例によってFFTライブラリのチューニング。
今日は、前に作った表計算ソフト用のFFTシートを
ちょこっと作り直して、128個の実数を2組同時に
FFT掛けちゃうとどうなるか…っていうシミュレート。
2つの実数データの組(128個×2組)を、片方を実数データ
として、もう片方を虚数データとして入力しFFTを掛け、
出力データを偶関数・奇関数の性質をうまく使うと
分離できるっていうあれ。
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ooura/fftman/ftmn2_1.html#sec2_1
で、これを愚直に表計算シートに反映していきたいところ
なんだけど、最初で躓く…。
データ数が128点なら、N=128ってこと。それなのに、
データは0~127の計128個。/A(N-k)なら最初の要素は
/A(128)だから、129番目の要素ってことになっちゃう
ジャン!
まぁ、入力するデータは循環していることというのが
FFTの大前提だから、ちょっと考えればすぐに答えは
わかるんだけど、オイラ的にはどこかに何かちゃんと
書いてないかな…って思って探してみる。あった↓。
http://homepage2.nifty.com/m_kamada/math/fftmul.htm#parallelfft
ここの(m=0のとき…)という件。
添え字Nのデータと添え字0のデータは一緒ってこと。
やっぱね。
ということで、表計算シートのFFTに加味してみる。
早速いくつかの波形を入力してみると… やっぱり
ちゃんと2つの波形の周波数成分に分離できる。ok!
さて、それが出来たところで何を確認したいのかって
いうと…
実数側と虚数側にどんな波形を入れた場合、丁度山と
山がかち合って、レンジが広がっちゃうのかってこと。
さすがに周波数があまりに違っちゃってるとかち合わ
無いのは想像できるんだけど、同じ周波数のデータを
ためしに入れてみると… 普通に計算できちゃう…。
うーん。位相を90度ずらしてみる…。出た。
どうやら位相を90度ずらしてみる(sinとcosとか)と、
計算途中の数値に実数側、虚数側それぞれに入力した
データが丁度ぶつかってしまうっぽい。
その点だけ気をつけておけば、まぁ今回の用途では
実用上問題無さそう。
で、イザぶつかっちゃった場合の対処方法(処理方法)
なんだけど、とりあえずレンジを越えた分は
「一定のレンジに圧縮しちゃう」
っていう無理やりな方法にしたいんだけど、例によって
数値計算の誤差で問題になるのは「差を取る時」
なので、FFT結果から実数側・虚数側に分離するときに
誤差を拡大してしまう恐れがあるわけ。
で、そういう処理をさせてみた場合を表計算上で
シミュレートしてみると… まぁ、それなりに
大丈夫っぽい答えが出てきた。よし、よし。
例の出力レンジを広げる(S/N比やダイナミックレンジを
もうちょっと広げたい)っていう話と絡めて、破綻しない
方法に落とし込んで行きたい所。
そこまで出来ればカスタマイズ版のFFTライブラリと
してはバッチリって感じじゃぁないかなぁと。
こうやって2つのデータ群をいっぺんにFFT掛けられちゃう
なら、128点FFT(1回あたり約62000クロック)でも4弦を
4chのまま取り込むことが出来るし、なにより2ch同時だから
2回のFFT計算でok。
計算上は1秒間に130回近く処理できるはず。まぁ、2chに
分離する処理とか、そのほかメインルーチン側の処理など
もアレコレあるので、実際は100回程度かな。
それでも遅延は1/100秒程度と考えれば、せいぜい3m先
まで手を伸ばして弾いている感覚。怪物くんウクレレ
とまでは行かないんじゃないかな。
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