浄土宗の僧侶でもあった方ですから、僕が知らなくて当然かもしれませんが、山本空外上人は日本が世界に誇る大哲学者でもあるんだそうです。
レーガン大統領が来日した際、空外上人の書を懇願されたけれども政府関係者は誰も知らなかった。ただ、名を聞いたことがあった竹下登氏が手を尽くして書が大統領の日本土産になったという逸話も。
そんな方が、加茂町(現雲南市)の名もなき寺の住職を1953年以来50年近く勤められていた。
「真理を見てくる」手法
保江邦夫先生の近著で、湯川秀樹博士は岡潔先生の仲介で山本空外の弟子になられ、「真理を見てくる」手法を授けられて素領域理論を完成させたと知りました。
原爆の父ともいわれたオッペンハイマー博士は、湯川博士から話を聞き弟子入りを懇願されたけれども、この手法の本質は日本人でないと理解できないと、アメリカ人を理由に弟子入りを断られたとも。
岡潔先生は著作で、自分の数学の研究は、情緒を数学という形に表現している。(中略)発端と結論がわかっていて中がわからないが、大自然に任せて、その理法によって表現すると書かれています。
保江先生は、岡潔は寝ている間に情報を得ていた。というより、仮死状態になってさまざまな数学的真理を見てきた。空外上人からその「真理を見てくる」手法を授かったと書いています。
無染浄
ずいぶん前置きが長くなりましたが、その山本空外とはどんな方だろうとネットで見つけた「空外記念館」を訪ねたのですが、えっ!人影もなくひっそり静まり返り開館していない様子(><
住職のお宅らしきところで聞くと開館は10月だけだと。おっと~~~(@@
ただ、本堂にも空外上人の書とかがあるので、特別に見せてあげますよと。きましたね(*^^*)
掛けられていた書の一つに「無染浄」とありました。
確か、仏法では染浄の二法が説かれ、染法とは、迷いの生命である無明のことで、浄法とは、悟りの生命である法性のことだったように思います。
自我を捨てて、あるがままにということなんでしょうか。