この像が正確であるならば、ずいぶん清楚で知的な印象ではないか。
何人ものオトコを手玉にとって運命を狂わせた妖婦のようには見えない。
実際は、教養が深く魅力的な女性だったという意見があるが、こちらの方が本当かもしれない。
テレビの番組では、エジプトの女王であった時、ある生き物を国外に持ち出すことを禁止したという、この生き物は農作業にとって大変に重要な手助けをしてくれる、それは何か。
いくつか解答があった、それはネコではないか、蚕では、いやモグラ、ネコはネズミを駆除してくれる、蚕は絹を生産してくれる、モグラは地面の中に穴を通して通気性を高めてくれるのではないか。
答えは、なんと「ミミズ」、ミミズは土壌を豊かにする畑にとっての宝物、これをエジプトから持ち出すことを禁止する、クレオパトラが命令したというのだ。
こんなことまでアタマが働くとはフツーの女王ではない、あのシーザーが愛するというのも分かる。
シーザーは単なる政治家・軍人ではなく、「ガリア戦記」も執筆しており、これはラテン文学の名著である。
銀座のクラブに招待されたことがあるが、十数人のホステスの中で一番人気のあるのはそれほど美人ではなかった、温かみがありアタマのいい会話の妙手。
楽しい気分にさせ飽きさせない、これにある種の女性の持つ「アイディアやインスピレーションを与える能力」があれば文句がない。
それこそが、ビジネスや政治の局面で、神秘的なヒントを生み出してくれる。
Cleopatraには、そんな魅力があったのではあるまいか。