ヌマンタの書斎

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「刑務所のリタ・ヘイワーズ」 S・キング

2006-10-23 12:29:44 | 
これは原作よりも映画「ショーシャンクの空に」のほうが有名だと思います。たしかアカデミー賞を受賞していたと思います。名作映画と評されていますが、やっぱり私は小説のほうが好きです。

小説の場合、映像化されてしまうと、多くの場合自分の頭のなかのイメージと食い違うことが多く、それが不満の種なのです。その点、キングの作品は比較的上手に映像化されていると思います。でもタイトルは、元のままにしてほしかった。リタ・ヘイワーズは1950年代のセクシー女優というか、いわゆるピンナップ女優(今風に言えばグラビア・アイドルって奴か)で軍隊の兵舎や、独身者の部屋の壁によく張られていたようです。

このリタ・ヘイワースの色っぽいポスターに秘められた真実が、物語の大きな鍵となるから面白い。スティーブン・キングといえば、「キャリー」「クージョ」などのホラーが有名ですが、案外ホラー以外の作品に良作が多いから、実に興味深いと思う。「スタンド・バイ・ミー」が有名ですが、この表題の作品も、ストーリーテラーとしてのキングの実力を十分に示していると思います。

もっとも文庫本では「ゴールデンボーイ」という本のなかの一編として納められており、しかもタイトルも違うので見過ごされ勝ちなのが残念です。この頃のキングは、短編を数多く書いていますが、時折中途半端な中篇を書いてしまっていて、それを短編集に押し込んでいます。ところが、その中途半端な長さの中篇が面白いから、キングも困った作家です。編集者はさぞかし、本の構成に困ったことでしょう。

まあ、読者としては、面白ければ良い訳ですが、短編集に押し込まれているだけに、あまり知られていないのが、不満といえば不満ですね。最近のキングは、やたらと長編が多いので、また短編や中篇を書いて欲しいものです。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ほたる)
2006-10-23 14:13:00
はじめまして。
ほたるのひとり言のほたるです。
aolのピックアップカテゴリの載っていて、
来させて頂きました。
私は、「ショーシャンクの空に」が大好きなのです。
でも、「ダヴィンチコード」もそうでしたが、
往々にして、原作を超えるのは難しいようですね。
また、来させて頂きます。失礼しました。
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Unknown (ヌマンタ)
2006-10-23 20:37:59
こちらこそよろしくです、ほたるさん。「ショーシャンクの空」は映画としては、とっても良いと思います。ただ、先に本を読んでいると、頭のなかのイメージとのギャップが気になることが難点ですね。かといって、「シャイニング」のように、まったく別物という在り方も、コアなファンには辛いかも。私は認めていますがね。

ところで、ほたるさんのブログは何回かお邪魔したことがあります。写真と文章のバランスがよく、丁寧に書かれている事に感心しました。さすが人気トップのブログです。私のような書き散らかし派は、つくづく我侭が過ぎるのだなと反省した覚えがあります。
返信する
Unknown (えみ)
2006-10-24 01:55:10
こんばんは

私は文庫の「ゴールデンボーイ」で読みました。
映画も観ましたが、原作にほぼ忠実に再現されていて
ほっとしました。^^

映画を観てから原作を読むということもしますが
これは内容やイメージが違っていてもあまりがっかりしないのです。映像で表現できない心の機微や、
本にある静かな行間が、映像以上に満腹感を満たして
くれるからでしょうか。
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Unknown (ヌマンタ)
2006-10-24 14:24:55
こんにちは、えみさん。キングの作品の映画化は、かなり上手く映像化していると思います。なかでも「スタンド・バイ・ミー」と「ショーシャンクの空に」は双璧だと思います。ただ、「クージョ」の映画版はねえ・・・
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