ツルの日記

38歳からはじめたバレエ。49歳の今年はポワントでバリエーションを踊り動画アップがノルマです

映画 FUEL http://www.thefuelfilm.com/

2011年03月17日 | Diary
福島原発のニュースをみていて思い出したのがFUELという映画です。

先月たまたま松嶋×町山未公開映画をみるTVで後半だけみました。ちょうど藻から製造したバイオ燃料の部分で「こんな分野があるんだ」とおどろきました(参考:エネルギー研究会 藻類からのバイオ燃料生産 http://www.sce-net.jp/enrgypdf/bioalga.pdf)そこで最後に紹介された未来の都市で屋上をすべて緑化し、高層ビルのような建造物で5万人分の作物や野菜を生産し地産地消のクリーンで持続可能な社会を実現するというすばらしいイメージがでていました。それでネットで探したらなんと全編ありました。


http://topdocumentaryfilms.com/fuel/


この映画はJosh Tickelという人が11年かけて制作したドキュメンタリー映画です。彼は石油メジャーの精製プラントが集中しているルイジアナで精製所周辺の環境汚染を目の当たりにして育ちました。そして米国の大型車のクルマ社会が安い石油輸入に依存しガソリンを大量に消費していることに疑問をいだきクリーンで持続可能なバイオ燃料を追求していきます。

その過程で発明当時(1900年頃)のディーゼルエンジンはピーナッツオイルが燃料だったことやフォードの初期の大衆車であるT型フォードもエタノールだったけれどロックフェラーのスタンダードオイルが石油から軽油を精製しクルマの燃料としたことなどが取り上げられています。ディーゼルエンジンはそれ以前の蒸気機関と比較して効率が非常によかったのです。

映画ではハイブリッド車や電気自動車にも触れていますけれどもバイオ燃料の良い点は既存のディーゼル車にそのまま使用できるという点です。ただしトウモロコシや大豆を原料としたエタノールはのちに「環境破壊」としていったんは壊滅状態になりました。

アメリカはずっと石油中心だったのが1973年の第1次石油危機のときカーター政権がエネルギー省を設置して太陽エネルギーの比率を25%まで引き上げることや前述の藻など食物栽培に適さない環境で栽培可能なバイオ燃料の原料の研究などをすすめました。

しかしその後はレーガン、ブッシュ(テキサス出身)政権と石油輸入の依存を高め1991年3月にはイラクの油田とパイプライン計画をチェイニーと米石油メジャーで検討していたこと、9.11後も2007年には原油高で石油各社は最高益を記録したことなどが語られます。アイゼンハワー大統領が退任演説で軍産複合体を指摘したエピソードが入ったりもしています。

それに対して2020年に脱石油を目指すスウェーデン(http://en.wikipedia.org/wiki/Making_Sweden_an_Oil-Free_Society)、バイオ燃料の利用がすすんでいるドイツがでてきます(現在は課税で厳しい状況のようです)

最後にバイオディーゼル、バイオマス、風力、太陽光、ハイブリッド車、公共交通、省エネを組み合わせたモデル図がでてきて子供たちにどのような地球を残すのか、そのためには政治を動かすことも含めて個人ひとりひとりができることをしなければならないという結論でした。M.ガンジーのWhen the people lead, the leaders will followが引用されていました。


日本の原子力発電も50年、世界の人口も爆発的に増え、中国や新興国の電力需要、食料需要が増大する中でどうすしていくのか、この映画のように多角的に考える必要がありそうです。
コメント
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