火曜日の夜から発熱して、現在も静養中です。明日には復活予定。季節の変わり目は要注意だと分かっていたのにこの有様、情けないです。
失敗は成功の母とよく言われる。
日曜日の午前中、私は二度寝を楽しむのが通例だ。朝食を摂るのは多量の薬を飲むためなので、トーストとサラダで軽く済ませ、服薬後に再び寝床に潜り込むのを至上の楽しみとしている。昼時が近づいてくると自然と空腹から目が覚める。
ウトウトしながら何を食べるか考えるのは幸せだ。たしか朝、冷蔵庫を開けた時、野菜室にグリーンアスパラガスがあった。あれは三日ほど前に買ったやつなので、そろそろ食べないとまずい。トマトもあるので付け合わせの野菜は茹でたアスパラに冷たいトマトを添えたサラダにしよう。
そうなるとメインはパスタが良いな。たしかレトルトのナポリタンがあったから、あれもそろそろ片付けよう。そう考えて寝床から起きると、鍋を水で満たして湯を沸かせる。その間にアスパラを茹で、トマトを切り、ドレッシングをかけて一旦冷蔵庫にしまう。
さて、お鍋のお湯が沸騰してきたのでパスタを投入・・・・
私は日ごろパスタを1.5リットルの空っぽのペットボトルに入れて保存している。底には米を少し入れて乾燥材替わりにしている。そのペットボトルが空っぽだった。そういえば先週の月曜日にペペロンチーノを作った時に、すべて使い切ったことを忘れてた。
今から買いに行くか・・・ここでナマケグマの本性が出てしまう。面倒くさい。そう考えると、後は如何にするかを考える。よく考えたら最近の暑さにめげて、素麺を買ってあることを思い出した。既に熱くなっているレトルトのナポリタンを横目に、まぁ試してみるかと素麺を茹でだす。
素麺は好きだが、毎年夏の終わりには飽きる。だから、残った素麺を茹でて温めたレトルトカレーを混ぜて食べることがある。その応用だと思って試した次第である。そこで茹で上がった素麺にレトルトのナポリタンを加えて良くかき回す。
これが意外なことにさっぱりとした食感で、美味しく頂けた。多分刻んだベーコンかソーセージを斜め切りしたやつも加えたほうが良かったかもしれない。瓢箪から駒ではないが、思わぬ失敗から新しい献立が私のレシピに増えた。
ただし、たまに食べればイケる程度なので、自慢する気にはなれないのは、パスタを買い忘れたことへの後悔があるからでしょうね。
今から40数年前のことである。
大学受験予備校として著名な代々木ゼミナールの世界史の人気講師であるT先生が突如、マスコミ批判をし始めた。受講生たちはビックリしつつも興味津々で背筋を伸ばして全身を耳にして、その内容を一言も聞き漏らすまいと緊張した。
当時はソ連と共産シナが蜜月であり、朝日新聞を始めとしたマスコミ各社、進歩的文化人と自称する言論人が、この流れに乗り遅れまじと「日米安保廃止。ソ連との平和条約締結」とけたたましく叫んでいた。
日本共産党の本部が近い代々木でも、デモ隊が盛んにシュプレヒコールを繰り返していた。T先生、余程腹に据えかねたのか、授業を中断して話し始めた。
曰く、あれほど長く国境を接している国同士は常に紛争の種を抱えており、今現在蜜月だからといって、それが長く続くと考えるのはおかしい。そう言うと黒板に両国の歴史的は紛争を箇条書きにして、具体的に説明し、マスコミが主張する蜜月関係なんて10年以内に破綻すると断言した。
そして歴史の講師らしく「こんなバカげた言論がまかり通るのは、彼らが歴史を真剣に学んでいないからだ」と述べ、次に私たち受講生に頭を下げて「授業を脱線して済まなかった。歴史を学ぶ学究として、どうしても黙っていられなかったのだ」と静かに言葉を締めた。
すると教室のいたるところから、静かな拍手が鳴らされた。私もその一人であった。大学受験のための勉強は嫌いであったが、勉強することの本当の意義を垣間見た瞬間であり、歴史を生涯学ぶべき対象だと信じた瞬間でもあった。
当時、大学を卒業したら企業戦士として活躍するつもりであった私は当然に経済学部への進学希望であった。でも、この後本気で歴史学科への変更を悩むことになった。幸か不幸か、歴史学科のある大学は少なく、自宅の近所にはなかったので諦めた。
近所? はい、私、長すぎる通学時間は真っ平だったので、どんなに長くとも片道1時間以内の大学しか受験してないナマケグマな受験生だったからです。
ところで、当然のように五期目の大統領に決まったロシアのプーチンの最初の外国訪問の地としてシナが選ばれた。ロシアのマスコミはもちろん、両国の親密ぶりをアピールすることに躍起である。
