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『日本戦後史論』対談本、内田 樹 X 白井 聡 だが、戦後70年があぶりだされる!

2015-03-16 13:33:04 | グローカルな文化現象

 近代から現代へ、日本史の問題を問う対談集ですね。おおいに対談してほしい。アメリカの属国化した現況の根を見据える必要があるのですよね。日本の知識人がこんな論戦をしていることは面白い。沖縄の歴史の事例を網羅しているかが後は気になるがどうなのだろう?
 アメリカの五一番目の州のリアリティ⇒論文で言及したことがあるので、興味深い。日本の戦後70年の欺瞞が切開されるのはいいと思う。沖縄からの発言がほしい!

日本戦後史論

 

内容紹介

この国はなぜ今、戦争ができる国になりたがっているのか?
右傾化する日本と世界、新米保守という矛盾、領土問題の本質、反知性主義ともいえる現状……。この国が来た道、行く道を、『日本辺境論』『街場の戦争論』などの内田樹氏と『永続敗戦論』で大注目の論客、白井聡氏が縦横無尽に語りつくす。「敗戦の否認」という呪縛や日本人に眠る「自己破壊衝動」など、現代日本に根深く潜む戦後史の問題の本質をえぐりだす。戦後70年の必読書! 


第一章:なぜ今、戦後史を見直すべきなのか
◇戦後史を見直す動きは時代の要請 
◇日本の歪んだ右傾化
◇対米従属が生きる道と信じる人たち
◇日本の近代化が失敗した理由
◇右傾化と金儲けの親和性
◇日本のイデオロギーの特殊性
◇東京オリンピック開催と領土問題という二面性
◇アジアでの敗戦認識が薄い日本人
◇歴史を掘り起こし、新しい言葉を見つけ出すとき

第二章:純化していく永続敗戦レジーム
◇ほんとうの民主主義がない日本
◇なじみやすかった対米従属と対米自立
◇冷戦終了後も対米従属が続くのはなぜか
◇日本全体に蔓延する未熟な「ことなかれ主義」
◇小手先の修理ではどうにもならないほど劣化
◇戦後レジームの脱却=日本を壊す
◇対米従属を強化する美しい国
◇日本人の無自覚な愛と憎しみのねじれ

第三章:否認の呪縛
◇「敗戦の否認」の呪縛
◇「何かの否認」により成り立つ国家
◇エリートたちに眠る内的破壊衝動
◇今、政治学は何ができるのか
◇アメリカの属国だということを、日本人はどれだけ受け止めているか
◇知への反発とオタク文化
◇アジアで孤立化しているように見えるのはなぜか
◇日本にはまだ「負けしろ」が十分ある

第四章:日本人の中にある自滅衝動
◇事実認識を正確にできないようになってしまったのはなぜか
◇極論を楽しんでしまう日本人の気質
◇戦後誰も成し得なかったことをする安倍晋三という人物
◇幼稚な反米主義で帰着する可能性
◇日本で次なる反米ムードは蜂起するか
◇アメリカの五一番目の州のリアリティ
◇欲望の伝わり方
◇歴史的事実の隠蔽の構造
◇「占領時代」を忘却している日本
 

内容(「BOOK」データベースより)

日本人にとって戦後とは何なのか。いま起きている問題の根底にあるものは何か。タブーなしの徹底対談!
 

最も参考になったカスタマーレビュー

139 人中、118人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 宗像太郎 投稿日 2015/3/1
形式: 単行本(ソフトカバー)
1.私は内田樹氏の本はほとんど目を通している。物事を見る新しい視点をいくつも教えてもらったと思い、感謝している。

2.しかし、しだいに作りが雑になってきた。何人ものレビュアーが指摘してるとおり、彼が書いていることの多くは、直観的な洞察である。綿密な事実の調査はもちろん、たまたま自分の洞察の材料になった事例への言及さえ極めてすくない。特に日本の政治や経済に関する言説で、この傾向はしだいに強まっている。

3.新刊の本書も、深層心理的な憶測も含めて、推測に推測を重ね、仮説に仮説を重ねて、脳内で織り上げられた物語である。たしかに興味を引く物語だし、ひょっとしたら正しい洞察なのかもしれないと思う。たとえば、昭和期軍部の壊滅的な惨状は、維新の賊軍組の無意識の復讐だという説を立てている。これは今まで誰からも聞いたことがない説だが、なるほどそうかもしれないと思った。しかし、内田氏は自分の洞察のブリリアントさに自分で陶酔している。その洞察をさらに「本当にそうなのか」と問う姿勢がない。全体としては、もう知的エンターテインメントの領域である。

4.彼があげている数少ない歴史事例の中に、戦後日本の対米従属は、華夷秩序の中で中国に朝貢していたのと同じマインドだという説がある。私の理解するところでは、日本は中国との朝貢的関係(皆無ではないが)は
...
5.内田氏の著作が劣化した原因を列挙してみる。
(1)書きすぎである。ブックファーストの店長の警告に応えて、出版を控えると言明したことがあったはずだが、あれはどうなったのか?必ず売れる著者だから、編集者の要請が絶えないのだろう。世間の義理に振り回されて、劣化した本を出し続けるようなことで、日本の現状を嘆く資格があるのか。
(2)意見の合う人とだけ対談する。同じ組み合わせで何度も対談する。もちろん、これは内田氏だけのことではない。しかし、彼の対談本はお友だち対談の雰囲気がとりわけ強い。お友だちで内閣を構成すると言われた安部首相と似ているのではないか。ある対象を熱烈に批判し続けていると、自分がその対象と同じ欠陥を示すようになると言うが、その実例を見る思いである。白井氏は将来のある物書きだが、年上の悪いおじさんにスポイルされないでほしい。
(3)批判を聞く気はないと公言している。物書きをしているとげっそりするような批判が投げつけられるということは事実だろう。しかし、批判を完全にシャットアウトするのは、思想的物書きとして緩慢な自殺ではないか。

