院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

赤い羽根が下火に

2017-12-14 00:41:44 | 社会

乗り物ニュースより引用。)

 私は 2006-10-07 以来、ほぼ毎年赤い羽根を批判してきた。お金の流れを知らない純真な女子高生の善意を利用して、街頭で叫ばせるのは罪だと。(お金の流れは私も知らない。)

 そうした街頭活動が今年は少ないようだ。熊本の災害などがあって、募金疲れしたのだろうか?これはめでたいことである。

(町内会で、半強制的に行われる赤い羽根募金について、あまりうるさく言う人もなくなった。騒ぎたてるような金額ではないからだろう。)

 ※今日の俳句(冬)
   冠雪の富士が車窓に現れし
   ひとし(豊橋市)

戦争反対を叫ぶのは今だ!

2017-11-13 09:22:04 | 社会

(3隻の空母による共同演習。YAHOOニュースより引用。)

 安倍首相やトランプ大統領が、北朝鮮に圧力をかけろとアジア諸国や中ロを説いている。その次は追い詰められた北朝鮮が、潜水艦などで日本の原発などを魚雷攻撃して戦争でも起こりそうである。

 私たちの世代は、第2次世界大戦を戦った父親世代を「なぜ戦争に反対しなかったのか」と責めた。以前もここで言ったが、父は戦後2年間もシベリアに抑留され、辛酸をなめた。

 当時の日本も経済封鎖を受けていた。その挙句に戦争に踏み切った。戦争反対と口で言うのはやさしいが、経済封鎖を突破するには戦争はひとつの道だった。

 もし北朝鮮と戦争になったら、われわれは後年「なぜ戦争に反対しなかったのか」と問われる立場になるだろう。戦争とはどうにもならずに起こるものである。私は次の山本夏彦翁の言葉が好きだ。「春秋あるべし自然なら」。

 ※今日の短歌
   閼伽棚(あかだな)にペットボトルの氷水注して炎暑を亡き子と語る
   國友道治(兵庫県)

長寿の秘訣は?という愚問

2017-11-08 15:49:58 | 社会

(きんさんぎんさん。ミドルエッジより引用。)

 長寿者に対してありがちな愚問の代表として「長生きの秘訣は?」というのがある。そんなことは当人にも分からない。

 まじめな長寿者は「何々を食べるから」など、当たり障りのない答えを言うよりほかはない。

 だが、確率論や正規分布を知っている人なら「偶然だ」と答えるだろう。極端に大きな事象はがんらい少ないのである。

 ※今日の短歌
   氷見(ひみ)からの寒鰤着いた近江町ここしばらくは雪も華やぐ
   田中新一(滋賀県)

家宅捜索すなわち「ガサ入れ」の意味

2017-10-31 00:01:20 | 社会

(「ガサ入れ」。産経新聞ウェストより引用。土屋宏剛氏撮影。)

 家宅捜索いわゆる「ガサ入れ」に意味はあるのだろうか?私の4畳半の書斎にある書類でさえ、きちんと整理分類することは困難である。

 「ガサ入れ」は何人も来てトラックいっぱいに荷物を運んでいく。あそこから何かを探し出すことはできない。持っていった荷物は滅茶苦茶になって帰ってくるらしい。

 つまり「ガサ入れ」とは証拠品の発見よりも家の中を破壊することに眼目があるのだ。「ガサ入れ」をするぞというのは、家の中を無茶苦茶にするぞと言うのと同義で、国家権力による脅しだと私は見ている。(むかし、ある病院で刑事に「ガサ入れ」という手もあるんですよと言われた。あぁ、このセリフはこういうときに使うのかと納得した覚えがある。)

 ※今日の短歌
   土手を崩し氷雨を降らせ風吹かせやっと終えたり今日の歯科医師
   栗原良子(東京都)



居酒屋の2代目

2017-10-21 00:10:08 | 社会

(吉田類さん。NHKプロモーションより引用。)

 吉田類の「酒場放浪記」を見ていると、居酒屋の2代目が店を継ぐことが多い。家業を継ぐ息子は、たいていそこそこの大学を卒業している。そして大都市で就職して、何年かすると古里へ帰って父親の居酒屋を継ぐのだ。

 初代で新規に居酒屋を開店するのは大変である。その点、父親がすでにレールを敷いてある居酒屋は継ぐのに困難は少ない。居酒屋を継ぐのなら、息子はなんのために大都市の大企業に就職したのだろうか?それ以前に、なんのために大学まで出たのだろうか?

