大空が大地を見ている。眼鏡を掛けて見下ろしている。
みんなそうなるんだよね、死んだら。
五月の大空が五月の新緑の山々を見ている。
大地に人が楽しげにして行き交っている。
それを眺め下ろして過ごす。にっこりにっこりして過ごす。
大空が大地を見ている。眼鏡を掛けて見下ろしている。
みんなそうなるんだよね、死んだら。
五月の大空が五月の新緑の山々を見ている。
大地に人が楽しげにして行き交っている。
それを眺め下ろして過ごす。にっこりにっこりして過ごす。
口を開けて、青空を吸って、ぽかんとしている。
このぽかんがいい。
重々しくなっている心身が、ふっと軽くなる。
開いた口の中に、光が来て、シーソーをしだした。
考えててもいいが、考えていなくてもいい。どちらでもいい。好きにしてていい。
考え事など放り出していてもいい。その領域を空白にしていてもいい。
何か考えていてもいい。考えたらそれでにっこりできるようなことなら。
ギクシャクして気まずくなってしまうのであれば、考え事は中止した方がいい。
解決の手段になると決まっているのではないから。
深呼吸をする。息を深く吸って長々と吐き出してみる。毒気を吐き出してしまうように。
しばらくそれを続ける。ふっくらとなる。やわらかくなる。あったかくなる。落ち着きを得る。
いい天気。外に出たい。
したいことがいろいろある。農作業がいろいろ待ち受けている。
里芋の植え付けがやや遅くなってしまっている。
種から蒔いていたピーナッツが発芽して、そろそろ畑に移植してもいいようになっている。
夏場に食べられるように、枝豆の種蒔きもしておきたい。
でも、出て行けそうもない。
腰痛が出て動きがままならない。動くと痛みが増す。
炬燵に足を延ばして、じっとしているしかない。
腑甲斐ない。
爽やか。爽やかすぎて、寒い。夜中には雨が降っている音がした。
いかにも五月。鯉幟が、青空を泳ぐときになっている。
北に、新緑の山々が広がっている。
腕白広場公園の藤棚が、盛りを迎えているだろう。
腰痛がやわらいだら、麦畑の畦道を、サイクリングして回ってみたくなる。