(北京の三代目(3世代?)カプセルマンション。サーチナより引用。)
小津安二郎の名作と言われる「東京物語」(1953)のリメイクの、山田洋二監督「東京家族」(2013)をテレビで見た。親子夫婦の間柄を描いているようでいて、要するにこの映画はひたすら東京の住宅問題を語っていると思った。
二世帯住宅や三世代同居が理想のように言われる今日だが、やはり若夫婦と親が同じ屋根の下に居るのはまずい。夜の営みさえものすごく気を使って行われなくてはならない。
西洋はプライバシーの考え方が確立していていいなぁと思った人は、隣り近所が疎遠になって近所付き合いさえなくなったと嘆く権利はない。東京のマンションは隣り近所が付き合わなくて済むように造られているからだ。
ご近所付き合いを懐かしむなら、隣りの人が勝手に自宅の冷蔵庫を開けることに耐えなくてはならない。それがイヤなら、東京砂漠に順応するほかはないのだ。
※今日、気にとまった短歌
肉屋逝き八百屋も逝きて魚屋はがん疑わず橋から跳んだ (横浜市)横山美智子