 たぶん、それがカッコよかったからだろう。だが、やがてその道で大成するのは難しいと気づく。しがないサラリーマンを続けるより、父親の居酒屋を継いだほうが収入も多いしノウハウもある。こうして息子は脱サラして居酒屋の親父になろうと決めるのだろう。

 安易と言えば安易である。継ぐべき店をもっていることに羨ましささえ感じる。でも、息子にとっては一大決心だっただろう。悩んだに違いない。「息子よ頑張ってくれ」と思いながら、「酒場放浪記」を見ている私である。

 ※今日の俳句(秋)
    栗羊羹持って来たよとにこやかに

裁判所はじつは行政機関である

2017-10-18 00:00:17 | 社会

(下級裁判所の風景。ウィキペディアより引用。)

 国会や内閣と違って、裁判所は事実を究明する機関だと思っていた。

 でも、それは少し違うようだ。韓国の朴元大統領の裁判では司法は世論に配慮せずをえなかった。

 わが国はどうか?裁判所は「悲哀体験→うつ病」という素人的な図式を採用しているように見える。でも、それは科学的ではないと知っている裁判官もいるだろう。だが、それを言うことはできないようだ。

 新人裁判官は「世論とかけ離れた判決は出さないように」という教育を受けるらしい。これでは韓国の裁判所を嗤うことはできない。

 ※今日の俳句(秋)
    富士の湖芒原あり対岸に

投票棄権のすすめ

2017-10-11 16:57:01 | 社会

(AKB48 の総選挙ムック。アマゾンより引用。)

 私は選挙に行かないのだが今回は行こうと思う。私が選挙に行くと思い通りになるというジンクスがあるからで、ジンクスだから根拠なぞない。

 民主主義は嫉妬よりなると喝破したのは山本夏彦翁である。まったくそのとおりで、恰好だけでも嫉妬の片りんを見せたくなくて、私は選挙に行かないのだった。

 メディアも学校の先生も選挙に行け棄権するなという。だが、投票率が100パーセントになると、かえって民意が反映されないという数学論文を読んだことがある。

 投票人はAか nonAしか選べない。だが本当は多くの投票人はAが80%くらいよいが、nonAも20%くらい気に入っているといった感じで、白黒がはっきりしているわけではない。

 投票率が上がると、こうした中間領域のデータが無視されることになるのだそうだが、詳細は忘れた。

 ※私の俳句(秋)
    湖乱す櫂は吾の舟冬隣り

自動車学校教官のガラの悪さ

2017-10-08 00:04:34 | 社会

(自動車学校。ウィキペディアより引用。)

 40年以上前、自動車学校に通った。教官のガラの悪さに驚いた。いつも怒っている感じなのだ。こちらは初めての運転で右も左も分からない。なのに怒声を浴びせる。一回乗車すると数千円もかかるので辛抱した。

 20年前、息子が自動車学校に通った。息子が言うに「自動車学校の教官て最低だね」と。まだむかしと同じなのかと、むしろ感動してしまった。

 現在はどうなのだろうか?18歳人口が私たちの時代の半分だ。生き残りも大変だろう。教官は未だに毎にち怒っているのか、一度だれかに聞いてみたい。

 ※私の俳句(秋)
    風もなく秋雨つづく夜明けまで

今年も「赤い羽根」批判

2017-10-03 00:34:24 | 社会

(赤い羽根の駅前活動。ウィキペディアより引用。)

 「赤い羽根」募金に高校生が駆り出されている。私の町内会ではかなりの金額を集めて「赤い羽根」に協力している。なのに駅では高校生に迫られる。

 もういい加減にしてほしい。「赤い羽根」は使途が不明瞭で、専従職員の給与も一般人には分からない。惰性で続いているようだ。この際、「赤い羽根」は終わりにするべきだ。

 同じことを私はここで何度も言っている。今年は8回目になるだろうか?

