ワタシがバレエに興味を持ったもともとのきっかけは30半ばすぎにジムでラテンエアロを習ってかんたんなジャズダンスの振り付けのラテン版を踊っていたときに「上手いな」と思う人に聞いてみたらみなさんバレエを習っていた(ことがある)からです(今思えばみなさんインストラクターレベルの方でした)習っていなかったワタシは腕を上げても高さは一定しませんでしたし軸がありませんでした。そしてジムのバレエに出てみたときなど普通の人がきちんと1番で立っているのを見て「バレエの型っていいな」と思ったのでした。じつは一応小学生時代に東京文化会館で「くるみ割人形」をみたり、卒業旅行ではパリオペラ座の安い席でバレエをみたり、新婚時代にもシドニーのオペラハウスでバレエを選んで行ったのに何の演目だったかか記憶にないので自分が踊るようになってはじめてバレエの面白さを発見したことになります。
クラッシックバレエには型の芸術です。1番から5番まであるバレエの基本ポジションはまさにバレエテクニックの根幹で腕やアシは基本のポジションを通ってうごかします。基本のポジションは10歳前後の子供が上級・プロを目指す場合1年ぐらいで身につけるべき事項です。そのくらいの年齢なら靱帯が訓練でのびる時期なのでもとの骨格が完全にバレエ向きではなくても訓練と努力次第でできるようになる場合もあります。おとなのバレエではワタシのようにそもそもバレエ向きの身体資質に恵まれていない人もレッスンを受けます。成人では靱帯がのびませんし年齢が上がれば上がるほどそれまでのうん十年に渡る生活の中でみについたカラダのクセが阻害要因となり骨盤の前側を上げて尾骨を下に向けて背骨を頚椎までできるだけまっすぐになるように引きのばして股関節からアシを開いてつかえるようになるにはO脚の筋肉バランスを矯正したり首や肩まわりの固まってしまった筋肉をほぐしたりする必要があるので余計な手間と時間(年数)がかかります。
先月ふくらはぎの肉離れになる直前、ターンアウトの変更に付随してO脚の筋肉バランス矯正とそのほかの課題も並行して変更していたんですけれど念願の「ポワントでピルエット」が「ターンアウトして腰を上げた状態のプレパレーションからココまで飛び上がって立てれば」できるようになるポイントがちょうど見えてきたところだったんです。そのほか昨年夏ぐらいからはじめて今年のはじめになってもできなかったブリゼが5番が集まるようになってきたら急にできるようになったりしたので「もっと5番が集まればもっと踊りやすくなるかも」ということでこれまでやったことがないような格好で夜中に静的ストレッチをしたりと来年ポワントでバリエーションを踊ろうと意気込んではりきりすぎていました。今年の1月頃アシのストレッチをしていたら足首が「バキバキッ」と鳴ったりしてさすがに「こんなに変わるとコワイので気をつけないと」と思いながらその後足首のチカラが抜けてスモールジャンプのときのチカラの向きが変わったりとやっぱりバレエの基本姿勢の精度が上がれば上がるほどしぜんにバレエらしくなってくるので面白くてしかたなかったというのもあります。
昨年はじめから細かい筋肉やカラダの使い方を習ってからちょうど1年前の今頃骨盤の前傾があるときとつぜんうごき始めていまは骨盤の前側を上げて尾骨を下に向けて腰をあげられるようになりました。つぎにO脚の筋肉バランスを変更したら足裏の3点が機能するようになりターンアウトの角度もひろくなりました。180度のターンアウトからは程とおいものの昨年までよりよく機能するようになりました。
大人のバレエでは「ターンアウトは無理せずできるところで」ということですけれどターンアウトの角度が今年に入って広がってわかったのはやはり横からみたときにまっすぐなラインに近づけば近づくほど(ワタシはほど遠いですが)股関節とヒザ関節と足関節をテコやバネみたいにつかうときに物理的にやりやすくなるということです。それから骨盤をできるだけまっすぐにしてターンアウトの角度が広がってアシをのばして使えるようになると巻ききることで安定性というかしっかり固定されるようになることです。
それにより初心者時代から先生方のレッスン中の全体にたいしての説明や注意、個別に注意されたこと、また自分で読んだ本で知っていたことでできていると思っていたことが違っていたり、ようやくできるようになってきたりしています。たとえば「カタチを作るな」、「つま先重心」や「みぞおちを出さない」などです。先月ツイッターにこれまでのバレエの経過についてメモとしていろいろツイートして思い出したんですが、運動神経がよいとはいえないまでも20代のおわりから30歳まではかなりハードなエアロビクスの上級もやっていましたから平均値ぐらいはありました。その後もバレエ(ポワント含)と並行してショーダンスを8cmのピンヒールで踊ってやアフロ系の民族舞踊も裸足で習っていたこともあり筋力はバレエを習いはじめた40前にくらべると今のほうがあるぐらいです。それでも昨年骨盤の前傾がまっすぐになりはじめて腹筋から足裏、床までチカラがムダなく伝わるようになったら生活の質が変わるぐらいの大きな変化で感激しました。
