明治神宮の休息室に20人ほどの女性たち、地方からの参拝客だろう、肥(ふと)ったリーダーが、
「ワタシなんか」
「・・・」
「タクワンひときれで ゴハンいちぜん 食べちゃうんだからね」
これが、オトナの言うことか、実話である、20人がフンフンと頷(うなず)いている、東京だってたいしたことはない、だが、ニッポンの地方はどうなっているんだ、20人はずいぶん長くいたので、外国のお客さんの座る場所がなかった、それにしてもなんというレベルか、
「人間のカオしているのが フシギなくらいよ」
ユング心理学者の言葉が思い出される。
ところで、昨年の8月27日と28日に「原宿表参道元気祭」、一昨年までは「原宿よさこい祭り」だった、地方からのグループが何十組、カラフルな衣装・統制のとれた踊り、dynamicで迫力のあるパフォーマンスだ、しかし、
「なにかが 欠けている」
それは、
「知力とはいわないが」
なんて言ったらいいか、
「外国人観光客が 当りまえに持っているセンス」
それは、
1、個人の自覚
2、やわらかな感性
3、為替レートの理解
4、中東情勢への関心
5、客観的態度と論理的思考力
外国を一人で旅行する際に、当然、身につけているもので、また、身について行くもの、先祖が牧畜や遊牧生活をしていた彼らには遺伝子に組みこまれているのかもしれない。
それに対して、暗く閉ざされた上下の人間関係が支配的な village community(村落共同体)、その中で生活しなければならなかったこの国の人々には、身につかなかったセンスかもしれない。