散文詩である。鎌倉の海岸に流れ着いた漂流物を黒白の写真に撮って、そしてことばが飛翔する詩編だ。写真と散文詩の詩集を出したい、と思い続けているゆえに、先を越されていると単純に思った。2011年3月11日から一年半後に発行されている。モノクロの写真もいい。漂流物に名前を与えることができる。ことばによって再生される物たち、波打ち際で生まれた連作。「ここは現実が幻に見え、幻が現実に見えるところ」なるほど、浜辺を、川べりを歩くのが好きだ。そこで撮った写真も多い。まとめてみたい。写真と散文詩。冊子の形態を考えてみよう。
花椿賞これまでの受賞者と受賞詩
第1回 安西 均『暗喩の夏』 | 第21回 野村 喜和夫『ニューインスピレーション』 |
第2回 吉増 剛造『オシリス、石ノ神』 | 第22回 八木 忠栄『雲の縁側』 |
第3回 谷川 俊太郎『よしなしうた』 | 第23回 藤井 貞和『神の子犬』 |
第4回 嵯峨 信之『土地の名~人間の名』 | 第24回 辻井 喬『鷲がいて』 |
第5回 木坂 涼『ツッツッと』 | 第25回 新川 和江『記憶する水』 |
第6回 安藤 元雄『夜の音』 | 第26回 奥田 春美『かめれおんの時間』 |
第7回 大岡 信『故郷の水へのメッセージ』 | 第27回 岩成 達也『みどり、その日々を過ぎて。』 |
第8回 高橋 順子『幸福な葉っぱ』 | 第28回 有働 薫『幻影の足』 |
第9回 稲川 方人『2000光年のコノテーション』 | 第29回 季村 敏夫『ノミトビヒヨシマルの独言』 |
第10回 財部 鳥子『中庭幻灯片』 | 第30回 城戸 朱理『漂流物』 |
第11回 高橋 睦郎『旅の絵』 | 第31回 藤原 安紀子『ア ナザ ミミクリ』 |
第12回 入沢 康夫『漂ふ舟』 | |
第13回 八木 幹夫『野菜畑のソクラテス』 | |
第14回 辻 征夫『俳諧辻詩集』 | |
第15回 小池 昌代『永遠に来ないバス』 | |
第16回 多田 智満子『川のほとりに』 | |
第17回 池井 昌樹『月下の一群』 | |
第18回 山崎 るり子『だいどころ』 | |
第19回 高貝 弘也『再生する光』 | |
第20回 清岡 卓行『一瞬』 |