Photo by Ume氏(再録)
昨日、やはり暖かくなったら気が変わって、HALを連れて入笠へ行ってみた。前回に出掛けたのが1週間かそこら前だと思っていたが、それが先月の25日と知り、あれからもう半月近くが経つのかと驚いた。
その後も雪は降ったはずだから、どこまで進めるかは予想もつかなかったが、そうなったら無理せず引き返すつもりでいたた。オオダオ(芝平峠)を過ぎてから雪が現れたが、積雪量は思ったよりも少なかった。焼合わせを過ぎ、この前に引き返した所まで来ると、その先にも轍が続いていた。誘われるように突き進むと雪はさらに深くなり、やがて四駆のLに切り換えたエンジンは悲鳴を上げた。あの雪の深さで立ち往生でもすれば、脱出は相当困難なはずだった。冷や汗をかき、もがき続ける間に、もうとっくに最大の難所、ド日陰の大曲りの通過は無理と観念した。
車を停めた場所は偶々4年前の冬、愛犬キクが消息を絶ってしまった場所だった。そんなことを思い出しているうちに俄然、歩いて牧場へ行こうという気になってきた。そう思い立ったら、冬用の山靴に履き替え、スパッツを付け、スノーシューズを用意して・・・、などという一連の面倒な作業も自分の意志というよりか、身体が勝手にしているような気がした。昨冬は山スキーしか使わなかったから、山靴もスノーシューズも2年ぶりだったはずだ。
雪のまったくない箇所もあったが、さすがにド日陰は違った。そこを果敢に攻めた車も、曲がり終えた先の1本の倒木の前でついに断念したのだろう、轍は終わっていた。そして、方向転換もできないまま戻るしかなかった苦労の跡が残っていた。その後も日陰は続き、積雪量はさらに増え、倒木がなくても、あそこが限界だったに違いない。
牧場の北門の少し手前でスノーシューズを捨てた。ところがその後も、牧場内の予想を超えた雪にツボ足の苦労と、スノーシューズの偉力を久々に教えられ、そして気が付いたら、いつの間にかHALの姿が消えていた。(つづく)
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