The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

ほらふきどんどん 18

2020-07-24 10:08:22 | 世界経済


 少年時代の一時期を過ごしたあの大寺で、東大の学生がひと夏をすごしたことがある。

 夕方には,御前(ごぜん)さまの晩酌の相手をしていた、ある時、
 「ここの食事は ひどいからね」
 そう言って、雪印の6Pチーズをくれた、その味がしみた、それと、ペンシル型の懐中電灯、これがうらやましかった、それは、夜でも買い物を命じられるからで、玄関までは甲斐イヌの老犬が見送ってくれる、
 「おまえは ここまでなんだね」
 「ワン」 

 帰ってくると、またお使い、おもわず、
 「お店はとなりなのだから なぜ一度にしてくれないんだ」
 すると、
 「それもこれも おまえの修行のためなんだよ」
 そう言って、一升トックリを引ったくり、
 「グビグビグビ」 
 ひとさしユビでクチビルをおさえ、
 「御前さまには ナイショだよ」

 そんな大人たちの間で、その若者はさわやかであった、
 「その後 どうしたんだろう」



 

 

ほらふきどんどん 17

2020-07-24 10:08:22 | 世界経済
 

 山本玄峰老師の寺の一室で学生が静養していた、ある日、境内を散策していると、向こうから老師がやって来て跪(ひざまず)いた、学生のクツのヒモがほどけていたのだ、学生は、じっとしている、下から老師がフシギそうな顔で見上げる、
 「名シーンだ」

 あの戦争をおさめた名僧、三界の大導師、ふつうならビビってしまう、この若者、これっぽっちの動揺もない、
 「何十年も修行した僧侶以上だ」
 あとで、
 「あなたは おかあさんに感謝しなければいけませんよ」

 この若者が坐禅をしたいと言うと、
 「あなたのような善人は 坐禅する必要はありません」

 かっては、こういう日本人がいたのだ。