あのK君に、
「ウソドンは どうして紹介したんだろう」
禅宗の老僧・ホラフキドンドンをである、バツグンのK君、
「つなぎじゃあないのかな」
「・・・」
「ああいう人間は そういうことだけは長(た)けている」
「利用されたのか」
「ああ 魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界だからね」
「そうかもしれないな」
「ウソドンにしても 寺仲間との関係を持続しておく必要がある」
「ホラドンは 老後の話し相手 ちょっと骨のあるのがほしい」
「そんなところなのかもしれないね」
わたしは、ちょっとしたエピソードを推理してもらった、
「とつぜん ウソドンから電話
論文をひとつ書いてみないか
なにかおかしい そこで調べてみると ウソドンが属しているグループで論文集を出しているのだが ウソドンはこの10年 ひとつもない そこで
君はいいことを言うが 何の業績もないではないか
そろそろ発表したらどうだ
ウソドン すこしもあわてず
今 ふたつたのまれているんです
今回は若手に たのんでみたらどうでしょ」
「そこで オハチがまわってきた」
「やるねえー それが ウソドンの『随所に主となる』か たんなる要領の良さだろうが」