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沖縄芝居も後継者危機?ゆえに、結成してわずか6年間の「沖縄芝居研究会」が琉球新報活動賞‼️

2019-03-05 20:57:33 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

                 (琉球新報3月1日)

沖縄芸能界の異変なのか、大改革なのか、沖縄タイムス演劇・映像部門の芸術選賞大賞が30代、そして、新報活動賞も30代から20代の面々である❗️40代から60代はどうしたの?

時代から見捨てられる芸能達者な方々がいるということを示している。

時代の変化である。沖縄芸術大学の誕生は、この間の俗世を覆し、あっという間に沖縄の芸能エリート階層を次々世に産出している。

大学のシステムで芸能教育を受けた者たち、あるいは国のお墨付きの研修制度で、レッスンプロを越えた芸能プロがその技量を発揮できる仕組にそって舞台公演の波に乗るようになってきている。(最もレッスンプロも厳しい昨今と聞く)しかし、キャパが小さいゆえに、二足のわらじを履きながら時の波間で輝いているのが大方だろうか。

舞踊家や組踊伝承者、沖縄芝居役者、琉球古典音楽演唱家、琉球民謡唄者として、生計を立てることは難しい。

この間、独自に劇団を持ち活動を続けてきた役者の皆さんを押し退けて、伊良波さゆきさん代表の組織「沖縄芝居研究会」(この間の公演は数回ほど)が受賞したことは、「沖縄芝居の命をつないでいく事」の厳しさを伝えているようだ。

メディアが時の感性をキャッチした応援歌がこの賞だと受け取ったが、しかし、例えば、1700万円の助成金を獲得して、「国立劇場おきなわ」の舞台よりも面白味い「首里城明け渡し」を舞台化した社団法人「俳優協会」は、メディアから無視されたのである。実際国立劇場おきなわの「首里城明け渡し」よりはるかにいい舞台だった。しかし、メディアが注目するのは、芸大+国立劇場のきらきら星たちの傾向が強い。

今回、役者の数も「沖縄芝居研究会」よりはるかに多く、経験も豊潤で、大作にも挑んできた俳優協会は、無視された。

なぜか?新聞社の企画(新ホールオープニング公演)に協力し琉球歌劇公演を手際よくこなしたプロデュース公演が記憶に新しい。「国立劇場おきなわ」の芸術監督や組踊伝承者を巻き込んだ数人の「沖縄芝居研究会」に、あえてスポットを当てた琉球新報のこの活動賞は、30代の芸能者に、大賞を授与する沖縄タイムスの傾向と変わらない。大賞の嘉数道彦さんは、「沖縄芝居研究会」でも主役の客演故である。

30代の活躍に拍手喝采する一方で、これは芸能ポリティクスのニューリベラリズムの潮流に他ならない、つまり、流行りのポピュリズムではないのかと思い至った。

新聞メディアも、選者の意識も、能力主義、実力主義、時流の市場主義に囚われていることを示している。それも仕立てることが可能だ。

豊富な公演機会(経験)とシステム(広報の応援を含め)を与えることによって、複数の嘉数道彦や複数の伊良波さゆき的な実演家は誕生していくに違いない。

新奇さがないと、メディアが熱線を浴びせる事がなかった、落ちこぼれた、しかし、いい舞台作品を上演してきた芸能者たちが存在する。

彼らの40年、50年は無駄な活動だったのか?

ポピュリズムに乗ってメディアが芸能文化をマニピユレイト(操作)し、一つの方向へプロパガンダする傾向には危惧を覚える。

30代が、50代、60代に指導する事になる沖縄伝統芸能だろうか⁉️

芸能精進には年代は無縁と言えるのだろうか?30代の無形文化財「琉球歌劇保持者」が誕生することになるのかもしれない沖縄の表層(潮流)である。

先日、いい創作芝居を上演してきた方から電話をいただいた。「70代半ばから80代が多い琉球歌劇保持者の次はいないですよ。保存会はあぶないですね」と。「30代が輝いていますね」と話すと、「69歳の僕らが彼らから教えを受けることになるのか」と自嘲気味に話された。とかく舞台公演は資金がかかる中でいい作品を上演することはたいへんに違いない。県による助成のかりゆし公演などもあるが、90分枠で骨太の史劇や名作歌劇などは厳しい。社団法人の俳優協会など、もっと踏ん張っていい舞台を上演し続けてほしいものだ。時代劇や史劇、戦後できた創作作品もけっこう再演されないままに残されている。

三大歌劇を凌駕する新しい歌劇作品を創作したいものだ。


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