6.無名時代の仕込み、そして洞察力が並外れて優れていたおかげで、実証がほとんどなくても、今まで人気批評家としてやってこれたのだと思う。しかし、仕込みのストックを使い果たして、限界に来ていると思う。ただし、私は内田氏を悪くは思っていない。これまでの学恩に感謝し、これからも時々は新著を覗くつもりである。一冊に一カ所くらいは、興味深い洞察があるだろう。"}">続きを読む ›
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 MIYO 投稿日 2015/3/12
形式: 単行本(ソフトカバー) Amazonで購入
本書によれば、戦後日本はアメリカに統治されながらもしたたかに自分の利益を追求していた
しかし、そのような姿勢がいつしか忘れ去られ、いつの間にかアメリカに従うことが目的となってしまっているのが今の日本
冷戦時代はアメリカの国益と日本の国益は一致していたが(ソ連という共通の敵がいたため)冷戦崩壊後はアメリカの国益と
日本の国益は必ずしも一致するものではなくなってしまった
中国との領土問題などでもアメリカは微妙な姿勢をとりつづけているが、これはその典型(中国を敵にまわすメリットがアメリカにないため)
アメリカにあまりにもひどく負けたために、次は勝つという姿勢(できるかどうかは別にして)をとらないため、戦争の敗因の自己分析ができず
ひたすら盲従するだけになってしまったのだという指摘は重要だと思いました
日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのかという本とあわせて読むと日本とアメリカの歪んだ関係がより理解できると思います
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 ボス 投稿日 2015/3/12
形式: 単行本(ソフトカバー)
タバコ事件で日比谷を退学させられたが大検で東大に入りあの時期に真面目?に卒業した内田さんであり根っからは信頼できないがあの時期を知らない若い人たちは全共闘も民青もべ平連もその他も区別できないのよりましだ。内田さんらの対談はきわめて常識的。例えば原発は低コストだと信じている若者いるらしいが笑止。福島原発の廃炉作業に携わっている労働者を崇高だと言うなよ。危険を十分おしえられないまま働いている人たち7000人のなかには震災で失業し家を奪われ生き延びた家族を養うためにやむを得ず被曝してでも働いている。いまだに低コストだと信じているなんて無神経。廃炉に何十年もかかる上…あとは自分で勉強してください。内田はいい加減なところのある男だが首肯する論点は多いです。安倍首相やそのオトモダチとの隠蔽と欺瞞が我が国を破滅させる予感はある。若者がじいさんばあさんになるその先々まで考えて今取り組む課題山盛りです。この対談を批判的でもいいから読み込みスタートにしてください。(口が裂けてもいいたくないが誠に失礼ながら安倍首相にはお子さんがいないから暴走していられるかも)
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52 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 中西良太 / Ryota Nakanishi トップ500レビュアー 投稿日 2015/2/28
形式: 単行本(ソフトカバー)
戦後70年の総括をする良い機会なので購入しましたよ。アマゾン日本の政治部門べストセラー達成おめでとうございます^o^

反米主義も反知性主義も批判している知性溢れる本書で、最も感銘を受けた箇所をご紹介します。例えば、日本の戦後70年は、対米従属を通した対米自立の路線であったという論点です。これは、孫崎さんの戦後史観と微妙に強調点が異なります。戦後の外交姿勢の形成期は、1942年のミッドウェー海戦敗北時にすでに吉田茂と木戸幸一内大臣に依って講和が秘密裏に模索され始めた時期にまで歴史的に遡れます。また、それはその時点では条件付きで正しい政策であり、日本の犠牲者の9割を防ぐことができたはずです。そして、日本の本当の愛国者ならば、米国に次に勝つにはどうすれば良いかを考え、敗戦の原因を徹底研究するのが正道です。ところが戦後の政治は、対米従属という形式で対米自立を模索する歪な総路線に堕落させられて、思考停止してしまったのです。

本書は、戦後史を知的内面から探求するものであり、対談の採録形式です。内田さんと白井さんは互いに双方の研究成果や諸論点を共有されているようで、実に見事な論議の統一性が終始維持されていてとても知的です。

内田さん;『次にアメリカに勝つ』為にはどうすればいいのか。そこから、戦後の思考は始まるべきだったと思います。
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この論点は、文字通りに、今の日本の外交戦略の問題点に鋭く論及しています。極めて重要なご指摘です。本書は、このような政治学的に肝要且つ秀逸な諸論点に富んでいます。内田さん;『次にアメリカに勝つ』為にはどうすればいいのか。そこから、戦後の思考は始まるべきだったと思います。(中略)そうして緻密に敗因を分析した結果、『次にアメリカと戦争をしても必ず負ける』ということが分かり、『アメリカに二度と負けない為には日米同盟しかない』という結論が出てくるのなら、それはそれでよいのです。(中略)でも、今の日本の政治家でも、官僚でも、政治学者でも、『日米同盟以外の外交戦略はあり得るか?』という問いを自分に向けている人は一人もおりません。(本書、pp.31-35)

この論点は、文字通りに、今の日本の外交戦略の問題点に鋭く論及しています。極めて重要なご指摘です。本書は、このような政治学的に肝要且つ秀逸な諸論点に富んでいます。

全日本国民の必読書です^o^"}">続きを読む ›

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