 ところで「赤い羽根」は稲畑汀子の歳時記では秋の季語となっている。

 ※私の俳句(秋)
    赤い羽根高校生に罪はなし

保険会社の手口

2017-09-30 01:21:49 | 社会

(約款の写真製版。FujiFilm のHPより引用。)

 保険会社はなるべく補償を支払いたくない。だから補償の請求があると、加入時にこの病気は申告されていなかったなぞと、さまざまな理由を付けて払うまいとする。

 そもそも約款が読めないほど小さな文字で書いてある。請求時に「ほら免責事項として約款に書いてあります」と言われても、文字が見えないだけでなく文章が法律のようで理解できない。

 ある病院で一人の医局員が休業補償の保険に入っていた。保険会社は病院出入りの会社だった。ある時その医局員が病気をして休業し、給料が激減した。それで保険会社に休業補償を請求した。だが休業補償は払えないと保険会社は言う。なぜなら激減しても給料が出ているからと。

 それを聞いた病院長は怒った。そして保険会社に「なんのための休業補償か!おたくの会社は今後、病院に出入り禁止とする。さらに病院の職員全員におたくの保険から引き揚げさせる」と言いわたした。

 そうしたら、あわてて医局員に休業補償が支払われた。「なぁーんだ、保険会社ってその程度なのかぁ」と若かりし私は思った。この病院長は私がもっとも尊敬する医者の一人である。

 ※私の俳句(秋)
    葉が落ちて熟柿の二三地に崩れ

底辺労働者、煙突掃除人

2017-09-29 05:27:17 | 社会

(煙突掃除人。楽天「コスチューム」より引用。)

 幼いころわが家の風呂は薪で沸かしていた。直径10センチに満たない煙突は当然詰まる。とうじ煙突掃除人が自転車で町を流していて、わが家も一回頼んだことがある。

 掃除人は真っ黒になって煙突を掃除した。掃除人は底辺労働者で、その子供は親の職業が恥ずかしくて言えなかったそうだ。

 家々が薪からガス釜に代わって煙突掃除人は町から消えた。

 現代の底辺労働者は誰だろうか?原発の廃炉労働者だと思うのだがどうか?だが、その子供は親の職業を言えなくはないだろう。

 (参考)廃炉労働者の日当は1万円以上だという。道路の工事現場の赤灯振りは日当8千5百円。

 ※私の俳句(秋)
    隣り家の熟れ柿きょうはもがるるか

日本人が「はい」と返事をしなくなった

2017-09-07 17:45:17 | 社会

(日の丸掲揚風景。(株)大清工務店のHPより引用)。

 山本夏彦翁は言った。「国民の祝日には官公庁は日の丸を掲げる。むかしは一般の家も掲げた。いまは掲げない。あえて掲げると主義主張があるように見られてしまう(大意)」。かつて私の祖父は日の丸を掲げていた。私は、そもそも日の丸をもっていない。

 周囲に合わせるのは人の常である。他と違ったことをやりたがらない。女子高生の多くがマスクをしているのに、自分だけマスクをしないと恥かしいから、ある女子高では全員がマスクをするようになった。(「女子高生にだてマスクが流行」2014-04-16 参照)。

 他と合わせようとする。人がそうしてしまうのは、集団心理学では「斉一性の力が働いている」と考える。

 小学校のときから、返事ははっきりとと教わってきた。いま「はい」とはっきり返事をする人が少ない。病院の待合室で呼ばれても、黙ってヌッと立つだけである。就職試験で呼ばれても、学生はヌッと立つだけなのだろうか?

 呼ばれたら「はい!」とはっきり言って立とうではないか。周りの人が返事をしなくても・・。

 ※私の俳句(秋)
    虫の声やんで日の出の気配なる

北朝鮮のミサイル発射に対する名古屋鉄道の行動

2017-08-30 05:10:42 | 社会

(名古屋鉄道路線図。ウィキペディアより引用)。

 このブログは基本的に時事ネタは取り扱わない。だから、このたびの北朝鮮のミサイル発射について論評するつもりはない。

 2004年から、わが国では Jアラートという災害瞬時通報システムが造られた。地震、津波、火山などの国民への通報を行う。そこに北朝鮮のミサイル発射も含まれた。(内閣官房国民保護ポータルサイト)。

 昨日の Jアラートの発信で新幹線が全部止まった。私鉄では名鉄がちょうど出勤時間帯に20分間止まった。止まったのは初めてである。北朝鮮のミサイル発射は初めてではないのに・・。(ミサイルがまだ Jアラートの対象になっていなかったのか?)。

 なぜだろうか?なぜ名鉄は電車を止めたのだろうか?

