志情(しなさき)の海へ

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白鷺さんから黒鷺さんへ (III)

2011-12-06 21:53:15 | 詩、詩集
                   (空へ、影と共に)

    ≪白鷺さんから黒鷺さんへ (III)≫

闇を生きるのはつらいけれど、でも翼がある限り
 見えない空を飛んでいける!

  見えない翼で見えない翼を抱きしめて飛べると
   時の刃に耐えていたけれども
    でも差し伸べられる翼は遠かった

     一人一人と宙に吸い込まれていくのを見るのが
    つらくて、生きている刹那を求め続けたのだけれども
   見えない翼は見えないままで
  見える翼を求めて飛びたくなる
 気がつくと翼がそこに見えた

   必死に伸ばしている翼があって、その翼をつかみたいと


     時は待ってはくれない。翼を必死に伸ばそうとする
      その白鷺さんの翼と並んで宙をゆるぎなく飛びまわる夢


       いつまでたっても見えない翼を見えないままに飛ぶことの
        虚しさはもういいーー!

       虚を抱いて飛ぶ空はむなしい!
      でも、向けられた眼差しに眼差しで返したい、それが
     明日のなにかなのかもしれない
      黒鷺さんの
       絶望的な眼
         翼で包む

          生きてる
           生きている
            生きている
             生きている
               嘘を生きている
             嘘のない時空に
            飛ぶ


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