本式のスパゲティはうまくない 2018-01-30 02:39:27 | 食べ物 写真は喫茶店で出てくるスパげティだ。これがうまい。本式のスパゲティよりうまい。 今のスパゲティ屋のそれは、私の口に合わない。スパゲティはソーセージとピーマンが入って軟らかくなければならない。 私にとって政党派のスパゲティーは落第である。 ※きょうの俳句 侘助や同じ話よ昨日今日 ひとし #きいてきいて « 東京の豪邸街 | トップ | 好きな寿司ネタはアナゴ »
1 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 イタリア的アルデンテと、洋食的ナポリタン (シナモン) 2018-02-01 08:36:52 (1)スパゲッティ(spaghetti)の語源は「紐」だそうだ。見た目の形態による命名だ。その点では麺類と広く括ることができるだろう。うどん、中華麺も、概ね小麦デンプン発祥の紐状食品だが、小麦の種類の違いによってえらく多様化していることに感心する。それから、蕎麦も忘れてはならない。これは原料が蕎麦の実。小麦との質感の違いははっきりとしている。(2)さて、日本を含めた東洋地域の麺の文化は、茹でても蒸しても、麺はやわらかくして食する。焼きそばしかり、ラーメンしかり。蕎麦もしかりだが、蕎麦の場合は、うどんや中華そばに比べるとヤヤ硬めかなという印象がある。ナポリタンになると、茹でて、放置して、油炒めでケチャップを加える訳だから、硬質な麺の風味は全く失われる。しかしこの工夫によってナポリタンという夢のような食品が出来上がった。日本的味覚イデオロギーの権化みたいな食べ物だ。味覚と風味の好みとしての東洋的「柔らかさ」が、イタリアに行くと硬質なものに様変わりする。そば粉からも疑似スパゲティーはできるようだが、やはりデュラム小麦からつくったセモリナ粉が、硬質な風味のスパゲティには相応しい。(3)食品とそれを育む味覚は、文化依存の生活感覚だから、土地、伝統がものを言う。気候の影響も大きいから、風土が基盤になる。洋の東西、どちらが良いの悪いのといいだすと、楽しくも収拾のつかない論争になる。こっちの水は甘いぞだ…。(4)私の記憶では、80年代あたりから、それまで洋食系、喫茶店系のナポリタンやミートソースに象徴されてきた日本のスパゲッティ文化に、外圧の風が吹き始める。ヨーロッパ的には邪道にすぎなかった東洋的、洋食的な柔らかい麺文化の舞台に、本場のアルデンテが加わるようになる。商品経済学的には、差別化による新たなる市場の開拓ということだ。(5)大正と戦前昭和生まれの世代と、戦後第一世代である団塊の世代を中心に形成されてきた味覚の文化が、新しい渡来のアルデンテに置き換わるのにさしたる時間はかからなかった。味覚の新人類の誕生である(笑)。永井荷風的、浅草的洋食文化を好む旧世代派と、アルデンテに新しき道を見いだした新世代派へと二極分解が進んで、今日に至っている。私はどちらも止め処なくおいしいと感じる。両者は全くの別物である。そしてここで言う「洋食」とは実はまごうことなき「和食」である。シナモン:twitter:https://twitter.com/yamkam1020 返信する 規約違反等の連絡 コメントを投稿 ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
スパゲッティ(spaghetti)の語源は「紐」だそうだ。見た目の形態による命名だ。その点では麺類と広く括ることができるだろう。うどん、中華麺も、概ね小麦デンプン発祥の紐状食品だが、小麦の種類の違いによってえらく多様化していることに感心する。
それから、蕎麦も忘れてはならない。これは原料が蕎麦の実。小麦との質感の違いははっきりとしている。
(2)
さて、日本を含めた東洋地域の麺の文化は、茹でても蒸しても、麺はやわらかくして食する。焼きそばしかり、ラーメンしかり。蕎麦もしかりだが、蕎麦の場合は、うどんや中華そばに比べるとヤヤ硬めかなという印象がある。ナポリタンになると、茹でて、放置して、油炒めでケチャップを加える訳だから、硬質な麺の風味は全く失われる。しかしこの工夫によってナポリタンという夢のような食品が出来上がった。日本的味覚イデオロギーの権化みたいな食べ物だ。
味覚と風味の好みとしての東洋的「柔らかさ」が、イタリアに行くと硬質なものに様変わりする。そば粉からも疑似スパゲティーはできるようだが、やはりデュラム小麦からつくったセモリナ粉が、硬質な風味のスパゲティには相応しい。
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食品とそれを育む味覚は、文化依存の生活感覚だから、土地、伝統がものを言う。気候の影響も大きいから、風土が基盤になる。洋の東西、どちらが良いの悪いのといいだすと、楽しくも収拾のつかない論争になる。こっちの水は甘いぞだ…。
(4)
私の記憶では、80年代あたりから、それまで洋食系、喫茶店系のナポリタンやミートソースに象徴されてきた日本のスパゲッティ文化に、外圧の風が吹き始める。ヨーロッパ的には邪道にすぎなかった東洋的、洋食的な柔らかい麺文化の舞台に、本場のアルデンテが加わるようになる。商品経済学的には、差別化による新たなる市場の開拓ということだ。
(5)
大正と戦前昭和生まれの世代と、戦後第一世代である団塊の世代を中心に形成されてきた味覚の文化が、新しい渡来のアルデンテに置き換わるのにさしたる時間はかからなかった。味覚の新人類の誕生である(笑)。永井荷風的、浅草的洋食文化を好む旧世代派と、アルデンテに新しき道を見いだした新世代派へと二極分解が進んで、今日に至っている。私はどちらも止め処なくおいしいと感じる。両者は全くの別物である。そしてここで言う「洋食」とは実はまごうことなき「和食」である。
シナモン:twitter:https://twitter.com/yamkam1020