている。俗耳に入りやすい議論だ。そういう意見の人たちには「民主主義を推し進めていくと独裁国家になることが論理的に証明されている」という事実を提示しておこう。と言っても、どう繋がるのか理解できないだろうなぁ。)

 ※私の俳句(秋)
    堰(せき)越ゆる水泡だちて秋出水

安物買いの銭失い(1)

2017-09-15 02:40:16 | 経済

(ジョアン・ジルベルト。ウィキペディアより引用。)

 中学1年生の時、親に頼んでクラシックギターを買ってもらった。音楽に興味がない両親は「最初は安物でよい。高い楽器は上達してから。途中でイヤになるかもしれないし・・」と千円のギターを私に与えた。

 このギターが弾けない。弦とサオの間が1センチ近くあって、弦をフレットに押し付けるのに大変な力が必要なのだ。まして和音なんて、とてもじゃないが押さえられなかった。

 ギターとはずいぶん力が必要なのだなと思い、それきりになった。その後、友人のギターを触る機会があり、弦が何の抵抗もなくフレットに着くことに驚いた。

 千円のギターは形はギターだが、楽器ではなかった。一見ギターに見える「飾り」だった。(並みのギターが1,2万円の時代だった。)最初の出会いがこれだったから、私は一生ギターが弾けるようにならなかった。

 (1)初心者ほどよい楽器を使うべし。
 (2)楽器購入は、分かっている人と行うべし。

 これまで何度も述べてきたが(たとえば「弘法は筆を選ぶ」2007-01-19)、大切なことだから何度でも言う。

 ※私の俳句(秋)
    机上なる途切れし稿や秋扇

プロ野球、大嫌い!(3)

2017-09-14 00:13:01 | スポーツ

(野球帽。ウィキペディアより引用。)

 幼いころ大人から、帽子をかぶるようにしつこく言われた。大人たちは日射病を恐れていた。日射病と熱中症が混同されていた。老人の中には、さらに日本脳炎とごちゃまぜにしている人もいた。

 小学生は野球帽をかぶらされることが多かった。東京では巨人軍の野球帽が圧倒的だった。私の野球帽は巨人軍のではなかった。上級生に「それ、どこの球団?」と尋ねられ、知らない言うと「おまえ、知らないでかぶってるのか!」と驚かれ、幼い心が揺れた。

 たぶん南海ホークスの野球帽だったのだろう。巨人と南海以外に球団の名前なんて知らない。私の父はプロ野球を見なかった。だから私もプロ野球のことを、なんにも知らなかった。

 東京では胴体が黒で腕が赤の、巨人軍のジャンパーが流行った。けばけばしいジャンパーだ。あんなもの着せられなくてよかったと今でも思う。せいぜい野球帽までにしといてくれ!着るもの全部が巨人軍なんて頼むからやめてくれ!


(ヤフオクより引用。)

 ※私の俳句(秋)
    真夜の音止んで鈴虫のみ残り

プロ野球、大嫌い!(2)

2017-09-13 19:05:38 | スポーツ

(宴会風景。晴快荘のHPより引用。)

 私が婚約したとき、名古屋の級友たちがお祝いの宴会を開いてくれたんです。とてもありがたいと思いました。

 宴会の日、日本シリーズのプロ野球中継をテレビでやっていました。セ・リーグの優勝者が中日でした。テレビをつけたまま宴会をやったのがいけなかったのでしょうか、試合が盛り上がってくると、みな宴会そっちのけでテレビに食いついちゃったんです。

 私と婚約者(今の妻)は放られっぱなし。もともと野球に興味がないから、ただぼんやりと試合が終わるのを待っていました。

 こういうことがあったからプロ野球が嫌い、というわけではないんですよ。なんだかプロ野球は(他のプロスポーツに比べて)贔屓されすぎという感じがするんですよね。

 ※私の俳句(秋)
    門灯の点滅したる虫の町

プロ野球、大嫌い!(1)

2017-09-13 10:51:37 | スポーツ


 毎日、プロ野球について語られ過ぎる。NHKでさえプロ野球のライブを放送する。夜9時のニュースの後には、プロ野球の点数だけを報じる。うるさくて仕方がない。

 山本夏彦翁は言った「プロ野球は女性のほとんどは興味がなく、男性の半分だけが見る。プロ野球を見るのは国民の4分の1に過ぎないのに全員が見ているかのように思っている。(大意)」。

 だいたい私は野球のルールを知らない。むろん誰がスター選手なのか分からない。見ていてもチンプンカンプンなので、プロ野球は見ない。

 タクシードライバーに「今日、中日が勝ちましたねぇ」と話しかけられても、そんなことは知らない。(名古屋地方は圧倒的に中日ファンが多い。)

 中日新聞社が名古屋を拠点としていることの一点だけで、熱狂的に中日を応援するのって、どうよ。そして応援する者同士で妙な連帯感をもつなんて気持ち悪くないですか?

 ※私の俳句(秋)
    鳥渡る岸の工場は煙吐き