この動きに呼応するが如く、我が国のマスコミ様の一部と政治家、言論人に日米同盟への疑問を言い出す輩が現れた。残念ながら未だマスコミ様は歴史を学ぶことをしていないようだ。
別に予言者を気取るつもりはないが、10年以内にロシアとシナは再び緊張関係に戻ると思います。震源地は中央アジア、民族問題と資源問題の火薬庫ですから。
ここでいささか卑怯なことを書いておくと、日本にとってはロシアが安定している方が都合がいいです。ロシアはユーラシア大陸の綴じ蓋のような存在です。ロシアが健在だからこそ、ユーラシア大陸中央部の戦乱は最小限に抑えられる。中華思想が極端なシナがこの地に本格的に出てくれば、ほぼ間違いなくテロが頻発し、火薬庫に火が付く可能性が高いですから。
誤解している人が多いのですが、ロシアは本質的に防衛本能が異常に強いお国柄です。だからこそ安定している時のほうが、極東地域は安定します。安定を望むロシアは、北コリアの暴発を許さないでしょうからね。まぁ北方領土は戻らんと思いますが。
先月の話だが、現在大ヒットしている「薬屋のひとりごと」でスクエニ社版の漫画化を担当している漫画家のねこクラゲさんが脱税で検察から起訴された。この報道で多額の脱税をした漫画家を賢しげに誹謗する声がずいぶんと上がっていた。
脱税は罪である。そのこと自体に異論はないが、この記事を書いた記者は、間違いなく実情を知らず記者クラブでの役所側の広報を真に受けた垂れ流し記事を書いたのだろうと容易に想像がつく。
一般的に出版社などから漫画家や小説家、イラストレーターなどに報酬が支払われる場合、予め源泉所得税が天引きされている。一回当たりの支払いが100万円以下だと10%が天引きされ、100万を超えた場合、100万以下は10%、100万円を超えた部分は20%の源泉所得税が天引きされる。
そのため、多数の売れない漫画家や小説家は、確定申告をすると税金が還付される場合が少なくない。ただし、これは所得税の話であり、住民税が後から送られてくる。これに驚く人は少なくない。実際、私が業務上受ける相談のうち数回は、この後払いの住民税についてのものが多かった。
まぁ現実問題、圧倒的多数の作家、漫画家、イラストレーターなどは確定申告をすれば還付になるが、なにもしていないケースも多い。なぜなら所得税は納税済みであるからだ。そう認識している若い作家たちは多い。
しかし、大ヒットを出した小説家、漫画家の場合は事情が大きく異なる。まず所得税は累進課税である。また暦年課税(1月から12月まで)でもある。一回当たりの支払金額毎に支払調書をもらっている場合、天引きされた20%の源泉所得税で足りるかもしれない。
でも一月から12月までの集計された支払調書に記載された源泉所得税は上限が20%である。総収入から必要経費を引き、更に社会保険料、扶養控除等を引いた残りが所得であり、この所得が695万円以上ならば税率は23%、900万円以上で33%、1800万以上ならば40%である。
報道などによるとねこクラゲさんへの追徴課税は数千万だというから、おそらく最大税率である45%が適用されたと思われる。報道がいい加減なので詳細は分からないけど、おそらく白色申告で所得率を適用されたとすると、必要経費はほとんど認められないはずだ。
私の知る限り、税理士などがついて当初から適正に申告していれば、おそらく納税額はその半分以下だと思う。事前対策あってこその節税であり、これまで天引きされた源泉所得税で満足していた納税者には非常に辛いと思う。ちなみに小学館版の「薬屋のひとりごと」の漫画化を担当している倉田先生は既に単行本を数冊出しているので、しっかりと申告していたと推測できる。
あくまで私の経験上だが、税金が天引きされているので自分はしっかり納税していると勘違いしている人は少なくない。出版社側から支払われる印税等の情報は、毎年一月に法定調書として税務署に提出されているので、これでバレるケースは多い。まぁ大概の場合、税務署に呼び出されて適正な申告を奨励されて終わる。もちろんこれは非公開である。
しかも検察に起訴されたとなると、これは一罰百戒を狙った政策的公開処刑のようなものだ。これをろくに取材せずに記者クラブ配布の資料垂れ流しで記事にするマスコミ様のやり様には吐き気がする。権力に媚びているだけじゃないか。
そもそも日本の義務教育では、ろくに租税教育をしていない。私ども税理士会に市町村から学校で授業をして欲しいと要望が一部あるくらいである。これでは天引きされる源泉所得税と、確定申告の違い、白色申告と青色申告の違いなど分かるはずもない。
