<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

まあ、悪いばかりじゃなさそうだ

2017年05月19日 04時54分55秒 | Weblog

さぶろうは老爺。72才。堂々たる老爺。長く生きられた。長く生かして頂いた。

で、当然、皺だらけで老醜を晒している。加えてアチコチに痛みがある。ズキズキする。右手の中指が固まって伸びない。傷はないのに。骨が痛い。顎の辺り、首の付け根の辺りが頻りに痛む。なんか有るんだろうなあ。

リンパ節が腫れているかもしれぬ。指先を当ててみる。気を入れてみる。5分くらい。するとやわらぐ。軽くなる。それで騙し騙しして病院には行かないでいる。しかし、夜中不意にそれが耐えられなくなることがある。

ああ、遂に来たかと思う。年貢の納め時かなと思う。何か病気がなければ死ねない。死んでいくためには、だから、病気の手助けがいる。

進んで助っ人の役割を果たしてくれるのを断ることはあるまい。あるいは、三段跳びの跳び箱のようなもの。これであの世の空中高くジャンプができる。まあ、悪いばかりじゃなさそうだ。

これはさしずめ仏さまのお慈悲かも知れぬ。だとすればこれを押し頂いて受け入れねばならぬ。ともかく何処かでケリを付けねばならぬ。お終いにしなければならぬ。是は間違いのないことだ。

此処はあの世の通り道になっているところ。せっかく人間界終了の死の準備がはじまっているんだから、拒否をするばかりというのも、大人げない。などなど考える。怠け者はそんな風にも考える。対抗手段を打たないのを良しとする。

飛行機が目的地に近づいたら、高度を下げる。速度を落とす。着陸態勢に入ると逆噴射をする。それで無事に着地が出来る。さぶろうも高度を下げる。速度を落とす。そろそろ逆噴射をする態勢に入って来るころだろう。

みずから食事を少しずつ絶つというやり方もある。古来、日本では、我が死に時をわきわめた禅僧などがこの策を選んだりした。さぶろうはそこまでの賢明さも勇気もない。生来怠け者のふしだらを通すだけだ。

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それはご褒美のようなものでもある

2017年05月19日 04時37分10秒 | Weblog

夜中に三度も起きる。ダム湖放水のために。その分眠りが妨げられる。老人特有の症状だろうが。新聞にノコギリヤシの宣伝が載っている。試してみたくなる。三度を二度に減らしたくなる。でもね、それは長く生きたという証でもあるんじゃないか。そうだ。長く生きられたということでもある。ご褒美のようなものでもある。だったら、それを愚痴にしては申し訳がないような気もする。

夜中に眠れなかった分は昼間に補ったらどうだ。とろんとろんとお昼寝が楽しめるよ。老人には幸い、しなければならない仕事というものがない。遊んで暮らしている。夜中のトイレ通いが、まあ、仕事のようなもの。そう考えてみよう。仕事があるうちがハナだよ、さぶろう。そういうことになった。ノコギリヤシの誘惑は断ち切ろう。金も掛かるし、ね。

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