折しも体幹の重要性が健康・運動分野だけでなく、テレビや新聞、雑誌その他でひろく取り上げられている時期でもあり股関節と足裏を同時につかって訓練するというバレエのエクササイズ効果の側面がもっと評価されてもいいのではと思いました。
骨や筋肉の基本構造と動く仕組みは関節の角度や靱帯の長さがバレエ向きかどうかは別にして誰でもだいたい同じなのでバレエでつかう筋肉を動かせれば精度や見た目はともかくバレエのしくみを使えるはずではあるんです。でも実際には大人のバレエでは子供時代からバレエをやっている人以外ではあまり見かけません。ワタシより柔軟性や骨格がバレエ向きの人も少なくないにもかかわらずです。ですから「なぜ正しい筋肉の使い方をこまかく習う以前からカラダ(関節)が平均より絶対硬くしかも骨盤も前傾してO脚で内転筋はまったく使えていなかったワタシが3年以上前からターンアウト効果を得られていたのか?」というのが昨年のギモンでした。
さんざんブログにもツイッターでも書いてきましたけれどワタシは股関節からO脚で骨盤は前傾、首はストレートネックにかぎりなく近い状態で最寄り駅の小さなお教室でバレエをはじめました。実際にバレエのレッスンがどのようなものでどういうふうに上達していくのかについて何もアイディアを持っていませんでした。カラダもコチコチで左太腿は表裏とも肉離れのクセがありちょっと動かすと痛みがでる状態でした。シンプルなストレッチとフロアバーのあとバーもフォンデュぐらいまで、センターは最初からトンベパドブレピルエットでタンジュやアダージオは全く無しという内容でした。とにかく最初はもともと故障を抱えている左アシにタンジュなどで負担がかかったせいで左ヒザに痛みが出て週1回のレッスンが限界でした。「舞台で自分のカラダを把握するにはバレエなんだ」と思ったのでおもしろさはあったものの鏡にうつる自分のぶざまな姿をみて「これはたいへんなことをはじめてしまった」とも思いました。そのとき「カタチを作るな」とかなり注意されました。今になってわかったことですけれどターンアウトに必要な正しい筋肉がつかえていない状態では意図せずしてカタチを作ってうごかさないとなにもできないので当時は「どうにもならないからどうにもならない状態でうごかせるところに腕とアシを出したりのばしたりしていた」としか言いようがありません。
ターンアウトは骨盤の角度も変えて骨盤周りの筋肉もレッスンでストレッチして強化した上でできるようになっていくものなのでターンアウトするための筋肉が使えるところにいきつくまでのどうにもならない期間というのは子供でも大人でもぜったい存在するんだとおもいます。幼児ならどんなにヘンな格好で動いても「カワイイ」のでご愛嬌なんですけれど大人の場合一流のプロの舞台のイメージと自分のできることのギャップの大きさがキビシイ面でもあります。
そういうふうに「カタチをつくらない」よう意識しながら今考えると「プレバレエ」の内容のレッスンを2年間受けていたんですけれど当時バレエはショーダンスのための基礎訓練の位置づけだったので(とてもバレエを踊れるようになるとは思えなかったということもあります)「重要なのはバーレッスン」というアドバイスをいただいて自分で考えて6年前から今オープンクラスのレッスンを受けているスタジオに行きました。
後に「バーレッスンが重要」というアドバイスをしてくださった方には「家の近所で習っていた期間はあなたのバレエ歴にはカウントできない」とまで言われてしまいましたがワタシはカラダが硬すぎてどうにもならなかったから必要な期間だったと思っています。ただ内容と密度はレッスンのレベル区分によるのですがオーソドックスなバーのプリエからグランバットマン、センターのタンジュ、アダジオ、アレグロなど一通りの流れで構成される1時間半のオープンクラスのレッスンの良さというのは実感しました。ですからオープンクラスのレベルで下から2番目くらいになると「バレエを踊る」感じにすこし近づけるので面白くなります。
でも週1回、途中からポワントも含めて4年間通い続けたオープンクラスのレッスンは(途中から30分のポワントレッスンも)今思えば一般的なレッスンからすると少々変わっているものでしたけれどそこでとつぜん体型がターンアウト効果で2週間ぐらいの間にとつぜん変わったのでワタシの中では重要な位置を占めています。
前置きが長くなってしまったので続きは次の記事としてアップします
追記:続き(その二)がこの記事の前にアップされてしまいました。並べ替えができないのでこの続きは前の記事として下に表示されています。よろしくお願いいたします