一応書いておくが納税は国民の義務である。それは確かだが、何故だかこの国はその義務を詳細に教えることを避ける。知らなくても脱税は脱税だが、初めてのヒット作であり、初の単行本で巨額の印税収入をどうしたら良いのか分からなかった漫画家に対して、いささか酷に過ぎる。
私に言わせれば、ハリーポッターの翻訳者のように国外に仮の住居をもって納税を免れようとしたり、課税時期の判断時期を利用して大幅な節税をやらかした元財務大臣のT氏のほうが余程悪質である。
まぁ、マスコミ様は叩いても怖くない弱い納税者を利用して正義感ぶっているのでしょうけど、それって役所の手のひらで踊っているだけですから。ホント、滑稽極まりない醜聞ですね。
間違えを認められない。
これが日露戦争以来、日本の行政府を蝕んできた病巣である。
これは日本に限らないが、政府とりわけ官庁が強いと、過ちを認めたがらない傾向がある。一つには、官僚の人事考課が減点主義であるため、なるべく仕事仲間が傷つかないように内々で処理したがるからだ。
日本において、この悪癖が慣行として根付いたのは日露戦争からだ。以前にもあったようだが、薩摩と長州、旧幕臣などの微妙な力関係が、内々の処理がしにくい状況を作っていたため、あまり露骨な失策隠しは出来なかった。
しかし、明治政府内部の力関係が安定してきたが故に、徐々に官僚の失策隠しが広まっていた。その決定打が日露戦争の勝利であった。細かい論評は避けるが、日露戦争は日本とロシア、双方が失策に失策を重ね、より失策が多かったロシアが敗戦を甘受した戦争である。
ちなみに失策を重ねたロシア軍官僚たちは、革命前夜の恐怖に怯えて敗戦の反省もろくにせずにモスクワに逃げ帰って赤色革命への対応に右往左往している。そしてロシアよりもほんの少しだけ失策が少なく、かつ幸運にも恵まれた日本軍は、失策の反省を勝ったのだからいいじゃないかと誤魔化した。
いや、誤魔化すどころではない。高級官僚の失策はなかったものとみなす一方、立案さえ国会を通過すれば、例え立案が失敗しても責任は問わず、高級官僚の責任は問わないことが慣例として定まってしまった。
これは、あまりに異常すぎてアメリカのGHQも気が付かなかった。アメリカの場合、大統領が替われば、支える高級官僚たちも同時に替わるため、失策を犯した官僚が罪を問われずに生き残るなんて想像も付かなかった。
この馬鹿げた慣習が今も生きて、日本の政治に悪影響を与えている一例が、今話題の熊本での「マイクを切った説明会」騒ぎである。環境大臣まで現地に赴いて謝罪を余儀なくされた醜態である。
これを岸田政権の失策だと報じるマスコミ様の見識の無さも腹立たしいが、この問題の根底にあるのは100年以上続く日本政府の異常で異質な隠蔽主義である。
有機水銀が原因で、環境を汚染し、汚染された魚介類を食べた人間にも多大な健康被害を及ぼしたのが水俣病である。今の学校でどのように教えているのかは知らないが、私が十代の頃からこの事件にひどさは知られていた。
当時の日本はたしかに経済成長を第一にしていた。環境汚染はもちろん、公害病もまだ世間的に周知されていなかったのは確かだ。でも、それを主導したのは、間違いなく日本の行政府だ。有機水銀という汚染物資を川に垂れ流した企業を守ることを優先した地元の役所。
有機水銀が病原だと知りつつ、それを隠蔽した保健所や病院。そして国民の健康よりも、国民の雇用先確保、税収確保を優先した中央官庁こそが、公害病が日本中に拡散し、かつ対応が遅れた元凶であった。
そしてこれらの明白な失策を問題視せずに放置した官庁の人事考課と、それを黙認した日本のマスコミ様も私からすれば、同じ穴の狢である。おそらくですが、今回の熊本の役人たちも内心では「なんで、こんな過去の問題で悩まされるのだ?」との被害者意識を持っていると思う。そして、それは正しい。なぜなら最初にしっかりと責任を取らなかった当時の日本政府が悪いのだから。
とはいえ、既に100年以上守られた異様な悪癖を是正するのは容易ではないことは、官庁にも政界にも無縁の私でも分かる。嫌な予測だが、おそらく日本人だけの問題であるうちは、決して改善されないと思います。多様な人種が日本に流入し、外国人が日本の統治機構に参入してからでないと、この問題は解決されないでしょう。
改めて書くまでもないとは思いますが、今盛んに批判している野党様では絶対無理です。彼らも過去の自らの失策を顧みることから逃げ回っていましたからね。