日曜の夜、「みをつくし料理帖」をやっていた、大坂の女料理人が江戸に来て活躍するドラマ、江戸の街や吉原の雰囲気が出ていた、それと、登場人物のやさしさ・つつましさ・けなげさ、正直に懸命に生きている、さらにヒロインが美しい、こんなになってしまった日本人に、
「かつての日本には、こういう人々がいたんだね」
きっと、この国を観光中の外国人の中にも見た人がいるだろう、台湾の女の子たちは、
「ピヤオリャン」
「これがニホンなのね」
「やっぱりニッポンはすばらしい」
何度も来ている台湾人女性、
「新しいものを追及しているのに、古いものも大切にしている、そんな日本を、私は尊敬しています」
白人の若者グループもボタンを押す、ひとりカタコトのできるのがいる、
「これ、エド・ピリアドね」
「このヒト、ウキヨエ、ウキヨエがうごくのね」
つきとばされてヒロインのスソが乱れ、白い足がチラリ、
「ううう」
「ジョン、おまえ、なにした」
「ソーリー」
発射してしまったのだ、なにしろ若さの盛りである、この辺は「Youは何しにニッポンへ」では触れないトコロだろう。
八歳の時に別れたおさな馴染みに面会することを吉原の忘八(経営者)に頼むのだが、断られる、だが、こっそりと手配する、花魁(おいらん)たちのお稲荷さんへの行列の途中、ヒロインの澪は水色の幕で囲まれる、その中で、苦界に身を落としたおさな馴染みと出会う、一瞬の面会である、なんてシャレたシーンじゃあないか、
「ジョン、泣いているのか」
「うっうっうっー」
「おまえは、上と下からこぼすんだな」
この作者、どの程度、あの世界を知っているのか、私のおばは花柳界の出身で、幼い私は、あの世界の冷血と間さを。身をもって体験している、とても、あんなものでは・・・
それはそれとして、久しぶりにいいものを見た、むらさきの雲のたなびく大江戸の夢を楽しむことができた。