 弾頭を積んでいないミサイルが落下しても、航空機が落下するより地上の被害が大きくなるとは思えない。被害はせいぜい半径数百メートルだろう。それでも他の私鉄に先駆けて名鉄は運休した。

 地方ニュースのインタビューを受けた市民は通勤できなくなり「(ミサイルが)こんなに影響するとは思わなかった」と述べた。じつは、これが名鉄のねらいだったのではないか?

 ただ Jアラートを鳴らすだけでなく、20分間、市民に不便さを体感してもらって、身をもって目を覚まさせるのが目的ではなかったのか?そして目的は達せられた。

 名鉄も知らん顔してニクいことをする。平和ボケした市民に警鐘を鳴らした名鉄の処置に賛成である。(人間は言葉だけではわからないから、体で実感させないと)。

(時事ネタを扱わないと言いながら、これはやはり時事ネタか?そう私が思ったら早急に削除の予定)。

 ※私の俳句(秋)
    秋草を分けて清流掬ひけり

「ソープランド」への代わり身の速さ

2017-08-28 01:13:04 | 社会

(社)日本映画製作者連盟のHPより引用。)


麻布・田能久(牛肉店)のHPより引用。)

 いまある「ソープランド」は、昭和40年台には「トルコ風呂」といった。大きな駅前には必ず「トルコ風呂」があって、名古屋駅前なぞには「大名トルコ」という有名なビルがあって、人目かまわず巨大な電気看板がつけられていた。

 「トルコ風呂エンペラー」とか適当な名前がついていて、中には「トルコ・大統領」なんていう名称のトルコ風呂があった。上の写真の「トルコ風呂」は例外的に小さいほうで、ふつうの「トルコ風呂」はもっと大きく堂々としていた。(大きな「トルコ風呂」の写真がネット上では見つからなかった。)

 「ソープランド」がなぜ「トルコ風呂」と名のったのか「トルコ」の由来は知らないが、ある日、本物のトルコ大使館からから「トルコ」という名称について抗議があった。ソープランドがトルコと関係があるような誤解を与えるという主張だった。

 そこでトルコ風呂業界はどうしたかというと、なんの抵抗もせずにいっせいに看板を下ろした。「ソープランド」と名前を変え、改称後は大きな看板を廃止した。

 四の五の言わない業界の代わり身の速さに驚いた。実をとってウラに潜んだのだろう。話題つくりもできたし・・。意地で抵抗するより実をとる賢さを私は学んだ。

 ※私の俳句(秋)
    ウイグルに続くこの空鰯雲

(付記)この記事にコメントをくださったかたによると、抗議をよこしたのはトルコ大使館ではなく、トルコからの留学生で、それが新聞紙上で論議が巻き起こるきっかけになったそうである。

「団塊の世代」なりに苦労してきたのだ

2017-08-25 20:57:19 | 社会


 私は「団塊の世代」の最後尾につける者である。「団塊の世代」は人数が多く声も大きいから、ものごとが思い通りに行きやすいとか、彼らが老境に至ると年金や医療財政が破綻するとか、「団塊の世代」に対する悪口が絶えない。

 だが「団塊の世代」は他の世代にはない苦労をしてきたのだ。まず小学一年生に入学したとき、教室が足りない。そのため、小学校低学年なのに、午前の部と午後の部に分けられた。小学校一年生が午後の部に行くのはけっこうつらかった。

 受験が大変だった。18歳人口は現在の2倍いた。国公立大学の定員は、そう増えていない。どこの大学の教員も「団塊の世代が一番成績が良く、それ以降、学生の成績が落ちていく」と感じている。そんなの当たり前だ!!定員が決まっているのだから、大きい母集団から採ったほうが成績がよくなるのは必然だ!

 私が医学部の学生のころ、日本全体の医学部定員は一学年当たり4,000人だった。その後、田中角栄の「一県一医大」構想により医大が増えて定員が倍増の8,000人となった。「団塊の世代」は、この定員増の恩恵に浴せなかった。

 18歳人口が多いのだから受験戦争は熾烈を極めた。私もあんなに勉強したことがない。よい経験だったのかもしれない。少々の負担にはへこたれなくなった。予備校のスター講師の林修さんが言っている。「受験で猛烈に苦労しておくことが必要」と。

 ※私の俳句(秋)
    友が持ち来たる新酒と文学論