いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国家危機と内閣。 state crisis and the cabinet

2020-05-07 20:39:40 | 日記
 (1)新型ウイルス対策を巡って安倍首相、政府の評判がすこぶる悪い。報道でも「響かぬ首相会見。棒読み、対話姿勢薄く」と司令塔不在を指摘している。安倍首相が記者会見で前を見て話をしないのは、左右のプロンプター(透明画面原稿)を見て話をするからだと解説している。

 政治家の演説のうまい、下手はあるし、演説がうまいから政治、政策がいいとかうまく機能するわけでもなく、特に日本の歴代の政治指導者の場合話し下手、演説下手は多く、日本人特有ともいえる素養、国民性があるのかもしれない。

 (2)強い米国のケネディ元大統領は、国家が国民に何をするのかではなく、国民が国家に何ができるのかを問うてほしいと語りかけたが、もしこれを安倍首相が言ったら責任放棄、転嫁の逃避として批判大炎上することは間違いない。

 政治指導者と国民の信頼、期待、支持、理解の大きさがあっての国民が国家に何が出来るのかの問いかけであり、民主主義、自由主義国家論の本質論でもある。

 (3)安倍首相も批判、問題を指摘されながら内閣支持率は比較安定した数字を残しており、世論調査では他にまかせられる人がいないからが支持の中心ではあるが、そういう日本の政治状況、事情が背景にある。

 国家危機(state crisis)に直面すれば内閣支持率は上昇するのが通例だが、新型ウイルス感染流行拡大を受けての世論調査では安倍政権の内閣支持率は上昇せずに異例の形となった。

 (4)新型ウイルス感染流行拡大を受けて司令塔不在を書いたが、政府が当初地域指定の緊急事態宣言をすれば対象から外れた自治体では独自の同宣言をして、今回安倍首相が緊急事態宣言の延長を決定すれば大阪府が自粛解除独自基準を示し、東京都は経済活動再開の出口戦略ロードマップを近く策定する方針を独自で示すなど緊急事態での国、自治体でバラバラの対策の足並みが揃わないわかりにくさだ。

 (5)新型ウイルスの政府の対策が後手後手に回り、あるいは一度決めたものを取り消して当初から言われていたものを復活させるなど対策方針が定まらずにフラフラし、感染流行拡大の収束がみえずに安倍政権への不満、批判、不信が募っている。

 しかし、だ。国家危機に直面しては国民は政府と一体となって国民が国家に何が出来るのか考えて協力して内閣支持率を上げるものであり、ここはしがらみを越えて感染阻止のためにひととき安倍政権を支えていくしかない。

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