正等無異 於百千万億劫 不可窮尽 「観世音菩薩普門品第18」の偈文より
しょうとうむい おひゃくせんまんごう ふかぐうじん
正等と無異とは、百千万億劫に於いても、極め尽くすべからず。
観世音菩薩の授け給う利益は、すべての人に対して正しく且つ等しく、異なることなく、たとい百千万億劫の時を費やすとも、極め尽くすことなどはできないのである。
わたしが極め尽くすことが未だし中半であるといへども、観世音菩薩の授け給う利益は止むことがない。わたしが受け取る利益は次々に波のように押し寄せて来る。昨日も受け取り、今日も受け取り、明日も受け取って行く。
すべてわたしの裁量を超えている。すべてわたしの算段を遙かに逸脱している。それでも尚且つ正等であって無異である。百千万億劫に亘って、ただただ一方的である。観世音菩薩からの一方的である。
ワンウェイロードである。仏界の慈悲はワンウェイロードである。わたしはそれをただに受け取るばかりである。