風さんを発見したIさんが来てくださったのは、何よりでした。
詳しい状況が分からないまま、いろいろなことを想像するのは
ろみさんにとって、とても辛いこと。
Iさんの話で、遭難した時の状況を知ることができました。
でも、それを冷静に受け止める為には、
半年もの時間が必要だったのかもしれません。
伊那谷を、そして、遥か彼方の南アルプスの峰々を見下ろす崖のふちに、
小さなケルンが積まれました。
*** 8/6の記事をご覧下さい ***
「風」という文字を石に書く、ろみさん・・・
書き終わると、顔を覆い、大声で泣き出しました。
晴れわたった空の下、子どものように泣き叫ぶ・・・
そう出来るのは、幸せなことなのかも知れません。
泣きたいだけ、泣けばいい・・・
みな、想いは同じだったのでしょう。
私たちは、黙ってそこに立ち尽くしていました。
顔を上げると、谷から、雲がゆらゆらと湧き上がり、
内からの輝きを持った、光に包まれた空間が拡がります。
どこまでも明るく、希望に充ちていて、
微笑みながら、私たちを温かく包み込むように見えました。
心の奥深くから、不思議な幸福感が湧きでてきます。
満ち足りた安らぎ・・・
それは、私たちが命を授かり、やがて還っていく世界。
風さんは、決して、絶望と寒さのなかで亡くなったのではなく
「よく長い間頑張って生きてきたね」と温かく抱きしめられながら
明るく輝く光に向かって、足を踏み出したのですね。
***** 下の写真は、ろみさんのをお借りしました *****
さあ、おにぎりを食べようね!
生きているとお腹も空くんです・・・・
宿が持たせてくれた大きなおにぎり2個をほおばります。
山の上では、たくさんの言葉は必要ありません。
言葉が少なくなった分だけ、
普段眠っていた五感が研ぎ澄まされていくような気がします。
遠くの山にかかる積乱雲。
素晴らしい天気に恵まれた午前中・・・
山の天気は変わりやすく、そろそろ下山の支度をしなければなりません。
ここで、宝剣岳の頂上を経て、千畳敷に下りるIさんと
お別れすることになりました。
私たちのために来てくださり、本当に有難うございました。
下りは、上りよりも、足元に気をつけなければなりません。
急な下りをどんどん下りて、
千畳敷のロープウェイのアナウンスの声が耳に入る所まできました。
雷雨警報がでているので、なるべく早い下山を呼びかけています。
千畳敷駅は、人で溢れていました。
ほんの僅かな時間ですが、千畳敷の花畑に行ってみました。
ここは、ロープウェイに乗りさえすれば、誰にでも簡単に行けます。
たくさんの高山植物が咲いています。
ここにも、時々ガスがかかり始めていました。
マップ
***** 次は高山植物をUPします *****